厚生労働省所管　　年金特別会計

（１３）　厚生労働省所管　　年金特別会計

　この特別会計は、国民年金事業、厚生年金保険事業、健康保険事業及び児童手当に関する経理を一般会計と区分して行うため設置されているものである。
　なお、同特別会計は、特別会計に関する法律（平成１９年法律第２３号）により１９年４月１日に設置され、同日に廃止された厚生保険特別会計及び国民年金特別会計に所属していた権利及び義務を承継している。
　同特別会計は、基礎年金、国民年金、厚生年金、福祉年金、健康、児童手当及び業務の７勘定に区分して経理されており、その勘定別の１９年度の歳入歳出決算、損益、積立金等及び主な業務実績は次のとおりである。

ア　基礎年金勘定（１８年度は国民年金特別会計基礎年金勘定）

（ア）歳入歳出決算

区分	19年度千円		（18年度）千円
（歳入）
徴収決定済額	19,961,788,471	徴収決定済額	19,138,941,613
収納済歳入額	19,961,067,043	収納済歳入額	19,138,101,434
不納欠損額	227,657	不納欠損額	309,290
収納未済歳入額	493,770	収納未済歳入額	530,889
（歳出）
歳出予算現額	19,136,230,053	歳出予算現額	18,534,736,524
支出済歳出額	18,393,517,321	支出済歳出額	17,705,870,653
不用額	742,712,731	不用額	828,865,870
不用額の主なものは、基礎年金給付費（歳出予算現額14兆7240億1276万余円）の2621億7287万余円である。（なお、不用額のうちには予備費に係るものが4804億円ある。）

（イ）損益

区分	19年度千円		（18年度）千円
利益　（うち拠出金等収入）	18,529,172,469 （18,507,998,035）	利益　（うち拠出金等収入）	17,724,263,759 （17,707,965,574）
損失　（うち基礎年金給付費）	18,393,808,569 （14,461,839,887）	損失　（うち基礎年金給付費）	17,706,204,757 （13,490,924,227）
利益金	135,363,899	利益金	18,059,002
前年度繰越利益金　翌年度繰越利益金	2,158,247,393 2,293,611,293	前年度繰越利益金　翌年度繰越利益金	2,140,188,390 2,158,247,393

（ウ）積立金

区分		19年度末千円	（18年度末）千円
積立金現在額		724,607,812	724,607,812

（エ）主な業務実績

区分		19年度	（18年度）
老齢基礎年金等の支給	受給権者数	22,376千人	21,083千人
	支給額	14,461,839,887千円	13,490,924,227千円

イ　国民年金勘定（１８年度は国民年金特別会計国民年金勘定）

（ア）歳入歳出決算

区分	19年度千円		（18年度）千円
（歳入）
徴収決定済額	5,582,022,976	徴収決定済額	5,951,466,029
収納済歳入額	5,572,898,267	収納済歳入額	5,916,454,776
不納欠損額	788,963	不納欠損額	614,286
収納未済歳入額	8,335,745	収納未済歳入額	34,396,965
（歳出）
歳出予算現額	6,020,756,538	歳出予算現額	6,141,183,435
支出済歳出額	5,932,229,924	支出済歳出額	6,035,845,724
不用額	88,526,613	不用額	105,337,710
不用額の主なものは国民年金給付費（歳出予算現額1兆7565億5733万余円）の703億1081万余円である。

（イ）損益

区分	19年度千円		（18年度）千円
利益　（うち保険料）　（うち一般会計より受入）	6,262,676,763 （2,678,691,644）（1,844,456,611）	利益　（うち保険料）　（うち一般会計より受入）	6,430,854,223 （2,706,760,500）（1,798,390,739）
損失　（うち基礎年金勘定へ繰入）　（うち国民年金給付費）	7,124,303,789 （4,115,110,737）（1,686,245,772）	損失　（うち基礎年金勘定へ繰入）　（うち国民年金給付費）	6,902,232,354 （4,100,247,107）（1,814,902,113）
損失金	861,627,025	損失金	471,378,130
前年度繰越利益金　翌年度繰越利益金	9,572,386,273 8,710,759,248	前年度繰越利益金　翌年度繰越利益金	10,043,764,404 9,572,386,273

