会計名及び科目 | 一般会計 (組織)農林水産本省 (項)農産園芸振興費 |
部局等の名称 | 北陸農政局 |
補助の根拠 | 予算補助 |
補助事業者 | 福井県 |
間接補助事業者 | 福井県武生市 |
間接補助事業者 (事業主体) |
越前たけふ農業共同組合 |
補助事業 | 農業経営育成対策 |
補助事業の概要 | 稲作単作中心の地域において、高収益作目の導入による経営の複合化を推進するなどのため、平成9年度に、複合営農支援施設として研修等を行う営農センターを設置するもの |
事業費 | 393,614,460円 |
上記に対する国庫補助金交付額 | 196,807,000円 |
不当と認める事業費 | 120,855,000円 |
不当と認める国庫補助金交付額 | 60,429,998円 |
1 補助事業の概要
この補助事業は、越前たけふ農業協同組合が、農業経営育成対策事業の一環として、稲作単作中心の地域において園芸特産物などの高収益作目を導入して経営の複合化を推進するなどのため、平成9年度に、複合営農支援施設として研修等を行う営農センター(鉄骨造3階建て、延べ面積1,701.7m2
)を事業費393,614,460円(国庫補助金196,807,000円)で設置したものである。
同組合では、本件補助事業に関する事務を、農林水産省所管補助事業について農業協同組合等の事業主体を代行して実施した実績のある団体に委託するなどして共同で行っている。
そして、営農センターの建築工事の請負契約に当たり、予定価格を369,000,000円と設定して、7業者による指名競争入札に付し、360,855,000円で入札した業者を落札者とし、これに消費税相当額を加えた378,897,750円(国庫補助対象事業費360,855,000円)で同業者と契約を締結していた。
2 検査の結果
検査したところ、同組合では、本件契約の入札に当たり、予定価格の94.85%に当たる350,000,000円の最低制限価格を設定していた。そして、予定価格と最低制限価格の範囲内のうちの最低価格である前記360,855,000円(予定価格の97.79%)で入札した業者を落札者とし、最低制限価格を下回る240,000,000円(予定価格の65.04%)から348,500,000円(同94.44%)までの額で入札した4業者を失格として排除していた。
しかし、同組合では、本件契約に当たり、指名願いを提出した業者のうちから業務実績等が上位であるなど、契約の内容に適合した履行が十分期待できる業者を選定して入札に参加させていた。
したがって、予定価格の94.85%という高率な最低制限価格を設定し、これを下回る価格で入札した業者を排除していたことは、競争契約における競争の利益を阻害するもので適切とは認められない。
このような事態が生じていたのは、農業協同組合等が実施する農林水産省所管補助事業において最低制限価格制の採用を限定的に取り扱うよう指導されていることについて、同組合の認識が十分でなかったこと、同組合に対する福井県及び武生市の指導が十分でなかったことなどによると認められる。
そして、本件建築工事において最低価格で入札した業者と契約したとすれば、契約額は消費税相当額を加えた252,000,000円(国庫補助対象事業費240,000,000円)となり、本件契約額はこれに比べて126,897,750円(同120,855,000円)割高となっており、これに係る国庫補助金相当額60,429,998円が不当と認められる。