この特別会計は、国が施行する直轄治水事業及び多目的ダム建設工事に関する経理並びに都道府県知事が施行する治水事業に係る負担金又は補助金の交付等に関する経理を一般会計と区分して行うため設置されているものである。
同特別会計は、治水及び特定多目的ダム建設工事の2勘定に区分して経理されており、その勘定別の18年度の歳入歳出決算及び主な業務実績は次のとおりである。
ア 治水勘定
(ア) 歳入歳出決算
区分
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18年度
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(17年度)
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千円
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千円
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(歳入)
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徴収決定済額
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1,259,289,740
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1,431,954,690
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収納済歳入額
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1,259,248,022
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1,431,920,851
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不納欠損額
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5,049
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1,752
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収納未済歳入額
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36,669
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32,086
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(歳出)
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歳出予算現額
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1,339,766,630
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1,521,112,727
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支出済歳出額
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1,093,530,192
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1,237,868,569
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翌年度繰越額
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233,848,132
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270,795,473
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不用額
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12,388,305
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12,448,684
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翌年度繰越額の主なものは、河川事業費(歳出予算現額5706億9336万余円)の1322億1001万余円、砂防事業費(同1831億3126万余円)の341億3982万余円及び総合流域防災事業費(同557億9377万余円)の129億5386万余円である。また、不用額の主なものは、受託工事費(同219億6743万余円)の77億8974万余円及び附帯工事費(同59億0918万余円)の21億0470万余円である。
(イ) 主な業務実績
区分
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18年度
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(17年度)
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直轄事業
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補助事業
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直轄事業
|
補助事業
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河川改修
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119河川
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675河川
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119河川
|
687河川
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河川総合開発
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11ダム
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101ダム
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11ダム
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132ダム
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砂防施設の整備
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34水系
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929流域
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34水系
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1,042流域
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イ 特定多目的ダム建設工事勘定
(ア) 歳入歳出決算
区分
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18年度
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(17年度)
|
千円
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千円
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(歳入)
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徴収決定済額
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238,239,847
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258,827,577
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収納済歳入額
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238,238,971
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258,826,968
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収納未済歳入額
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875
|
608
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(歳出)
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歳出予算現額
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240,826,117
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249,691,857
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支出済歳出額
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199,236,158
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207,888,918
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翌年度繰越額
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37,161,760
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38,795,388
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不用額
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4,428,199
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3,007,550
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翌年度繰越額の主なものは、多目的ダム建設事業費(歳出予算現額1839億4021万余円)の351億6515万余円及び受託工事費(同96億9037万余円)の13億0843万余円である。
(イ) 主な業務実績
区分
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18年度
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(17年度)
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ダム建設
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34ダム
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38ダム
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なお、この特別会計について検査した結果、「第3章 個別の検査結果」に「通常砂防事業の実施に当たり、設計が適切でなかったため、橋りょう上部工等の所要の安全度が確保されていない状態になっているもの」 、「災害関連緊急砂防等事業の実施に当たり、鉄線籠型多段積護岸の設計及び施工が適切でなかったため、工事の目的を達していないもの」 、「河川改修事業の実施に当たり、建物等移転補償に要する費用の算定が適切でなかったなどのため、補償費が過大となっているもの」 、「地方公共団体における国土交通省所管の国庫補助事業について、談合等があった場合の違約金等に係る国庫補助金相当額の国への返還に係る取扱いを定め、周知徹底を図るよう改善させたもの」 、「職員が着用する作業服の調達に当たり、標準的な仕様を定め地方整備局等ごとに一括して調達することにより、調達額の節減を図るよう改善させたもの」 、「河川改修工事等の河川高潮対策区間における間接工事費の算定に当たり、工種区分の選定が適切に行われるよう改善させたもの」 及び「河川の現況に基づく流量によりはん濫解析等を行うことにより、洪水時の迅速な避難の確保と水害による人的被害の軽減を目的とした浸水想定区域図の作成が適切なものとなるよう改善させたもの」 を、「第4章 国会及び内閣に対する報告並びに国会からの検査要請事項に関する報告等」に「福島、和歌山、宮崎各県における国土交通省所管の国庫補償事業に係る入札・契約の状況について」 を掲記した。