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  • 平成3年度|
  • 第2章 個別の検査結果|
  • 第1節 省庁別の検査結果|
  • 第11 建設省|
  • 不当事項

補助金


(202) 道路改良事業の実施に当たり、設計が適切でなかったため橋台が不安定な状態になっているもの

会計名及び科目 道路整備特別会計 (項)道路事業資金貸付金
部局等の名称 茨城県
補助の根拠 道路法(昭和27年法律第180号)
事業主体 茨城県
補助事業 東茨城郡大洗町主要地方道大洗友部線道路改良
補助事業の概要 橋りょうを新設するため、平成3年度に、橋台、橋脚等を施工するもの
事業費 135,733,400円
上記に対する国庫補助金交付額
(無利子貸付金の貸付額)
74,653,370円
不当と認める事業費 15,238,000円
不当と認める国庫補助金交付額
(無利子貸付金の貸付額)
8,380,900円
 上記の補助事業において、橋台の設計が適切でなかったため不安定な状態になっており、これに係る国庫補助金相当額8,380,900円が不当と認められる。

1 補助事業の概要

 この補助事業は、茨城県が、主要地方道大洗友部線の道路改良事業の一環として、東茨城郡大洗町大字成田町地区にプレストレストコンクリート道路橋(橋長165.0m、幅員12.0m)を新設するため、平成3年度に、橋台1基及び橋脚2基の築造等を工事費135,733,400円(国庫補助金74,653,370円)で実施したものである。

 このうち、橋台は、高さ8.0m、底版幅6.5mの鉄筋コンクリート構造とし、そのかかと版の上面側に配置する主鉄筋については、同橋台の配筋図において、径16mmの鉄筋を12.5cm間隔に配置することとして設計し、これにより施工していた(参考図参照)

2 検査の結果

 検査したところ、かかと版の主鉄筋については、設計の基礎となっている設計計算書によれば、応力計算上安全なものとなるよう径22mmの鉄筋を12.5cm間隔に配置することとしているのに、配筋図を作成する際に誤って径16mmの鉄筋を使用することとしていた。

 このため、かかと版と縦壁との接合部に生ずる引張応力度(注) (地震時)は、径22mmの鉄筋とすれば2,112,1kg/cm2 となるのに、径16mmの鉄筋では4,032.1kg/cm2 となり、鉄筋の許容引張応力度(注) 2,700kg/cm2 を大幅に上回っていて、応力計算上安全な範囲を超えている。

 したがって、本件橋台(工事費相当額15,238,000円)は設計が適切でなかったため、地震時においてはその安定が確保できず、不安定な状態になっており、これに係る国庫補助金相当額8,380,900円が不当と認められる。

引張応力度・許容引張応力度 「引張応力度」とは、材に外から引張力がかかったとき、そのために材の内部に生ずる力の単位面積当たりの大きさをいう。その数値が設計上許される上限を「許容引張応力度」という。

(参考図)

橋台概念図

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