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  • 昭和43年度|
  • 第2章 国の会計|
  • 第5節 各所管別の事項

農林省


(2) 外国麦の買入れに伴う検数について是正改善の処置を要求したもの

(昭和44年11月26日付け44検第271号 農林大臣あて)

 食糧庁で、昭和43年度中、輸入商社から外国産の小麦および大麦(以下「外国麦」という。)453万余tの買入れにあたり、本船から輸入港港頭のサイロまたは倉庫に庫入れするなどに要した経費は総額45億4083万余円に上っている。このうち、本船および沿岸での外国麦の荷さばきに際し輸入商社をして検数人にその個数の計算または受渡しの証明(以下「検数」という。)をさせ、その経費として支払ったものが1億1847万余円ある。
 しかして、本船接岸またははしけ取りのうえサイロまたは倉庫に庫入れするなどした上記外国麦の荷さばきに伴う検数について調査したところ、その実情は次のとおりであった。

(ア) 本船接岸のうえサイロに庫入れ保管しまたは庫入れ後引続き袋詰めして発送するなどした150万余tについては、本船から吸揚管で吸い上げてサイロ機械室の自動計量機で計量したうえサイロビンへ庫入れする際、この自動計量機により計量した数量で本船での検数を行ない、このうち、さらに引続き袋詰めして発送するなどした4万余tについては、発送等の際、その個数で沿岸での検数を行なっている。

(イ) 本船接岸のうえ陸揚げした後、袋詰めして倉庫に庫入れ保管しまたは発送した49万余tについては、本船上でバケットによる荷卸し回数で計算した数量で本船での検数を行ない、さらに、庫入れ等の際、その個数で沿岸での検数を行なっている。

(ウ) はしけ取りのうえサイロまたは倉庫に庫入れ保管しまたは発送した252万余tについては、本船からバケットではしけに取り卸す際、はしけのきっ水線で測定した数量で本船での検数を行ない、また、このうち、陸揚げした後袋詰めのうえ倉庫に庫入れ保管しまたは発送した136万余tについては、庫入れ等の際、その個数で沿岸での検数を行なっている。

しかしながら、外国麦の受渡しは、食糧事務所の職員が関係者立会いのうえ、サイロの自動計量機前、貨車等の戸前または庫入れ後倉庫で数量を確認し、この数量によって行なわれていること、外国麦は、ばらの荷姿で輸入港に積来されていて、サイロに庫入れするものが増加するなど荷役が合理化し、その数量の確認も容易に行なわれていることを考慮すれば、荷さばきにあたり本船および沿岸で一律に検数を行なわせる必要は少ないと認められる。
 ついては、上記の状況からみて、必要やむを得ないと認めた場合についてだけ検数を行なわせるなどの処置を検討し、経費の節減を図るよう配慮の要があると認められる。

 上記のほか、本院の質問に対し、主務庁において処置を講じたものが次のとおりある。
 食糧庁で、昭和43年度中、飼料の需要者団体に飼料用外国大麦60万余tを売り渡している。しかして、その入札を原則として毎月13日以降に行ない、現品の受渡期限を入札日から19日以内としているが、このうち12万余tについては、当月中に受渡しを完了できず、その保管期間が翌月にわたっている。
 しかしながら、上記の大麦は月初めすでに在庫していたものであるから、この大麦の売渡しにあたっては、入札日を繰り上げることによって当月中に現品の売渡しを完了することができたと認められる。これによれば、前記のように保管期間が翌月にわたるものの保管料を節減することができるので、このような方法によって保管経費の節減を図るのが適切であると認め、当局の見解をただしたところ、44年7月以降は入札日の属する月に現品の受渡しが完了するよう処置した。

 

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