この特別会計は、国が経営する健康保険事業及び厚生年金保険事業並びに児童手当に関する経理を一般会計と区分して行うため設置されているものである。
同特別会計は、健康、年金、児童手当及び業務の4勘定に区分して経理されており、その勘定別の16年度の歳入歳出決算、損益、借入金等及び主な業務実績は次のとおりである。
(健康勘定)
1 歳入歳出決算
区分 | 16年度 | (15年度) |
千円 | 千円 | |
(歳入) | ||
徴収決定済額 | 8,894,167,389 | 8,828,542,443 |
収納済歳入額 | 8,831,534,452 | 8,759,291,448 |
不納欠損額 | 21,127,585 | 22,837,388 |
収納未済歳入額 | 41,505,350 | 46,413,606 |
(歳出) | ||
歳出予算現額 | 8,820,389,652 | 8,921,317,192 |
支出済歳出額 | 8,731,692,444 | 8,759,139,199 |
不用額 | 88,697,207 | 162,177,992 |
不納欠損額の主なものは保険料収入(徴収決定済額6兆5267億3724万余円)の203億6444万余円である。収納未済歳入額は、保険料収入の397億9720万余円及び雑収入(同186億3596万余円)の17億0815万余円である。また、不用額の主なものは、保険給付費(歳出予算現額3兆9769億6345万余円)の386億8209万余円、保健事業費等業務勘定へ繰入(同1092億9645万余円)の49億2567万余円及び諸支出金(同181億8456万余円)の43億2145万余円である。(なお、不用額のうちには予備費に係るものが400億円ある。)
2 損益
区分 | 16年度 | (15年度) |
千円 | 千円 | |
利益 | 7,423,842,473 | 7,396,549,155 |
(うち保険料) | (6,471,190,153) | (6,382,083,331) |
損失 | 7,273,035,922 | 7,336,248,319 |
(うち保険給付費) | (3,938,184,242) | (3,886,803,132) |
利益金 | 150,806,551 | 60,300,835 |
前年度繰越損失金 | 888,088,606 | 948,237,1942 |
翌年度繰越損失金 | 837,124,064 | 888,088,606 |
3 借入金等
区分 | 16年度末 | (15年度末) |
千円 | 千円 | |
借入金現在額 | 1,479,228,212 | 1,479,228,212 |
(財政融資資金) | ||
事業運営安定資金 | 135,841,972 | 47,819,856 |
4 主な業務実績
区分 | 16年度 | (15年度) |
健康保険の一般被保険者数(年度末) | 18,930千人 | 18,815千人 |
(保険給付) | ||
医療給付 | 3,415,136,930千円 | 3,392,784,054千円 |
現金給付(傷病手当金等) | 519,523,405千円 | 490,150,174千円 |
老人保健拠出金 | 1,898,331,980千円 | 2,156,380,887千円 |
退職者給付拠出金 | 688,797,298千円 | 669,313,474千円 |
介護納付金 | 523,905,407千円 | 439,430,585千円 |
健康保険の日雇特例被保険者数(年度末) | 17千人 | 19千人 |
(保険給付) | ||
医療給付 | 2,893,112千円 | 3,218,707千円 |
現金給付(傷病手当金等) | 727,915千円 | 731,164千円 |
老人保健拠出金 | 962,987千円 | 1,477,311千円 |
介護納付金 | 679,065千円 | 418,928千円 |
(年金勘定)
1 歳入歳出決算
区分 | 16年度 | (15年度) |
千円 | 千円 | |
(歳入) | ||
徴収決定済額 | 32,971,756,375 | 31,242,541,229 |
収納済歳入額 | 32,847,701,975 | 31,102,189,489 |
不納欠損額 | 48,356,845 | 53,559,822 |
収納未済歳入額 | 75,697,554 | 86,791,918 |
(歳出) | ||
歳出予算現額 | 33,163,930,476 | 32,378,369,293 |
支出済歳出額 | 32,611,812,555 | 31,440,137,075 |
不用額 | 552,117,920 | 938,232,217 |
不納欠損額は、保険料収入(徴収決定済額19兆5747億1603万余円)の471億8102万余円及び雑収入(同105億1169万余円)の11億7581万余円である。収納未済歳入額は、保険料収入の738億3539万余円及び雑収入の18億6216万余円である。また、不用額の主なものは、保険給付費(歳出予算現額21兆7443億4208万余円)の2062億9996万余円、福祉施設費等業務勘定へ繰入(同2003億0182万円)の96億5490万余円及び国民年金特別会計へ繰入(同10兆7959億4319万余円)の85億5661万余円である。(なお、不用額のうちには予備費に係るものが3260億円ある。)
なお、厚生年金保険法(昭和29年法律第115号)の一部改正により、保険料率は1000分の135.8から、16年10月以降毎年1000分の3.54ずつ引き上げ、29年9月以後、1000分の183.00とすることとされた。
2 損益
区分 | 16年度 | (15年度) |
千円 | 千円 | |
利益 | 32,972,292,582 | 31,256,268,307 |
(うち保険料) | (19,451,569,594) | (19,226,624,208) |
