平成17年度
第3章 個別の検査結果
第1節 省庁別の検査結果
第8 農林水産省
不当事項
補助金
補助金(287)―(302)
1 補助金の概要
農林水産省所管の補助事業は、地方公共団体等が事業主体となって実施するもので、同省では、この事業に要する経費について、直接又は間接に事業主体に対して補助金を交付している。
2 検査の結果
北海道ほか42都府県及びその管内の市町村等並びに62団体を検査した結果、4道県、6都府県管内の9町等及び3団体計16事業主体が実施したトレーサビリティシステム導入促進対策事業、不要漁船・漁具処理対策事業等の16事業に係る国庫補助金598,749,412円が不当と認められる。
これを不当の態様別に示すと次のとおりである。
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〔1〕 補助の目的を達していないもの
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5事業
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不当と認める国庫補助金
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169,229,607円
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〔2〕 補助の対象とならないもの
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3事業
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不当と認める国庫補助金
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260,224,599円
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〔3〕 工事の設計が適切でないもの
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3事業
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不当と認める国庫補助金
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71,309,749円
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〔4〕 補助対象事業費を過大に精算しているもの
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1事業
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不当と認める国庫補助金
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73,594,957円
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〔5〕 委託費の積算が過大となっているもの
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1事業
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不当と認める国庫補助金
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11,359,740円
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〔6〕 補助金を過大に受給しているもの
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1事業
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不当と認める国庫補助金
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6,050,000円
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〔7〕 補助金の交付額の算定が適切でないもの
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1事業
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不当と認める国庫補助金
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3,520,124円
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〔8〕 工事の施工が適切でないもの
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1事業
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不当と認める国庫補助金
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3,460,636円
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また、これを個別に示すと次のとおりである。
(287)畑地帯総合農地整備事業の実施に当たり、環境保全型ブロックにより築造した護岸の施工が適切でなかったため、工事の目的を達していないもの
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1 補助事業の概要
この補助事業は、北海道が、畑地帯総合農地整備事業の一環として、余市郡赤井川村赤井川地区において農道を整備するため、平成16年度に、橋りょう工、護岸工等を工事費44,719,500円(国庫補助金23,254,140円)で実施したものである。
このうち護岸工(直高2.5m、延長計54m)は、橋りょうの新設に伴い撤去される既存の河川の護岸に代わるものとして、両岸の橋台前面の周辺に環境保全型ブロック(環境に配慮したコンクリート製の工場製品。以下「ブロック」という。)を5段積み上げ、各ブロックの上下左右をボルト等で相互に結合し、ブロックの中に現地発生材等の中詰材を詰めることにより、植生機能等を持たせた護岸を築造するものである(参考図1参照)。
そして、本件護岸は、この中詰材により所要の重量を確保することとして転倒や滑動等に対する安定計算を行い、安全であるとして、これにより施工していた。
2 検査の結果
本件工事について、契約図書等により設計内容を、現地調査等により施工状況をそれぞれ検査したところ、護岸工の施工が、次のとおり適切でなかった。
本件工事の発注に当たり、北海道は、ブロックに複数の種類の工場製品があることから、契約図書では参考図を示すにとどめ、実際に使用するブロックについては、請負業者に製品カタログ等を添付した材料使用承諾願を提出させることとしていた。この手続により実際に使用することとしたブロックは、1個当たり高さ0.5m、長さ1.65m、幅0.75mで、前面にスリットが12孔設けられているものなどであった。そして、上記の製品カタログ等によれば、河川の流水等によりブロックの前面のスリットや上側の露出面(以下、これらを併せて「スリット等」という。)から中詰材が流出しないように、ブロック前面等に粒径の大きな石材を充てんする必要があるとされていた。
しかし、本件護岸工の施工において、請負業者は、契約図書に現地発生材を中詰材とすると記載されていたことから、現地のシルト層から採取した粒径が非常に細かい土砂を中詰材として使用し施工していた。