（ウ）積立金

区分		19年度末千円	（18年度末）千円
積立金現在額　（うち運用寄託金現在額）		8,616,984,074 （7,643,797,047）	8,868,543,535 （5,814,045,437）

（エ）主な業務実績

区分		19年度	（18年度）
被保険者数（年度末）		30,981千人	32,019千人
老齢年金等の支給	受給権者数	4,010千人	4,336千人
	支給額	1,686,246,522千円	1,814,902,433千円

ウ　厚生年金勘定（１８年度は厚生保険特別会計年金勘定）

（ア）歳入歳出決算

区分	19年度千円		（18年度）千円
（歳入）
徴収決定済額	36,201,120,912	徴収決定済額	35,596,436,860
収納済歳入額	36,082,953,806	収納済歳入額	35,499,646,878
不納欠損額	21,739,413	不納欠損額	27,127,015
収納未済歳入額	96,427,692	収納未済歳入額	69,662,965
（歳出）
歳出予算現額	36,653,646,412	歳出予算現額	35,402,320,724
支出済歳出額	35,145,136,932	支出済歳出額	34,397,516,873
不用額	1,508,509,479	不用額	1,004,803,850
不納欠損額の主なものは、保険料収入（徴収決定済額22兆0846億8779万余円）の205億6903万余円及び雑収入（同92億6190万余円）の11億7038万余円である。収納未済歳入額の主なものは、保険料収入の950億2725万余円及び雑収入の14億0044万余円である。また、不用額の主なものは、保険給付費（歳出予算現額23兆5683億9061万余円）の1兆2504億5400万余円及び諸支出金（同1136億2262万余円）の220億5547万余円である。

（イ）損益

区分	19年度千円		（18年度）千円
利益　（うち保険料）	32,278,503,738 （22,015,982,666）	利益　（うち保険料）	31,869,891,814 （20,997,875,125）
損失　（うち保険給付費）	35,620,208,837 （22,317,936,278）	損失　（うち保険給付費）	34,454,411,314 （22,254,093,440）
損失金	3,341,705,099	損失金	2,584,519,500
前年度繰越利益金　翌年度繰越利益金	134,432,705,673 131,091,000,574	前年度繰越利益金　翌年度繰越利益金	137,017,225,174 134,432,705,673

（ウ）積立金

区分		19年度末千円	（18年度末）千円
積立金現在額　（うち運用寄託金現在額）		126,112,676,200 （105,110,644,965）	128,985,388,270 （90,824,766,338）

（エ）主な業務実績

区分		19年度	（18年度）
厚生年金保険の被保険者数（年度末）		34,570千人	33,794千人
老齢厚生年金等の支給	受給権者数	27,501千人	26,155千人
	支給額	22,317,936,607千円	22,254,094,134千円

エ　福祉年金勘定（１８年度は国民年金特別会計福祉年金勘定）

（ア）歳入歳出決算

区分	19年度千円		（18年度）千円
（歳入）
徴収決定済額	11,918,713	徴収決定済額	17,444,837
収納済歳入額	11,833,432	収納済歳入額	17,378,067
不納欠損額	73,127	不納欠損額	51,977
収納未済歳入額	12,153	収納未済歳入額	14,792
（歳出）
歳出予算現額	23,119,504	歳出予算現額	29,988,134
支出済歳出額	11,790,574	支出済歳出額	14,930,139
翌年度繰越額	−	翌年度繰越額	2,402,635
不用額	11,328,930	不用額	12,655,359
不用額の主なものは、特別障害給付金給付費（歳出予算現額117億5655万余円）の83億8354万余円及び福祉年金給付費（同111億9294万余円）の27億7538万余円である。

