この特別会計は、国が施行する空港整備事業等に関する経理を一般会計と区分して行うため設置されていたものである。
なお、同特別会計は、特別会計に関する法律(平成19年法律第23号)により19年4月1日に廃止されたが、同法により、19年度の末日までの期間に限り暫定的に設置することとされていた。そして、19年度の末日において、同特別会計に所属していた権利及び義務は社会資本整備事業特別会計の空港整備勘定等又は一般会計に帰属するものとされた。
空港整備特別会計の19年度の歳入歳出決算、借入金及び主な業務実績は次のとおりである。
(ア)歳入歳出決算
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区分
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19年度
千円
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(18年度)
千円
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(歳入)
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徴収決定済額
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662,779,080
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578,242,106
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収納済歳入額
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662,680,294
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578,181,957
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収納未済歳入額
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98,786
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60,149
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(歳出)
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歳出予算現額
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734,689,982
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648,225,663
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支出済歳出額
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555,188,826
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463,844,701
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翌年度繰越額
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167,101,064
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166,779,621
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不用額
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12,400,091
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17,601,339
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翌年度繰越額の主なものは、空港整備事業費(歳出予算現額4115億2252万余円)の1626億6725万余円、沖縄空港整備事業費(同99億7481万余円)の27億7431万余円及び北海道空港整備事業費(同72億9658万余円)の11億4130万余円である。また、不用額の主なものは、空港整備事業費の55億0375万余円、空港等維持運営費(同1506億7453万余円)の37億6569万余円及び国債整理基金特別会計へ繰入(同1055億4737万余円)の11億4859万余円である。
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(イ)借入金
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区分
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19年度末
千円
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(18年度末)
千円
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借入金現在額
(財政融資資金等)
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922,152,954
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891,938,314
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(ウ)主な業務実績
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区分
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19年度
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(18年度)
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(直轄事業)
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滑走路の新設及び延長
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4空港
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4空港
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航空路監視レーダー施設の整備
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9か所
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11か所
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(補助事業)
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滑走路の新設及び延長
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3空港
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4空港
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なお、この特別会計について検査した結果、「第3章 個別の検査結果」に「空港における利用者アンケート調査業務等に係る請負契約において、調査業務が履行期間内に履行されたこととする虚偽の内容の関係書類を作成するなどの不適正な会計経理を行い、代金を支出していたもの 」、「空港の場周柵強化工事の実施に当たり、場周柵の設計が適切でなかったため、工事の目的を達していないもの 」、「電気施設保全業務契約に当たり、特記仕様書において対象設備の点検に係る数量を誤ったなどのため、契約額が過大となっているもの 」、「空港整備事業の実施に当たり、物件移転補償に要する費用の算定が適切でなかったため、補償費が過大となっているもの 」、「国庫補助事業に係る事務費の執行に当たり、虚偽の内容の関係書類を作成するなど不適正な経理処理を行って物品の購入等に係る需要費を支払ったり、補助の対象とならない用途に賃金や旅費を支払ったりしていたもの 」、「一般乗用旅客自動車乗車券の使用に当たり、使用規程に定められた所定の事項の遵守に努めて、使用状況が明確となるよう検討して、適切な管理等を行うよう意見を表示したもの 」、「航空交通管制機器等の保守業務費の積算を空港等が設置されている地域ごとの労務単価に基づき適切なものとするよう改善させたもの 」及び「航空管制用レーダーの定期整備請負契約に当たり、地方航空局等において定期的に交換する部品の積算単価を統一的かつ適正に設定する仕組みを構築して、部品材料費の積算を適切なものとするよう改善させたもの 」を掲記した。