このため、ブロック内部の中詰材が河川の流水等によってスリット等から流出するものとなっており、現に、18年5月の会計実地検査時点において、既に多数のブロックにおいて中詰材の一部がスリット等から流出しており、この中には、24.5%の中詰材が流出しているブロックも見受けられる状況であった。
そこで、本件護岸工について、ブロックの中詰材が流出した場合における転倒及び滑動に係る安定計算を行うと、次のとおりとなる。
ア 転倒に対する安定については、河川の流水によりブロックに浮力を生ずる場合に、より安定を欠くこととなる。この場合には、全体の28.56%以上の中詰材が流出すると、水平荷重及び鉛直荷重の合力の作用位置が、安全な範囲の上限値0.250mを逸脱することとなる(参考図2の〔1〕参照)。また、河川の流水がなくブロックに浮力を生じない場合には、全体の46.27%以上の中詰材が流出すると、上記荷重の合力の作用位置が安全な範囲の上限値0.125mを逸脱することとなる(参考図2の〔1〕参照)。
イ 滑動に対する安定については、ブロックに浮力を生じない場合には、全体の60.43%以上の中詰材が流出すると、下から2段目のブロックの安全率が許容値である1.0を下回ることとなる(参考図2の〔2〕参照)。
このような事態が生じていたのは、請負業者が製品カタログ中の中詰材の粒径に関する記載内容についての理解が十分でないまま施工していたことにもよるが、これに対する北海道の監督及び検査が十分でなかったことなどによると認められる。
したがって、本件護岸工(工事費相当額6,655,071円)は、施工が適切でなかったため、中詰材の流出の進行に伴って護岸そのものが転倒等するおそれがあり、工事の目的を達しておらず、これに係る国庫補助金相当額3,460,636円が不当と認められる。

(ブロック概念図)

(参考図2)
| (浮力が生ずる場合) | (浮力が生じない場合) |

(浮力が生じない場合)

(288)国営造成施設県管理費補助事業の実施に当たり、土地改良施設の運転操作を行う操作員の直接人件費の積算を誤ったため、委託契約額が割高となっているもの
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1 補助事業の概要
この補助事業は、秋田県が、国営造成施設県管理費補助事業の一環として、国営八郎潟干拓事業によって整備された土地改良施設の管理業務を委託により実施するもので、平成13年度から17年度における委託契約額は計559,552,350円(国庫補助金計223,820,940円)となっている。
上記の管理業務は、土地改良施設の基幹施設である南部、北部両排水機場に、主任操作員及び操作員を配置し、排水機等を運転操作することにより、干拓地の排水を行うなどのものである。
そして、主任操作員及び操作員の直接人件費については、毎年度同様の方法で積算しており、このうち操作員の直接人件費の積算については、17年度委託契約(委託契約額112,862,400円)を例にとると、次のとおりとなっていた。
南部、北部両排水機場に、操作員をそれぞれ2人年間365日配置することとし、所要人日数を1,460人日(2施設×2人×365日)と算定していた。そして、この1,460人日に操作員の1日当たりの労務単価19,700円を乗じた28,762,000円に、休日手当8,928,000円、特定手当(宿直手当)3,570,000円、時間外手当等537,688円を加算し、直接人件費を計41,797,688円と積算していた。このうち休日手当8,928,000円は、土日及び祝日等(年間120日)における操作員の配置に必要な直接人件費として、延配置時間3,840時間(2施設×2人×8時間×120日)に休日勤務の場合の1時間当たりの労務単価2,325円を乗じて算定したものである。
2 検査の結果
本件委託契約について、契約書、仕様書、積算書等により契約内容、業務の実施状況等を検査したところ、操作員の直接人件費のうち休日手当の積算が次のとおり適切でなかった。
すなわち、17年度の委託契約における操作員の1日当たりの労務単価19,700円は、週2日及び祝日等の合計日数に相当する日数(120日)を休日とする勤務条件に基づく所定労働日1日当たりの労務単価である。そして、前記のとおり、2施設にそれぞれ2人を365日配置することとして1,460人日分計28,762,000円が計上されている。これは各操作員が勤務条件どおりに休日をとりながら、交替勤務により毎日2人が2施設にそれぞれ配置されることに対応する経費であることから、休日手当の対象となる休日勤務の配置は生じず、休日手当8,928,000円を計上する必要はなかったものである。
このような事態が生じていたのは、同県において、管理業務の委託費の積算に当たり、直接人件費の積算に対する理解及び審査が十分でなかったことなどによると認められる。
したがって、17年度委託契約において、操作員に係る休日手当8,928,000円を計上しないこととして委託費を修正計算すると、積算過小となっていた清掃業務の直接人件費等3,047,000円を考慮するなどしても、諸経費を含めて107,205,000円となり、委託契約額112,862,400円はこれに比べて5,657,400円割高になっている。
そして、13年度から16年度までの委託契約についても同様の事態であり、13年度から17年度までの委託費を修正計算すると計531,153,000円となり、本件委託契約額計559,552,350円はこれに比べて28,399,350円割高になっており、これに係る国庫補助金相当額11,359,740円が不当と認められる。
(289)トレーサビリティシステム導入促進対策事業で構築したシステムが運用されず、停止していて補助の目的を達していないもの
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1 補助事業の概要
この補助事業は、山形県豚肉トレーサビリティ協議会(山形県山形市)が、トレーサビリティシステム(注)導入促進対策事業として、消費者の食品に対する信頼や安心を確保するため、豚肉加工食品の生産から販売までのトレーサビリティシステム(以下「システム」という。)を構築することとし、平成15年度に、これに必要なバーコード認証システム、バーコードラベリングシステムを構成する機器等を事業費120,960,000円(国庫補助金56,680,000円)で導入したものである。
同協議会は、食品会社等5者で構成されており、これら会社の工場等に本件機器等を設置し、山形県産の豚について年間飼育頭数2万頭を対象として、豚肉加工食品の生産履歴・加工流通情報を入力し、これを消費者に提供することとしていた。
2 検査の結果
この補助事業について、実績報告書等により本件システムの利用状況等を検査したところ、次のとおり、適切とは認められない事態が見受けられた。
すなわち、同協議会では、導入した機器等の一部しか設置しておらず、残りの機器等は倉庫に保管されたままとなっていた。また、生産履歴・加工流通情報の入力については、豚肉加工食品に加工した豚11頭相当分について行っていたにすぎず、その後、豚肉加工食品の販売が不振であったことなどから、本件システムの運用を停止し、設置した機器等についても、そのほとんどを撤去していた。
このような事態が生じていたのは、同協議会において、補助事業の適正な実施に対する認識が欠けていたこと、山形県において、本件補助事業の審査、確認及び同協議会に対する指導が十分でなかったことなどによると認められる。
したがって、本件補助事業は、消費者の食品に対する信頼や安心を確保するため構築した本件システムが運用されずに停止していて補助の目的を達しておらず、これに係る国庫補助金56,680,000円が不当と認められる。
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トレーサビリティシステム 食品の生産、加工、流通等の各段階で原材料の出所や食品の製造元、販売先等の記録を記帳・保管し、食品とその情報とを追跡及び遡及できるようにする仕組み