（イ）主な業務実績

区分		19年度	（18年度）
老齢福祉年金の支給	受給権者数	24千人	34千人
	支給額	8,417,564千円	11,828,572千円

オ　健康勘定（１８年度は厚生保険特別会計健康勘定）

（ア）歳入歳出決算

区分	19年度千円		（18年度）千円
（歳入）
徴収決定済額	9,304,202,647	徴収決定済額	9,093,805,898
収納済歳入額	9,240,949,242	収納済歳入額	9,043,569,213
不納欠損額	10,932,992	不納欠損額	12,964,794
収納未済歳入額	52,320,412	収納未済歳入額	37,271,890
（歳出）
歳出予算現額	9,428,907,929	歳出予算現額	9,076,624,921
支出済歳出額	9,348,708,501	支出済歳出額	8,938,012,184
不用額	80,199,427	不用額	138,612,736
不納欠損額の主なものは保険料収入（徴収決定済額6兆8402億1394万余円）の101億5529万余円である。収納未済歳入額の主なものは、保険料収入の507億6799万余円及び雑収入（同137億9355万余円）の15億5241万余円である。また、不用額の主なものは、介護納付金（歳出予算現額6236億2889万余円）の162億0207万余円、保険給付費（同4兆2798億1096万余円）の115億4717万余円及び諸支出金（同301億2979万余円）の80億6658万余円である。（なお、不用額のうちには予備費に係るものが400億円ある。）

（イ）損益

区分	19年度千円		（18年度）千円
利益　（うち保険料）	7,808,380,865 （6,806,273,193）	利益　（うち保険料）	7,612,244,267 （6,654,084,253）
損失　（うち保険給付費）	7,919,655,219 （4,268,175,404）	損失　（うち保険給付費）	7,532,438,137 （4,085,036,176）
利益金（△損失金）	△111,274,354	利益金（△損失金）	79,806,130
前年度繰越損失金　翌年度繰越損失金	1,066,491,257 1,177,765,612	前年度繰越損失金　翌年度繰越損失金	1,040,740,359 1,066,491,257

（ウ）資金

区分		19年度末千円	（18年度末）千円
事業運営安定資金		492,168,229	402,168,229

（エ）借入金

区分		19年度末千円	（18年度末）千円
借入金現在額　（財政融資資金）		1,479,228,212	1,479,228,212

（オ）主な業務実績

区分		19年度	（18年度）
健康保険の一般被保険者数（年度末）		19,806千人	19,501千人
（保険給付）
医療給付		3,741,008,682千円	3,530,097,281千円
現金給付（傷病手当金等）		524,055,663千円	551,799,149千円
老人保健拠出金		1,770,378,653千円	1,719,109,060千円
退職者給付拠出金		1,102,797,129千円	930,591,501千円
介護納付金		606,930,891千円	602,326,387千円
健康保険の日雇特例被保険者数（年度末）		11千人	13千人
（保険給付）
医療給付		2,051,702千円	2,454,357千円
現金給付（傷病手当金等）		1,147,739千円	753,210千円
老人保健拠出金		785,144千円	889,592千円
介護納付金		495,933千円	580,354千円

カ　児童手当勘定（１８年度は厚生保険特別会計児童手当勘定）

（ア）歳入歳出決算

区分	19年度千円		（18年度）千円
（歳入）
徴収決定済額	468,476,965	徴収決定済額	367,823,680
収納済歳入額	467,483,942	収納済歳入額	367,823,680
不納欠損額	137,735	不納欠損額	−
収納未済歳入額	855,288	収納未済歳入額	−
（歳出）
歳出予算現額	477,202,724	歳出予算現額	376,567,077
支出済歳出額	436,301,507	支出済歳出額	341,212,381
翌年度繰越額	60,343	翌年度繰越額	46,769
不用額	40,840,873	不用額	35,307,926
不用額の主なものは、被用者児童手当交付金（歳出予算現額3469億2537万余円）の252億1358万余円、児童育成事業費（同392億1294万余円）の79億9482万余円及び非被用者児童手当交付金（同850億3539万余円）の35億5035万余円である。

（イ）積立金

区分		19年度末千円	（18年度末）千円
積立金現在額		103,153,255	90,239,242

（ウ）主な業務実績

区分		19年度	（18年度）
児童手当の交付	交付対象児童数	11,808千人	11,818千人
	交付額	886,039,214千円	734,398,579千円