損失 | 32,632,547,356 | 31,451,011,237 |
(うち保険給付費) | (21,538,041,406) | (20,814,004,027) |
利益金(△損失金) | 339,745,226 | △194,742,929 |
前年度繰越利益金 | 139,250,998,289 | 139,445,741,219 |
翌年度繰越利益金 | 139,590,743,516 | 139,250,998,289 |
3 積立金
区分 | 16年度末 | (15年度末) |
千円 | 千円 | |
積立金現在額 | 137,411,034,529 | 137,742,241,178 |
(うち運用寄託金現在額) | (66,573,702,034) | (50,194,484,755) |
4 主な業務実績
区分 | 16年度 | (15年度) | |
厚生年金保険の被保険者数(年度末) | 32,491千人 | 32,120千人 | |
老齢厚生年金等の支給 | 受給権者数 | 24,232千人 | 23,147千人 |
支給額 | 21,538,042,125千円 | 20,814,004,845千円 |
(児童手当勘定)
1 歳入歳出決算
区分 | 16年度 | (15年度) |
千円 | 千円 | |
(歳入) | ||
徴収決定済額 | 432,197,219 | 342,551,738 |
収納済歳入額 | 432,197,197 | 342,551,737 |
収納未済歳入額 | 22 | 0 |
(歳出) | ||
歳出予算現額 | 446,795,057 | 360,732,521 |
支出済歳出額 | 425,280,617 | 338,532,232 |
翌年度繰越額 | 5,821 | 46,599 |
不用額 | 21,508,618 | 22,153,689 |
不用額の主なものは、被用者児童手当交付金(歳出予算現額3028億2514万余円)の116億8894万余円及び児童育成事業費(同336億8182万余円)の56億9787万余円である。
なお、児童手当法(昭和46年法律第73号)の一部改正により、児童手当の支給対象年齢が義務教育就学前までから小学校第3学年修了前までに延長され、16年4月から施行された。
2 積立金
区分 | 16年度末 | (15年度末) |
千円 | 千円 | |
積立金現在額 | 73,424,733 | 69,468,641 |
3 主な業務実績
区分 | 16年度 | (15年度) | |
児童手当の交付 | 交付対象児童数 | 8,837千人 | 6,340千人 |
交付額 | 543,117,801千円 | 396,392,163千円 |
(業務勘定)
1 歳入歳出決算
区分 | 16年度 | (15年度) |
千円 | 千円 | |
(歳入) | ||
徴収決定済額 | 575,279,233 | 606,939,218 |
収納済歳入額 | 539,802,386 | 569,240,245 |
不納欠損額 | 13,285,685 | 13,367,344 |
収納未済歳入額 | 22,191,162 | 24,331,629 |
(歳出) | ||
歳出予算現額 | 552,075,512 | 587,433,546 |
支出済歳出額 | 508,538,601 | 553,237,799 |
不用額 | 43,536,910 | 34,195,746 |
不納欠損額の主なものは雑収入(徴収決定済額505億1607万余円)の129億6970万余円である。収納未済歳入額の主なものは雑収入の216億8674万余円である。また、不用額の主なものは、福祉施設事業費(歳出予算現額1643億3507万余円)の196億6390万余円、業務取扱費(同1522億7097万余円)の90億3600万余円及び保健事業費(同809億8745万余円)の72億3906万余円である。
2 損益
区分 | 16年度 | (15年度) |
千円 | 千円 | |
利益 | 539,656,865 | 550,505,553 |
(うち一般会計より受入) | (81,672,726) | (83,103,555) |
損失 | 524,272,219 | 547,639,958 |
(うち業務費) | (143,387,402) | (143,436,082) |
利益金 | 15,384,646 | 2,865,595 |
(利益金又は損失金の処理) | ||
繰越利益金として整理 | 14,662,566 | 2,762,367 |
翌年度に特別保健福祉事業資金に組入れ | 722,080 | 103,227 |
前年度繰越利益金 | 152,513,486 | 149,751,118 |
翌年度繰越利益金 | 167,176,052 | 152,513,486 |
3 資金
区分 | 16年度末 | (15年度末) |
千円 | 千円 | |
特別保健福祉事業資金現在額 | 1,501,219,572 | 1,501,116,222 |
なお、この特別会計について検査した結果、「第3章 個別の検査結果」に「健康保険及び厚生年金保険の保険料の徴収に当たり、徴収額が不足していたもの」
、「厚生年金保険の老齢厚生年金及び国民年金の老齢基礎年金の支給が適正でなかったもの」
、「医療費に係る国の負担が不当と認められるもの」
、「データ通信サービス契約に係るソフトウェア使用料のうちの利子相当額の算出が適正なものとなるよう是正改善の処置を要求したもの」
及び「国庫負担金等の交付の趣旨に沿った保育士の配置によって、保育が適切に行われるよう改善させたもの」
を、「第4章 国会からの検査要請事項及び特定検査対象に関する検査状況」に「健康保険、厚生年金保険の適用促進の実施状況について」
及び「社会保険オンラインシステムに係る契約金額の算定方法等の状況について」
を掲記した。