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(290)トレーサビリティシステム導入促進対策事業で構築したシステムが運用されず、停止していて補助の目的を達していないもの
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1 補助事業の概要
この補助事業は、金印グループトレーサビリティ導入委員会(東京都中央区)が、トレーサビリティシステム(注)導入促進対策事業として、消費者の食品に対する信頼や安心を確保するため、加工食品の原料生産から製造・卸売までのトレーサビリティシステム(以下「システム」という。)を構築することとし、平成15年度に、これに必要なパーソナルコンピュータ、ソフトウェア等の機器等を事業費26,366,760円(国庫補助金8,733,000円)で導入したものである。
同委員会は、加工食品の製造・卸売等の企業グループ5社、システム開発会社等計9者で構成されており、当該企業グループの製造会社等に本件機器等を設置し、加工食品の原材料調達、製造等の情報を入力し、これを消費者に提供することとしていた。
2 検査の結果
この補助事業について、実績報告書等により本件システムの利用状況等を検査したところ、次のとおり、適切とは認められない事態が見受けられた。
すなわち、同委員会では、本件システムの導入後、上記の企業グループ内において、本件システムとは別に販売・生産管理システムを16年度中に開発することとしたことから、これと本件システムとを連携させて運用することとし、販売・生産管理システムの開発が完了するまで本件システムの運用の開始時期を延期していた。そして、18年1月の会計実地検査時点においても、販売・生産管理システムの開発の見通しが立っておらず、本件システムは利用の見込みが立たない状況で、その運用は停止されたままとなっていた。
このような事態が生じていたのは、同委員会において、補助事業の適正な実施に対する認識が欠けていたこと、東京都において、本件補助事業の審査、確認及び同委員会に対する指導が十分でなかったことなどによると認められる。
したがって、本件補助事業は、消費者の食品に対する信頼や安心を確保するため構築した本件システムが運用されずに停止していて補助の目的を達しておらず、これに係る国庫補助金8,733,000円が不当と認められる。
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トレーサビリティシステム 食品の生産、加工、流通等の各段階で原材料の出所や食品の製造元、販売先等の記録を記帳・保管し、食品とその情報とを追跡及び遡及できるようにする仕組み
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(291)トレーサビリティシステム導入促進対策事業で構築したシステムが運用されず、停止していて補助の目的を達していないもの
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1 補助事業の概要
この補助事業は、安心フードネット協議会(東京都千代田区)が、トレーサビリティシステム(注)導入促進対策事業として、消費者の食品に対する信頼や安心を確保するため、米の生産から販売までのトレーサビリティシステム(以下「システム」という。)を構築することとし、平成15年度に、これに必要なパーソナルコンピュータ、ソフトウェア等の機器等を事業費3,937,500円(国庫補助金1,491,000円)で導入したものである。
同協議会は、米の生産者、販売業者、システム開発業者等6者で構成されており、このうち生産者とシステム開発業者に本件機器等を設置し、米の栽培、出荷等の情報を入力し、米を購入する消費者に提供することとしていた。
2 検査の結果
この補助事業について、実績報告書等によりシステムの利用状況等を検査したところ、同協議会では、システム導入当初より米の取引価格、輸送費等について構成員相互間で調整がつかなかったことから、消費者へのシステムを利用した米の販売を行えないまま16年度にその運用を停止していて、導入した機器等は使用されておらず、また、同協議会の活動も休止していた。
このような事態が生じていたのは、同協議会において、補助事業の適正な実施に対する認識が欠けていたこと、東京都において、本件補助事業の審査、確認及び同協議会に対する指導が十分でなかったことなどによると認められる。
したがって、本件補助事業は、消費者の食品に対する信頼や安心を確保するため構築したシステムが運用されずに停止していて補助の目的を達しておらず、これに係る国庫補助金1,491,000円が不当と認められる。
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トレーサビリティシステム 食品の生産、加工、流通等の各段階で原材料の出所や食品の製造元、販売先等の記録を記帳・保管し、食品とその情報とを追跡及び遡及できるようにする仕組み
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(292)食品産業機能高度化特別対策事業が補助事業年度に実施されておらず、補助の対象とならないもの
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1 補助事業の概要
この補助事業は、こつまなんきん普及推進協議会(大阪府大阪市)が、食品産業機能高度化特別対策事業として、地域の特性を活かした食品産業の事業展開を促進し、新製品の開発等を行うため、平成16年度に大阪府下の伝統野菜である勝間南瓜(こつまなんきん)を原料とした「なにわの伝統野菜焼酎」を新たに製造するための回転型甑(こしき)等一式(以下、これらを「醸造機器」という。)の設置等を行うものである。
そして、同協議会では、本件事業を事業費6,861,000円で実施したとして、大阪府に実績報告書を提出し、これにより国庫補助金2,861,000円の交付を受けていた。
2 検査の結果
この補助事業について、実績報告書等により検査したところ、同協議会では、16年度に醸造機器の設置を行わず、事業を実施していなかったにもかかわらず、16年度に事業を実施し完了したとする虚偽の内容の実績報告書を同府に提出していた。
このような事態が生じていたのは、同協議会において、補助事業の適正な実施に対する認識が欠如していたこと、また、同府において、本件補助事業の完了の確認及び同協議会に対する指導監督が十分でなかったことによると認められる。
したがって、本件補助事業は、補助事業年度の16年度に実施されていなかったことから、補助の対象とは認められず、これに係る国庫補助金2,861,000円が不当と認められる。
(293)復旧治山事業の実施に当たり、鋼製土留工の設計が適切でなかったため、工事の目的を達していないもの
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1 補助事業の概要
この補助事業は、和歌山県が、復旧治山事業の一環として、東牟婁郡本宮町(平成17年5月1日以降は田辺市)野竹字定夕地内において、荒廃山地を復旧整備し、災害の防止、軽減を図るため、16年度に土留工2基及び仮設工を工事費15,697,500円(国庫補助金7,848,750円)で実施したものである。
このうち土留工2基(延長計42.2m、高さ1.5m〜3.0m)は、山腹斜面に堆積した不安定土砂の滑落を抑止することを目的として、次のように設計し、これにより施工するなどしていた(参考図1参照)。
ア 土留工は、基礎部に不同沈下などの地盤の変形が予想されたため、地盤の変形に対応できるよう、鋼製の枠組みの内部に中詰材として石材等を詰める構造の鋼製土留工とする(参考図2参照)。
イ 鋼製土留工の中詰材については、現地発生の土砂(粘性・礫質土)を使用する。
2 検査の結果
本件工事について、設計図書等及び現地の状況を検査したところ、鋼製土留工の設計が次のとおり適切でなかった。