キ　業務勘定（１８年度は厚生保険特別会計業務勘定及び国民年金特別会計業務勘定）

（ア）歳入歳出決算

区分	19年度千円		（18年度）千円
（歳入）
徴収決定済額	553,454,355	徴収決定済額　厚生保険特別会計　（業務勘定）　国民年金特別会計　（業務勘定）	499,710,080 168,245,946
収納済歳入額	526,215,397	収納済歳入額　厚生保険特別会計　（業務勘定）　国民年金特別会計　（業務勘定）	472,134,352 167,927,079
不納欠損額	8,676,429	不納欠損額　厚生保険特別会計　（業務勘定）　国民年金特別会計　（業務勘定）	8,392,680 895
収納未済歳入額	18,562,529	収納未済歳入額　厚生保険特別会計　（業務勘定）　国民年金特別会計　（業務勘定）	19,183,047 317,971
（歳出）
歳出予算現額	520,318,525	歳出予算現額　厚生保険特別会計　（業務勘定）　国民年金特別会計　（業務勘定）	467,635,670 169,228,240
支出済歳出額	463,574,836	支出済歳出額　厚生保険特別会計　（業務勘定）　国民年金特別会計　（業務勘定）	440,201,282 147,359,940
翌年度繰越額	25,166,943	翌年度繰越額　厚生保険特別会計　（業務勘定）　国民年金特別会計　（業務勘定）	− −
不用額	31,576,745	不用額　厚生保険特別会計（業務勘定）　国民年金特別会計　（業務勘定）	27,434,387 21,868,299
収納未済歳入額はすべて雑収入（徴収決定済額472億2164万余円）の分である。翌年度繰越額の主なものは、業務取扱費（歳出予算現額3139億7296万余円）の173億9895万余円、福祉施設事業費（同1033億4044万余円）の54億2055万余円及び保健事業費（同772億3542万余円）の14億9171万余円である。また、不用額の主なものは、業務取扱費の149億7054万余円、福祉施設事業費の83億6653万余円及び保健事業費の50億8493万余円である。

（イ）損益

区分	19年度千円		（18年度）千円
利益　（うち一般会計より受入）	534,941,792 （175,622,572）	利益　厚生保険特別会計　（業務勘定）　国民年金特別会計　（業務勘定）　（うち一般会計より受入）　厚生保険特別会計　（業務勘定）　国民年金特別会計　（業務勘定）	479,084,054 166,878,932 （86,575,659）（77,417,763）
損失　（うち業務費）	518,889,363 （281,539,792）	損失　厚生保険特別会計　（業務勘定）　国民年金特別会計　（業務勘定）　（うち業務費）　厚生保険特別会計　（業務勘定）　国民年金特別会計　（業務勘定）	493,773,825 161,224,679 （144,951,451）（129,049,641）
利益金	16,052,429	損失金　厚生保険特別会計　（業務勘定）　利益金　国民年金特別会計　（業務勘定）	14,689,771 5,654,252
前年度繰越利益金	172,846,572	前年度繰越利益金　厚生保険特別会計　（業務勘定）　国民年金特別会計　（業務勘定）	159,455,267 22,516,839
翌年度繰越利益金	188,614,163	翌年度繰越利益金　厚生保険特別会計　（業務勘定）　国民年金特別会計　（業務勘定）	144,765,496 28,171,091

（ウ）資金

区分		19年度末千円	（18年度末）千円
特別保健福祉事業資金現在額		1,511,089,085	1,503,101,254

　なお、この特別会計について検査した結果、「第３章　個別の検査結果」に「健康保険及び厚生年金保険の保険料の徴収に当たり、徴収額が不足していたもの」、「ねんきん特別便の作成及び発送準備業務に係る委託契約において、仕様書の記載、委託業者への指示等が適切でなかったため、再度、ねんきん特別便の作成及び発送が必要となり不経済となっているもの」、「厚生年金保険の老齢厚生年金の支給が適正でなかったもの」、「医療費に係る国の負担が不当と認められるもの」、「職員の不正行為による損害が生じたもの」、「社会保険病院等における食堂等の運営を受託している民間業者等に対する国有財産の使用許可の手続及び使用料の徴収を適正なものとするよう改善させたもの」及び「国民年金・健康保険及び厚生年金保険の共同処理業務を請け負わせるに当たり、手作業での業務割合を勘案することなどにより予定価格の積算を経済的に行うよう改善させたもの」を掲記した。

厚生労働省所管 年金特別会計

（１３） 厚生労働省所管 年金特別会計

厚生労働省所管　　年金特別会計

（１３）　厚生労働省所管　　年金特別会計