会計名及び科目 | 一般会計 (組織)農林水産本省 (項)農村整備事業費 |
部局等の名称 | 九州農政局 |
補助の根拠 | 予算補助 |
事業主体 | 大分県下毛郡耶馬渓町 |
補助事業 | 農業集落排水 |
補助事業の概要 | 汚水処理施設を新設するため、平成6、7両年度に、機械設備及び電気設備の製作、据付け等を実施するもの |
事業費 | 145,528,000円 |
上記に対する国庫補助金交付額 | 72,764,000円 |
不当と認める事業費 | 19,911,260円 |
不当と認める国庫補助金交付額 | 9,955,630円 |
1 補助事業の概要
この補助事業は、大分県下毛郡耶馬渓町が、農業集落排水事業の一環として、同町平田地区に汚水処理施設を新設するため、平成6、7両年度に、破砕機、ポンプ等の機械設備、及び動力制御盤、計器盤等の電気設備の製作、据付け等を工事費145,528,000円(国庫補助金72,764,000円)で実施したものである。
上記電気設備のうち、動力制御盤及び計器盤(以下「動力制御設備」という。)は、一体的にまとめられており、盤面が3つ並んだ形状になっている。そして、2面分か機械設備の運転を制御・操作するための動力制御盤で、遮断器、開閉器、操作スイッチ等で構成されている。また、1面分が機械設備の運転状況、汚水の状態等の記録、監視等を行うための計器盤で、汚水の流入量を記録するハイブリッド記録計、処理水の放流量とその濃度等を記録する負荷量演算器及び機械設備の故障や水槽の水位異常等を知らせる自動通報装置が組み込まれている(参考図参照) 。
本件工事の予定価格の積算に当たり、動力制御設備の製作価格については、動力制御盤等ごとに、複数の製作会社から徴した見積価格を基に次のとおり算定し計上していた。
(ア) 動力制御盤については、盤面1面当たり15,750,000円とし、2面分で31,500,000円
(イ) 計器盤については、7,020,000円
(ウ) ハイブリッド記録計、負荷量演算器及び自動通報装置(以下「ハイブリッド記録計等」という。)については、それぞれ1,215,000円、1,620,000円、576,000円
上記の(ア)、(イ)、(ウ)、により、動力制御設備の製作価格を合計41,931,000円と積算していた。
2 検査の結果
検査したところ、動力制御盤と計器盤は通常「動力制御盤」として一体的にまとめられることが多いのに、見積りを徴するに当 たって、動力制御盤の価格に計器盤の価格を含むか否かを明示していなかったことなどのため、動力制御設備の製作価格の積算が 次のとおり適切でないものとなっていた。
(ア) 動力制御盤の価格については、その見積価格が計器盤を含んだ動力制御設備一式の価格であったのに、動力制御盤1面当たりの価格と誤り、その見積価格を基に算定した1面当たりの価格を2倍していた。
(イ) 計器盤の価格については、上記の(ア)により動力制御盤の価格に含まれているのに、更に別途計上していた。
(ウ) ハイブリッド記録計等の価格については、これらの機器が組み込まれたものとして計器盤の価格が見積もられていて、上記の(ア)の動力制御盤の価格のほか、(イ)の計器盤の価格にも含まれているのに、更に別途計上していた。
したがって、動力制御設備の製作価格としては、同町が動力制御盤1面当たりの価格としていた15,750,000円を計上すれば足りたものである。
上記により工事費を修正計算すると、積算過小となっていた据付間接費1,841,000円を考慮するなどしても、工事費総額は125,616,740円となり、本件工事費はこれに比べて19,911,260円割高となっており、これに係る国庫補助金相当額9,955,630円が不当と認められる。