すなわち、鋼製土留工の中詰材には通常、玉石や割栗石を使用するが、本件のように土砂を使用する場合には、「鋼製砂防構造物設計便覧」(財団法人砂防・地すべり技術センター鋼製砂防構造物委員会編集)によれば、設計に当たって、吸出し防止材を利用するなどして、中詰材の確実な流出防止対策を講じなければならないとされている。
しかし、同県では、本件鋼製土留工について、上記のような流出防止対策を講ずることなく設計し、これにより施工していた。
このため、本件鋼製土留工は、中詰材である土砂が流出することにより内部に空げきが生じ、その目的としている不安定土砂の滑落を抑止する機能が損なわれるおそれがあるものとなっていた。現に18年2月の会計実地検査時において、鋼製土留工2基の前面の数箇所から、雨水等の影響により中詰材が流出している状況であった。
このような事態が生じていたのは、同県において、鋼製土留工の設計に当たり、中詰材の確実な流出防止対策についての検討が十分でなかったことによると認められる。
したがって、本件鋼製土留工等(工事費相当額13,125,688円)は設計が適切でなかったため、その機能が損なわれるおそれがあり、工事の目的を達しておらず、これに係る国庫補助金相当額6,562,844円が不当と認められる。
土留工の概念図

鋼製土留工構造図

(294)漁港施設災害復旧事業の実施に当たり、設計が適切でなかったため、防波堤の波止板の所要の安全度が確保されていない状態になっているもの
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1 補助事業の概要
この補助事業は、岡山県が、漁港施設災害復旧事業の一環として、備前市日生町(平成17年3月21日以前は和気郡日生町)頭島地内において、16年8月の台風により被災した頭島漁港の防波堤を原形に復旧するため、16、17両年度にコンクリート製波止板の製作、設置等を工事費5,557,650円(国庫補助金4,446,120円)で実施したものである。
上記の工事は、防波堤の上部工の下側を通過しようとする波浪を止め、防波堤背後の静穏度を確保するために設置された波止板296枚のうち、破損したコンクリート製波止板(長さ2.4mから3.2m、幅50cm、厚さ12cm)17枚を新たに製作、設置等するものである(参考図参照)。
同県では、本件工事の工事用図面の作成等の業務を設計業者に委託して工事の契約図面を作成していた。
2 検査の結果
本件工事について、契約図面等を検査したところ、設置されたコンクリート製波止板の設計が次のとおり適切でなかった。
すなわち、同県では、コンクリート製波止板にはあらかじめ工場で生産された汎用性のある製品があり、これを使用すれば原形に復旧できると誤認して、波力に対する応力計算を委託業務に含めていなかった。このため、設計業者は、コンクリート製波止板の構造について応力計算を行っていなかった。
また、施工業者は汎用性のある製品がなかったことから、同県の承諾を受け、上記の応力計算がなされないまま設置時等のひび割れ対策のための鉄筋を配置したコンクリート製波止板を製作し、設置していた。
しかし、「漁港・漁場の施設の設計の手引」(水産庁監修)によれば、波止板の設計に当たっては、波浪等による水平力等の外力に対して安定するものでなければならないとされていることから、本件工事で設置したコンクリート製波止板については波力に対する応力計算を行った上でその構造を決定すべきものであった。
そこで、実際に設置されたコンクリート製波止板について応力計算を行うと、次のとおり、応力計算上安全な範囲を超えている。
ア コンクリートに生ずる曲げ圧縮応力度(注1)が20.40N/mm2から37.43N/mm2となり、許容曲げ圧縮応力度(注1)9N/mm2を大幅に上回っている。
イ 鉄筋に生ずる引張応力度(注2)が381.87N/mm2から700.65N/mm2となり、許容引張応力度(注2)176N/mm2を大幅に上回っている。
このような事態が生じていたのは、同県において、本件コンクリート製波止板についての理解が十分でなかったことなどによると認められる。
したがって、本件コンクリート製波止板17枚(工事費相当額3,033,000円)は設計が適切でなかったため、所要の安全度が確保されていない状態になっており、これに係る国庫補助金相当額2,426,400円が不当と認められる。
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曲げ圧縮応力度・許容曲げ圧縮応力度 「曲げ圧縮応力度」とは、材の外から曲げようとする力がかかったとき、そのために材の内部に生ずる力のうち圧縮側に生ずる力の単位面積当たりの大きさをいう。その数値が設計上許される上限を「許容曲げ圧縮応力度」という。
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引張応力度・許容引張応力度 「引張応力度」とは、材に外から引張力がかかったとき、そのために材の内部に生ずる力の単位面積当たりの大きさをいう。その数値が設計上許される上限を「許容引張応力度」という。
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防波堤概念図

(295)農村総合整備モデル事業の実施に当たり、整備した農道が通行可能な道路に接続していないため、補助の目的を達していないもの
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1 補助事業の概要
この補助事業は、広島県佐伯郡湯来町(平成17年4月25日以降は広島市)が、農村総合整備モデル事業の一環として、同町湯来地区において7年度から12年度までの間に事業費計197,760,000円(国庫補助金計98,880,000円)で農道(計画延長620m、幅員4m)を整備したものである。
本件農道は、事業実施計画において、同町における住民の生活行動と関連する道路網整備の一環として、起点が里道に、終点が既設の農道にそれぞれ接続する道路として計画されたものである。上記の里道は、町道に接続しており、その幅員は町道側が約3m、本件農道の起点側が約1mで、この幅員約1mの区間については本件農道の整備に合わせて3mに拡幅する予定とされていた。
そして、同町では、この計画に基づいて、本件農道用地と里道の拡幅用地について、6年度にすべての土地所有者から土地の無償譲渡の同意を得るとともに、本件農道の整備については、7年度に事業に着手し、12年度に計画どおり完了したとしていた。
2 検査の結果
本件補助事業について、事業実施計画書、事業実績報告書等及び現地の状況を検査したところ、次のとおり適切とは認められない事態が見受けられた(参考図参照)。
(1)起点側について
同町では、里道の拡幅を予定していた区間に隣接する民有地において、6年度に、別途に実施していた残土処理工事のために土地所有者から土地の無償貸与を受けて幅員3mの仮設道路を築造していたことから、里道の拡幅工事を行わないで、この仮設道路を里道の代替道路として利用することとした。
しかし、この仮設道路は、無償貸与期間の経過等により、10年頃から利用できない状況となった。このため、再び里道の拡幅工事が必要となったのに、同町では、その後、同工事を行っておらず、里道は車両の通行ができないままとなっていた。なお、この里道の一部は、その位置、幅員が確認できなかったり、法面が崩壊したりなどしていた。
(2)終点側について
同町では、本件農道のうち起点から440mまでの区間の整備を9年度に終了した。しかし、当初無償譲渡の同意を得ていた残りの区間の農道用地の一部について、同年度に、土地所有者の都合により取得できなくなった。このため、終点を既設の農道から付近の町営グラウンドに変更し、同グラウンドを介して町道に接続することとして、10年度から12年度までの間に、起点から340mの地点から同グラウンドまでの区間(延長202m、幅員4m)の工事を実施した。そして、この状態をもって本件農道の整備工事を終了しているばかりでなく、町営グラウンドの町道に通じる出入口の門扉は通常施錠されていることから、本件農道に一般車両が進入できないものとなっていた。
