(一般会計)
地方公共団体、土地改良区、森林組合等が施行する農業施設、山林施設、漁港施設の昭和42年発生災害復旧工事費の査定を了したもの(農林省査定額51,471,355,000円)に対する検査は、査定額の比較的多かった北海道ほか12府県を選び、42年12月から43年3月までの間に、農業施設1,305工事6,936,520,000円、山林施設114工事340,388,000円、漁港施設57工事376,662,000円計1,476工事7,653,570,000円について実施した。
その結果、査定工事費を適正なものに修正する必要があると認め当局に対して注意したところ減額是正する旨の回答があったものが、前記13道府県において農業施設で241工事150,055,000円、漁港施設で4工事2,165,000円計245工事152,220,000円(国庫補助(負担)金相当額145,808,000円)ある。これを道府県別、態様別に示すと次表のとおりである。
類別
\
道府県名 |
農林省査定額 | 左のうち実地検査したもの | 減額させた工事費 | |||||||
設計過大 | 積算過大 | 計 | ||||||||
工事数 | 金額 | 工事数 | 金額 | 工事数 | 金額 | 工事数 | 金額 | 工事数 | 金額 | |
北海道 |
184 |
千円 1,139,960 |
59 |
千円 765,080 |
3 |
千円 3,671 |
12 |
千円 7,784 |
15 |
千円 11,455 |
山形県 | 1,302 | 1,264,141 | 85 | 446,587 | 3 | 4,328 | 3 | 836 | 6 | 5,164 |
新潟県 | 9,317 | 22,105,829 | 294 | 2,230,075 | 18 | 16,279 | 15 | 7,825 | 33 | 24,104 |
富山県 | 307 | 316,016 | 96 | 161,069 | 4 | 1,203 | 4 | 1,203 | ||
石川県 | 564 | 493,819 | 111 | 156,638 | 8 | 1,706 | 2 | 406 | 10 | 2,112 |
長野県 | 683 | 788,188 | 100 | 287,005 | 4 | 1,704 | 2 | 271 | 6 | 1,975 |
大阪府 | 1,131 | 830,801 | 132 | 326,009 | 12 | 5,756 | 7 | 1,757 | 19 | 7,513 |
兵庫県 | 1,700 | 610,149 | 107 | 121,824 | 10 | 1,629 | 4 | 694 | 14 | 2,323 |
岡山県 | 1,064 | 714,488 | 106 | 324,440 | 4 | 873 | 1 | 175 | 5 | 1,048 |
広島県 | 4,067 | 2,701,807 | 93 | 349,120 | 28 | 11,341 | 8 | 4,022 | 36 | 15,363 |
愛媛県 | 1,514 | 1,252,202 | 75 | 251,383 | 23 | 4,975 | 3 | 295 | 26 | 5,270 |
佐賀県 | 4,675 | 5,361,429 | 126 | 825,470 | 21 | 15,156 | 12 | 2,306 | 33 | 17,462 |
長崎県 | 3,144 | 6,467,274 | 92 | 1,408,870 | 24 | 32,734 | 14 | 24,494 | 38 | 57,228 |
計 | 29,652 | 44,046,103 | 1,476 | 7,653,570 | 162 | 101,355 | 83 | 50,865 | 245 | 152,220 |
いま、上記の内容をみると次のとおりである。
1 工事の設計が過大となっていると認められるもの
取水ぜき、水路および道路の擁壁工事、石垣工事等で、洪水位や背後地、河床、残存護岸の状況からみて延長、高さ等を必要以上に見込んでいるもの、小断面の水路工事で、護岸をコンクリート張りとしてもさしつかえなくこれによれば経済的であるのに練積石垣としているものなど162工事101,355,000円(国庫補助(負担)金相当額96,674,735円)
2 工事費の積算が過大となっていると認められるもの
取水ぜき、水路等の床掘り工事等で、機械で施行することができこれによることとすれば経済的であるのに人力で施行することとしているもの、水路の護岸工事および取水ぜき工事で、資材の運搬距離の算定を誤ったり、労務等の標準能率の適用を誤ったりしているものなど83工事50,865,000円(国庫補助(負担)金相当額49,133,586円)
しかして、災害復旧事業費の査定については、査定額を減額させた事例を毎年度の検査報告に掲記して注意を促し、当局においてもその対策について努力しているが、上記のような状況にかんがみ、適正な査定を行なうよう今後一層努力の要があると認められる。