会計名及び科目 | 道路整備特別会計 (項)道路事業費 |
部局等の名称 | 東京都 |
補助の根拠 | 道路法(昭和27年法律第180号) 交通安全施設等整備事業に関する緊急措置法(昭和41年法律第45号) |
事業主体 | 東京都中央区 |
補助事業 | 中央区道中日第200号駐車場整備 |
補助事業の概要 | 公園の地下に駐車場を新設するため、平成5年度から7年度までの間に土工、く体工等を施工するもの |
事業費 | 3,914,000,000円 | (うち国庫補助対象額2,703,948,450円) |
上記に対する国庫補助金交付額 | 1,351,974,225円 |
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不当と認める事業費 | 27,844,755円 | (うち国庫補助対象額18,563,000円) |
不当と認める国庫補助金交付額 | 9,281,500円 |
1 補助事業の概要
この補助事業は、東京都中央区が、駐車場整備事業の一環として、同区日本橋浜町地区において、公園の地下に駐車場(地下一層、自動車200台収容)を新設するため、平成5年度から7年度までの間に、土工、く体工等を工事費3,914,000,000円(国庫補助対象額2,703,948,450円、これに対する国庫補助金1,351,974,225円)で実施したものである。
このうちく体工は、鉄筋コンクリート構造の駐車場のく体本体を構築するもので、その床版コンクリートの上には、自動車が走行、駐車するため厚さ8cmから23cm(平均15cm)のコンクリート舗装を計6,567m2
施行している。
上記のコンクリート舗装については、設計図書等によると、全体を1,351m2
から1,903m2
の4ブロックに分けて、1ブロックずつ次のように施工することとしていた(参考図参照)
。
(ア) 床版コンクリート上に地下水対策用の湧水マットを敷設する。
(イ) 自動車荷重の影響を大きく受けるコンクリート舗装上部を強化して、発生するき裂の進行を防止し耐久性を向上させるため、湧水マットの上に、鉄網(径6mm、網目15cm×15cm)をスペーサを用いて舗装仕上がり表面から5cm下の位置となるように設置し、鉄網の位置を確認しながらコンクリートを打設する。
(ウ) コンクリート打設の翌日、乾燥に伴う収縮や温度の変化による伸縮によって耐久性に影響を与える有害なき裂が発生するのを防止するため、コンクリートカッターにより、118本ある柱の間隔(縦5.6m及び8m、横8.5m)を標準として、舗装の表面から底面まで切断して目地を設ける。
2 検査の結果
検査したところ、コンクリート舗装には、各柱を中心とした放射状のき裂が全面にわたって発生していた。そこで、目地等の状況について調査したところ、次のようになっていた。
(ア) 目地は、舗装の底面まで達しておらず、表面から2cmの深さまで切れ目を入れただけのものであった。このためコンクリート舗装は、一枚の面積が1,351m2 から1,903m2 の大きな構造物となっており、乾燥収縮等に十分対応できず有害なき裂が発生しやすいものとなっていた。これは、設計図書に対する理解が十分でなかったことによる。
(イ) き裂部のうち1ブロック当たり6箇所又は7箇所計25箇所からコアを採取して調査したところ、確認できた24個のコアの鉄網の位置は、全般的に舗装の表面から5cmの位置より下方にあり、半数は表面から10cm以上下方となっていた。これは、スペーサが倒れ鉄網が下がっているものがあるのに、そのままコンクリートを打設したことによる。
そして、き裂は、コアを採取した25箇所のすべてにおいて舗装の底面まで達しており、本件コンクリート舗装は耐久性が著しく低下していると認められた。
このように、本件コンクリート舗装工(工事費相当額27,844,755円、うち国庫補助対象額18,563,000円)は施工が設計と著しく相違していたため、工事の目的を達しておらず、これに係る国庫補助金相当額9,281,500円が不当と認められる。