上記(1)及び(2)の結果、本件農道は、整備が完了したとしていた12年度以降、町営グラウンドの門扉の鍵を借り受けた耕作者のみが、本来車両が通行する場所ではない同グラウンドを通って利用しているにすぎない状況となっていた。
このような事態が生じていたのは、同町が、起点側について、仮設道路が利用できなくなったのに、その後里道の拡幅工事を実施しなかったこと、終点側について、土地の無償譲渡の同意を得た時点で速やかに土地を取得すべきであったのにこれを行わなかったり、既設の農道等に接続するための他の方策を採らなかったりしたこと、また、同町に対する広島県の指導及び監督が十分でなかったことなどによると認められる。
したがって、本件補助事業(事業費計197,760,000円)は、整備した農道が通行可能な道路に接続していないため、長期間にわたり車両が自由に通行できない状況となっていて、道路網整備という補助の目的を達しておらず、これに係る国庫補助金計98,880,000円が不当と認められる。
農道の概念図

(296)農地情報管理システム整備事業が補助事業年度に実施されておらず、補助の対象とならないもの
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1 補助事業の概要
この補助事業は、宮崎県南那珂郡北郷町が、農地情報管理システム整備事業として、農業委員会において農地等の情報を効率的・効果的に管理・活用するため、平成14年度に農地の所在地、面積、所有者等の情報を管理している農地基本台帳のデータなどを電子情報化するものである。
そして、同町では、本件事業を事業費7,964,250円で実施したとして、宮崎県に実績報告書を提出し、これにより補助金6,685,000円の交付を受けていた。
2 検査の結果
この補助事業について、実績報告書等により検査したところ、同町では、14年度に農地基本台帳のデータ入力等を委託する業者の選定を行わず、事業を全く実施していなかったにもかかわらず、14年度に事業を実施し完了したとする虚偽の内容の実績報告書を同県に提出していた。
このような事態が生じていたのは、同町において、補助事業の適正な実施に対する認識が欠如していたこと、また、同県において、本件補助事業の完了の確認及び同町に対する指導監督が十分でなかったことによると認められる。
したがって、本件補助事業は、補助事業年度の14年度に全く実施されていなかったことから、補助の対象とは認められず、これに係る国庫補助金6,685,000円が不当と認められる。
(297)農用地利用調整特別事業で整備した農作業受委託支援システムが全く活用されていなかったため、補助の目的を達していないもの
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1 補助事業の概要
この補助事業は、宮崎県児湯郡川南町が、農用地利用調整特別事業の一環として、効率的な農用地の利用調整活動の支援を図るため、平成11年度に地図情報システム、農作業受委託支援システム(以下「受委託システム」という。)等の整備を事業費44,598,000円(国庫補助金22,299,000円)で実施したものである。
このうち受委託システムは、農用地一筆ごとの農家の農作業受委託に関する情報を入力し、画面上の地図に表示するものである。そして、同町では、農作業受委託の調整等に資するため、受委託システムを活用することとしていた。
2 検査の結果
この補助事業について、実績報告書等により受委託システムの活用状況等を検査したところ、同町では、受委託システムに必要な情報を把握しておらず、情報を全く入力しないまま耐用年数(5年)が経過した後も活用していないままとなっている。
このような事態が生じていたのは、同町において、受委託システムに必要な情報を把握するなどして入力し、農作業受委託の調整等に活用することについての認識が十分でなかったこと、宮崎県において、本件補助事業の審査、確認及び同町に対する指導監督が十分でなかったことなどによると認められる。
したがって、本件補助事業は、農作業受委託の調整等に資するために整備された受委託システム(事業費相当額6,891,213円)が全く活用されていなかったため、補助の目的を達しておらず、これに係る国庫補助金相当額3,445,607円が不当と認められる。
(298)経営体質強化施設整備事業の実施に当たり、仕入税額控除した消費税額に係る補助金を返還していないもの
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1 補助事業の概要
(1)補助事業の概要
この補助事業は、有限会社野菜工房すなかわ(沖縄県宮古郡城辺町(平成17年10月1日以降は宮古島市))が、経営体質強化施設整備事業の一環として、農業経営の規模を拡大し経営の安定を図るため、16年度(15年度事業を繰越し)に野菜栽培用の温室施設を設置したものである。
同会社では、本件補助事業を消費税(地方消費税を含む。以下同じ。)を含め、事業費190,575,000円(国庫補助金127,050,000円)で実施している。そして、16年9月に城辺町に実績報告書を提出し、これにより国庫補助対象事業費の精算を受けていた。
(2)補助事業における消費税の取扱い
消費税は、事業者が課税対象となる取引を行った場合に納税義務が生じるが、生産、流通の各段階で重ねて課税されないように、確定申告において、課税売上高に対する消費税額から課税仕入れに係る消費税額を控除(以下、この控除を「仕入税額控除」といい、控除する額を「消費税仕入控除税額」という。)する仕組みが採られている。
そして、補助事業の事業主体が補助対象の施設等を取得することも課税仕入れに該当し、上記の仕組みにより確定申告の際に課税仕入れに係る消費税額を仕入税額控除した場合には、事業主体は補助事業で取得した施設等に係る消費税額を実質的に負担していないことになる。
このため、補助事業の事業主体は、「農業経営対策事業費補助金等交付要綱」(平成12年12構改B第350号農林水産事務次官依命通知)等により、実績報告書の提出後に、消費税の申告により課税売上高に対する消費税額から補助事業に係る消費税額を課税仕入れに係るものとして控除し、補助金に係る消費税仕入控除税額が確定したときには、その金額を速やかに報告するとともに、当該金額を返還しなければならないこととなっている。
2 検査の結果
この補助事業について、実績報告書等により検査したところ、同会社は17年5月に消費税の確定申告を行い、本件補助事業に係る消費税額9,075,000円を課税仕入れに係る消費税額として控除し、同年7月に消費税の還付を受けていた。
しかし、同会社では、上記の消費税仕入控除税額9,075,000円のうち本件補助金に係る額6,050,000円を報告、返還しておらず、不当と認められる。
このような事態が生じていたのは、同会社において、補助事業における消費税の取扱いについての理解が十分でなかったこと、沖縄県及び城辺町において、本件補助事業の消費税の取扱いについての指導及び確認が十分でなかったことによると認められる。
(299)畜産環境総合整備事業の実施に当たり、設計が適切でなかったため、発酵施設の所要の安全度が確保されていない状態になっているもの
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1 補助事業の概要
この補助事業は、財団法人沖縄県農業開発公社(以下「公社」という。)が、畜産環境総合整備事業の一環として、沖縄市倉敷地内において、家畜排せつ物を処理し堆肥を製造する堆肥化施設を整備するため、平成13、14両年度に、混合施設、乾燥施設、発酵施設各1棟の建築及び発酵攪拌機、変電配電設備の設置を工事費279,594,000円(国庫補助金167,756,400円)で実施したものである。
このうち、発酵施設は、建築面積2,250.3m2、延床面積3,915.6m2の2階建構造で、基礎は杭構造、1階部分は鉄筋コンクリート造のピロティ(注1)等、2階部分は鉄骨造となっており、2階部分に発酵槽及び発酵攪拌機が設けられている(参考図参照)。
