ページトップ
  • 平成5年度|
  • 第2章 個別の検査結果|
  • 第1節 省庁別の検査結果|
  • 第10 建設省|
  • 不当事項

補助金


(212) 離島道路改良事業の実施に当たり、間詰床版コンクリートの養生工費の積算を誤ったため、工事費が割高となっているもの

会計名及び科目 道路整備特別会計 (項)離島道路事業費
部局等の名称 新潟県
補助の根拠 道路法(昭和27年法律第180号)
離島振興法(昭和28年法律第72号)
事業主体 新潟県佐渡郡佐和田町
補助事業 佐渡郡佐和田町3・5・4窪田本町線離島道路改良
補助事業の概要 橋りょうを新設するため、平成4年度に、上部工、取付道路工を施工するもの
事業費 34,482,340円
上記に対する国庫補助金交付額 20,689,404円
不当と認める事業費 8,273,000円
不当と認める国庫補助金交付額 4,963,800円

 上記の補助事業において、間詰床版コンクリートの養生工費の積算を誤ったため、工事費が割高となっており、これに係る国庫補助金相当額4,963,800円が不当と認められる。

1 補助事業の概要

 この補助事業は、新潟県佐渡郡佐和田町が、3・5・4窪田本町線離島道路改良事業の一環として、同町河原田諏訪町地区の普通河川常江川に橋長7.4m、幅員17.8mの橋りょうを新設するため、平成4年度に、上部工、取付道路工を工事費34,482,340円(国庫補助金20,689,404円)で実施したものである。
 このうち上部工は、工場で製作した長さ7.4mのプレストレストコンクリート桁23本を橋台に架設するとともに、各桁の間に間詰床版コンクリートを打設し、湿潤養生を行いながら硬化させた後、あらかじめ各桁の側面に通しておいたPC鋼より線(8本)を緊張させて、各桁を一体化させ床版を施工するなどのものである(参考図参照)
 上記の湿潤養生は、コンクリートの硬化中、コンクリートを日光や風雨等から保護し十分な湿度と温度を与えることにより、ひび割れを防止するとともに強度を確保するため、コンクリートの露出面をシート等で覆い、散水を行うものである。
 そして、この間詰床版コンクリートの養生工費については、新潟県制定の積算基準に定められた歩掛かり等に基づき、養生工単価を算出し、これに養生面積を乗じて、計6,778,830円と積算していた。

2 検査の結果

 検査したところ、間詰床版コンクリートの養生工費の積算が次のとおり適切でなかった。

(ア) 養生工単価について、積算基準に定められた歩掛かり等により算出した単価は100m2 当たりの単価であるのに、誤ってこれを1m2 当たりの単価としていた。

(イ) 養生面積について、積算基準によれば、上記の養生工単価に乗ずべき面積は間詰床版コンクリートの面積とされているのに、誤って桁の部分を含めるなどした面積を乗じていた。

 したがって、前記の養生工費は著しく過大となっており、正しくは12,679円となる。
 上記により工事費を修正計算すると、積算過小となっていた桁輸送費等887,018円を考慮するなどしても、諸経費等を含めた工事費総額は26,208,350円となり、本件工事費はこれに比べて約8,273,000円割高となっており、これに係る国庫補助金相当額4,963,800円が不当と認められる。

(参考図)

(参考図)

補助金 | 平成5年度決算検査報告 | 1

補助金 | 平成5年度決算検査報告 | 2

補助金 | 平成5年度決算検査報告 | 3

補助金 | 平成5年度決算検査報告 | 4

補助金 | 平成5年度決算検査報告 | 5

補助金 | 平成5年度決算検査報告 | 6

補助金 | 平成5年度決算検査報告 | 7