そして、設計図面等によれば、発酵施設の2階部分の床、床上に設置された発酵槽、発酵槽内部の家畜排せつ物、発酵攪拌機、鉄骨建屋等の荷重は、発酵施設の1階部分ピロティの梁及び柱並びに基礎杭により支持する構造としている。
これらの部材の区分ごとの寸法、本数は次表のとおりである。
| 表 部材の区分ごとの寸法、本数 |
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部材の区分
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寸法
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本数
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1階部分ピロティ
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梁
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建物の短辺方向の梁
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大梁
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長さ12m又は12.14m、高さ60cm、幅45cm
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21
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計91本
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小梁
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長さ12m又は12.14m、高さ60cm、幅35cm
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42
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建物の長辺方向の梁
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長さ6.5m、高さ60cm、幅40cm又は45cm
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28
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柱
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高さ3.25m、幅50cm×50cm
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28本
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基礎
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基礎杭
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直径35cm、長さ10m〜15m
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51本
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そして、構造計算書において、次のような設計条件を設定するなどして計算を行った結果、本件発酵施設は構造計算上安全であるとし、これにより施工することとしていた。
(1)家畜排せつ物による積載荷重について
建築基準法施行令(昭和25年政令第338号。以下「施行令」という。)では、建築物に作用する荷重及び外力としては、床の自重のように建築物の供用期間を通じてその作用が一定である固定荷重、その作用が一定ではなく変動する可能性がある積載荷重等を採用しなければならないこととなっている。そこで、本件については、発酵槽内部の家畜排せつ物による荷重を、2階部分の床を通じて1階部分ピロティの梁及び柱並びに基礎杭に作用する積載荷重とする。そして、家畜排せつ物の積上げ高さを1.5mとした場合に2階部分の床1m2当たりに作用する積載荷重は、1,000kg/m2と計算されるが、家畜排せつ物の処理に伴い、積上げ高さが1.5mより低くなる可能性もあることを考慮し、常時(注2)の積載荷重は500kg/m2、地震時(注2)の積載荷重は300kg/m2とする。
(2)使用する主鉄筋の種類について
1階部分ピロティの柱及び梁に使用する主鉄筋(径22mm又は19mm)の種類については、すべて異形棒鋼のSD345とする。
2 検査の結果
本件工事について、設計図面、構造計算書等及び施設の現況を検査したところ、発酵施設の設計が次のとおり適切でなかった。
(1)家畜排せつ物による積載荷重について
積載荷重について、施行令では、建築物の各部の積載荷重は、当該建築物の実況に応じて計算しなければならないこととなっている。そして、本件発酵施設は、24時間連続稼働で使用されるものであり、発酵槽の搬入側の端部に搬入され1.5mの高さに積み上げられた家畜排せつ物が、発酵攪拌機により攪拌されながら徐々に搬出側の端部に移動する間に発酵して堆肥となり、搬出側の端部で発酵槽から落下する仕組みとなっている。このため、発酵施設においては、積上げ高さ1.5mの家畜排せつ物が発酵槽全面にわたって存在する状態が常に継続することとなる。
したがって、常時及び地震時の積載荷重は、本件設計の500kg/m2、300kg/m2ではなく、いずれも1,000kg/m2となる。
(2)使用する主鉄筋の種類について
1階部分ピロティの柱及び梁の主鉄筋の種類については、構造計算書においては異形棒鋼のSD345を使用することとして計算していたが、設計図面等においては、誤ってSD345よりも強度の小さいSD295Aとしており、施工もこの設計図面等によってSD295Aを使用していた。
そこで、本件発酵施設について、家畜排せつ物による積載荷重を常時及び地震時のいずれも1,000kg/m2、主鉄筋の種類は実際に使用されているSD295Aとして、改めて構造計算を行うと、次のとおり、発酵施設の梁及び柱に発生する曲げモーメント並びに基礎杭に作用する鉛直力が構造計算上安全な範囲を大幅に超えている。
〔1〕 1階部分ピロティの梁91本のうち84本(92%)、また柱28本のうち18本(64%)において、発生する曲げモーメント(注3)が許容曲げモーメント(注3)を超えており、最大のもので許容曲げモーメントの4.36倍(許容曲げモーメント149.5kN・mに対して652.0kN・m)になっている。
〔2〕 基礎杭は51本のうち44本(86%)において、作用する鉛直力(注4)が許容鉛直支持力(注4)を超えており、最大のもので許容鉛直支持力の2.12倍(許容鉛直支持力480.0kNに対して1,016.8kN)になっている。
現に、18年2月の会計実地検査時点において、発酵施設の1階部分ピロティの梁及び柱には多数のき裂が生じており、短辺方向の梁(大梁)に最大5.05cmのたわみが生じていたり、2階部分の床にも多数のき裂が生じていて家畜排せつ物が床下ににじみ出ていたりしている状況であった。
このような事態が生じていたのは、公社において、委託した設計業務の成果品に誤りがあったのに、これに対する検査が十分でなかったこと及び公社に対する沖縄県の指導及び監督が十分でなかったことによると認められる。
したがって、本件発酵施設(工事費相当額103,867,509円)は設計が適切でなかったため、所要の安全度が確保されていない状態になっており、これに係る国庫補助金相当額62,320,505円が不当と認められる。
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ピロティ 壁によって囲われず、独立柱が並ぶ吹放ちの空間をいう。
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常時・地震時 「常時」とは、建築物に作用する荷重及び外力について想定する状態のうち通常の状態をいい、固定荷重及び積載荷重を考慮する。また、「地震時」とは、地震時の状態をいい、固定荷重及び積載荷重に加え、地震力を考慮する。
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曲げモーメント・許容曲げモーメント 「曲げモーメント」とは、外力が材に作用し、これを曲げようと材に生ずる力をいう。その数値が設計上許される上限を「許容曲げモーメント」という。
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鉛直力・許容鉛直支持力 「鉛直力」とは、構造物の自重等が基礎杭に対し鉛直方向に働く力をいう。その数値が設計上許される上限を「許容鉛直支持力」という。
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発酵施設(断面図)

(300)国際林業協力事業の実施に当たり、事業に要した実支出額によることなく人件費及び電子計算機使用料を算出していたため、補助対象事業費の精算が過大となっているもの
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1 補助事業の概要
この補助事業は、社団法人日本森林技術協会(平成16年6月10日以前は社団法人日本林業技術協会、以下「協会」という。)が、国際林業協力事業の一環として、開発途上地域における持続可能な森林経営の推進に資するなどのため、13年度から17年度までの各年度において、アジア東部地域の森林政策の立案を支援するために必要な調査等を実施したものである。
国際林業協力事業費補助金交付要綱(平成2年2林野計第382号農林水産事務次官依命通達)等(以下「要綱等」という。)によれば、補助事業に要する経費に対する国の補助率は定額とされており、さらに、毎年度、補助事業に要した経費の実支出額と、国庫補助金交付決定額とのいずれか低い額を算出し、補助金の確定額とすることとされている。
協会では、本件補助事業において、補助対象事業費として、技術料、使用料及び賃借料、旅費、諸謝金等の経費を計790,977,590円要したとして林野庁に実績報告書を提出し、これに対して国庫補助金計785,261,000円の交付を受けていた。
2 検査の結果
本件補助事業について、実績報告書等により検査したところ、次のとおり適切でないと認められる事態が見受けられた。
(1)技術料について
協会では、補助事業に従事した協会職員の人件費を技術料に計上していた。人件費の額については、林野庁等が治山・林道事業に係る調査・測量・設計等を外注する場合の予定価格の積算に用いる技術者基準日額の職種単価を適用し、これに協会職員が補助事業に従事した日数(以下「補助事業従事日数」という。)を乗ずるなどして算出していた。そして、13年度から17年度までの間の補助事業従事日数を計10,601.5日とし、これに職種単価を乗じて計467,870,442円とする実績報告を行っていた。
しかし、補助事業従事日数について精査したところ、協会職員が補助事業に従事したとしている日に他の業務に従事するなどしており、13年度から17年度までの補助事業に従事した実際の日数は計10,565.5日となっていた。
また、実支出額の算出に当たって、適用する人件費単価は、技術者基準日額によるのではなく、実際に職員に支払われた基本給、諸手当、賞与、社会保険料等事業主負担の合計額を各職員の年間勤務日数で除して算出すべきであった。
このため、13年度から17年度までの人件費を修正計算すると、計432,034,895円となり、前記の実績報告の額との差額計35,835,547円が過大となっていた。
(2)使用料及び賃借料等について
協会では、補助事業で使用した電子計算機の使用等に係る経費(以下「電算機使用料」という。)を使用料及び賃借料等に計上していた。そして、電算機使用料は、電子計算機の減価償却費に、電算機諸経費、電算機技術料、保守料等を加算した額を基に月額使用料を決定し、これに年間稼働月数を乗ずるなどして、13年度から17年度までの合計で80,688,000円と算出していた。
しかし、上記のうち減価償却費、電算機諸経費、電算機技術料については、事業に要した実支出額とはなっていなかった。すなわち、減価償却費は、協会の会計処理に基づく金額ではなく、償却期間を一律5年とするなど実際とは異なる方法により算出した額となっていた。また、電算機諸経費、電算機技術料は、支出の実績がないのに減価償却費等に一定率を乗じて算出した額を計上していた。
このため、13年度から17年度までの電算機使用料を修正計算すると、計37,212,000円となり、前記の実績報告の額との差額計43,476,000円が過大となっていた。
このような事態が生じていたのは、協会において補助事業の適正な実施に対する認識が十分でなかったことなどから事実と相違する内容の実績報告を行っていたこと、これに対する林野庁の審査、確認及び協会に対する指導が十分でなかったことなどによると認められる。
したがって、本件補助事業に係る13年度から17年度までの適正な補助対象事業費は、次表のとおり、計711,666,043円となり、前記の補助対象事業費計790,977,590円との差額計79,311,547円が過大に精算されていて、これに係る国庫補助金計73,594,957円が不当と認められる。
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表 |
(単位:円) |
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年度
|
補助対象事業費
|
国庫補助金交付額
|
適正な補助対象事業費
|
過大となっていた補助対象事業費
|
左に係る国庫補助金
|
|
13
|
203,140,263
|
202,219,000
|
188,191,857
|
14,948,406
|
14,027,143
|
|
14
|
169,378,820
|
167,838,000
|
147,648,583
|
21,730,237
|
20,189,417
|
|
15
|
150,546,937
|
149,986,000
|
132,620,035
|
17,926,902
|
17,365,965
|
|
16
|
135,750,967
|
134,590,000
|
118,481,988
|
17,268,979
|
16,108,012
|
|
17
|
132,160,603
|
130,628,000
|
124,723,580
|
7,437,023
|
5,904,420
|
|
計
|
790,977,590
|
785,261,000
|
711,666,043
|
79,311,547
|
73,594,957
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(301)不要漁船・漁具処理対策事業の実施に当たり、事業の要件とされている残存漁業者等の資金負担が行われていないものに対して補助金が交付されているもの
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1 補助事業の概要
この補助事業は、資源水準に見合った漁業の体制を構築するため、漁船及び漁具のスクラップ処分等(以下「減船」という。)を行った者に対して助成金の交付を行う事業(不要漁船・漁具処理対策事業。以下「減船事業」という。)で、国は、漁業協同組合連合会等の事業主体に事業資金助成金を交付する社団法人大日本水産会(以下「水産会」という。)に補助金を交付している。
減船事業の実施に当たって、事業主体は、資源回復推進等再編整備事業費補助金交付要綱(平成14年13水漁第2926号農林水産事務次官依命通知)等(以下「要綱等」という。)に基づき、減船を行った者に対する助成金の交付に充てるため、事業資金を造成することとされている。この事業資金の造成割合は、漁業者が営む漁業の許可等の区分に応じ、残存漁業者等(注)の拠出金が事業資金の9分の5、水産会の事業資金助成金が事業資金の9分の4以内などとされている。また、事業主体は、減船対象漁船の概要、助成総額、助成金の交付に充てる事業資金の負担者、負担金額等を記載した事業計画を水産庁に提出し、水産庁は、事業計画の内容が残存漁業者等が事業資金を負担することなどの要件を満たしている場合に当該事業計画を承認することとされている。
このように、減船事業において残存漁業者等が事業資金を負担することが要件とされているのは、減船に伴い、将来、資源回復の利益を受ける残存漁業者等が、減船を行う者の漁船等の資産の滅失額を補償することが前提とされているためである。そして、事業資金を造成する事業主体に対して水産会が交付する事業資金助成金は、残存漁業者等の負担の軽減措置として交付されるものであり、国は、水産会に対し、事業資金助成金の全額を補助している。
事業主体は、水産会から事業資金助成金の交付を受けようとするときは、減船を行った者が作成した助成金の交付申請書をとりまとめて水産会に提出し、水産会は、事業主体に対し事業資金助成金の交付を行っている。
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残存漁業者等 漁業協同組合連合会等が作成する事業計画の対象漁業を営む漁業者のうち当該漁業から撤退する者以外の者、地方公共団体、漁業協同組合連合会等
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2 検査の結果
北部太平洋まき網漁業協同組合連合会(以下「連合会」という。)が事業主体となり、減船を行い漁業から撤退したA、B両会社に係る平成15、16両年度の減船事業について、連合会の経理関係書類等により検査したところ、次のとおり、適切とは認められない事態が見受けられた。
(1)A会社に係る減船事業について
連合会は、15年度のA会社に係る減船事業の実施に当たり、16年3月、助成金の額を129,105,900円(減船による資産の滅失額)とした事業計画を水産庁に提出し、承認を受けていた。そして、同年6月に水産会に対し交付申請を行い、事業資金助成金57,380,400円(事業資金の9分の4)の交付を受け、これに残存漁業者等に該当する宮城県旋網(まきあみ)漁業協同組合(以下「宮城県旋網漁協」という。)から送金された71,725,500円(事業資金の9分の5)を合わせて事業資金129,105,900円を造成し、同額を助成金として同年同月に宮城県旋網漁協を通じてA会社に交付したとしていた。
しかし、宮城県旋網漁協から連合会に送金された71,725,500円は、連合会がA会社から助成金の交付を条件に返済する旨の借用証書を徴した上で、連合会が金融機関から借り入れた資金であり、いったん宮城県旋網漁協に送金したものであった。そして、A会社は、助成金の交付を受けて、上記の借用証書に基づき71,725,500円を連合会に返済し、連合会は金融機関に返済していた。このため、連合会及び宮城県旋網漁協はいずれも事業資金を実質的に負担しておらず、また、その他の残存漁業者等も事業資金を負担していないことから、本件事業は、減船事業の要件を満たしていなかった。
(2)B会社に係る減船事業について
連合会は、16年度のB会社に係る減船事業の実施に当たり、17年2月、助成金の額を434,920,949円(減船による資産の滅失額)とした事業計画を水産庁に提出し、承認を受けていた。そして、同年5月に水産会に対し交付申請を行い、事業資金助成金193,298,199円(事業資金の9分の4)の交付を受け、これに残存漁業者等に該当する千葉県旋網漁業協同組合(以下「千葉県旋網漁協」という。)から送金された241,622,750円(事業資金の9分の5)を合わせて事業資金434,920,949円を造成し、同額を助成金として同年6月に千葉県旋網漁協を通じてB会社に交付したとしていた。
しかし、千葉県旋網漁協から連合会に送金された241,622,750円は、B会社が所属していた銚子市漁業協同組合(以下「銚子市漁協」という。)がB会社から回収することを前提として千葉県旋網漁協に送金したものであった。そして、B会社は、助成金の交付を受けて、241,622,750円を銚子市漁協に送金していた。このため、連合会、千葉県旋網漁協及び銚子市漁協はいずれも事業資金を実質的に負担しておらず、また、その他の残存漁業者等も事業資金を負担していないことから、本件事業は、減船事業の要件を満たしていなかった。
このような事態が生じていたのは、連合会において、事業の適正な実施に対する基本認識が欠けていたこと、水産庁において、事業計画の審査、連合会に対する指導及び監督が十分でなかったことなどによると認められる。
したがって、連合会が実施したA、B両会社に係る減船事業(助成金計564,026,849円)は、事業の要件を満たしておらず、これに係る事業資金助成金15年度57,380,400円、16年度193,298,199円、計250,678,599円(国庫補助金同額)が不当と認められる。
(302)水産物安全・安心対策事業及び漁協系統組織・事業改革促進事業の実施に当たり、補助金の額の算定を誤るなどしていたため、補助金が過大に交付されていたり、補助対象事業費の精算が過大となっていたりしているもの
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1 補助事業の概要
これらの補助事業は、全国漁業協同組合連合会(以下「全漁連」という。)が、〔1〕平成15年度から17年度に、消費者に安全・安心消費に関する普及啓発を行う水産物安全・安心対策事業(以下「安全・安心事業」という。)、〔2〕15、17両年度に、漁業協同組合等の監査体制の強化等を行う漁協系統組織・事業改革促進事業(15年度は漁業協同組合等特別対策事業。以下「改革促進事業」という。)を実施したものである。
補助金の額は、水産業振興民間団体関係補助金交付要綱(平成10年10水漁第945号農林水産事務次官依命通知。15、16両年度は水産業振興総合対策事業関係等補助金交付要綱。以下「交付要綱」という。)により、補助対象事業費に補助率(経費区分ごとに定額又は2分の1以内等)を乗じて算定することとされている。
全漁連では、〔1〕安全・安心事業については講演会の開催等を事業費59,678,327円、〔2〕改革促進事業については漁協監査強化指導等を事業費192,417,193円、計252,095,520円で実施している。そして、全漁連では各年度の事業終了後に、水産庁に実績報告書を提出し、これにより〔1〕安全・安心事業に係る補助金40,614,000円、〔2〕改革促進事業に係る補助金126,797,319円、計167,411,319円の交付を受けていた。
2 検査の結果
これらの補助事業について、実績報告書等により検査したところ、補助金の額の算定が次のとおり適切ではなかった。
〔1〕 安全・安心事業においては、交付要綱に補助率が2分の1以内と定められている講演会開催費等について、2分の1を上回って補助金の額を算定していた。
〔2〕 改革促進事業においては、漁協監査強化指導費等について、自らが負担したものではない監査経費を含めて過大に補助対象事業費を精算するなどしていた。
このような事態が生じていたのは、全漁連において、補助金の額の算定方法等に対する理解が十分でなかったこと、水産庁において、全漁連から提出させた実績報告書等の審査に当たり、補助金の額の算定について適切な確認を行っていなかったことなどによると認められる。
したがって、本件補助事業は、補助金の額の算定を誤るなどしていたため、補助金が過大に交付されていたり、補助対象事業費の精算が過大となっていたりして、〔1〕に係る国庫補助金1,499,668円、〔2〕に係る国庫補助金2,020,456円、計3,520,124円が不当と認められる。