部局等の名称 | (1) | 北海道 |
(2) | 宮崎県 |
補助事業者 | (1) | 北海道 |
(2) | 宮崎県 |
補助金 | 新産業都市等事業補助率差額(公共下水道幹線管渠等整備分) |
補助金の概要 | 市町村に代わって公共下水道の幹線管きょ等の設置に係る事業を行う都道府県に対し、国の財政上の特別措置として交付するもの |
補助率差額交付額 | (1) | 682,518,976円 | (平成11、12両年度) |
(2) | 44,660,000円 | (平成10年度〜12年度) | |
不当と認める補助率差額交付額 | (1) | 11,428,665円 | (平成11、12両年度) |
(2) | 11,701,000円 | (平成10年度〜12年度) |
1 補助事業の概要
新産業都市等事業補助率差額(公共下水道幹線管渠等整備分。以下「補助率差額」という。)は、過疎地域活性化特別措置法(注)
(平成2年法律第15号。以下「過疎活性化法」という。)に基づき、市町村に代わって公共下水道幹線管渠等整備事業(以下「過疎代行事業」という。)を行う都道府県に対し、財政上の特別措置として交付するものである。
過疎活性化法においては、過疎代行事業に要する経費に対する国の負担について「後進地域の開発に関する公共事業に係る国の負担割合の特例に関する法律」(昭和36年法律第112号。以下「負担特例法」という。)の規定の例によるとされており、これにより通常の補助率が引き上げられることに伴う国の負担の増加分を補助率差額として翌年度又は翌々年度に交付している。
補助率差額の交付を受けようとする都道府県は、「新産業都市等事業補助率差額及び後進地域特例法適用団体等補助率差額の交付申請等について」(平成8年建設省都総発第261号)に基づき、補助率差額を対象となる過疎代行事業の箇所別、補助率ごとに、次式により算定し、これらの合計額を交付申請額として交付の申請を行うこととされている。その際、補助率差額の算出過程を明示した補助率差額計算書を作成して提出することとされている。
補助率差額の算定に当たっては、負担特例法の規定によると、国の負担割合を引き上げることにより都道府県の負担割合が百分の十未満となるときには、これが百分の十となるように国の負担割合を定めることとされている。このため、この場合には次式により算定した額を補助率差額から減額することとされている。この算定式のうち市町村負担金は、都道府県が当該公共下水道の管理者である市町村から過疎代行事業に要する経費の一部として徴した負担金である。
上記補助率差額の算定は交付対象となる事業費、市町村負担金などを補助率差額計算書の所定の欄に記入することにより行われるようになっている。
北海道では、知内町ほか24町村において実施した平成10年度過疎代行事業に対する補助率差額を計682,518,976円、宮崎県では、北郷町ほか3村において実施した9、10両年度過疎代行事業に対する補助率差額を計44,660,000円(9年度事業4,000,000円、10年度事業40,660,000円)とそれぞれ算定して交付申請を行い、補助率差額の交付を受けていた。
2 検査の結果
検査したところ、過疎代行事業に係る補助率差額の算定が次のとおり適切でなかった。すなわち、北海道及び宮崎県では、過疎代行事業を実施するに当たって各町村から徴した負担金の額を、誤って、補助率差額計算書の所定の欄に記入していなかった。このため、都道府県負担割合が正しく算定されず、過疎代行事業を実施した各町村すべてについて両道県の負担割合が百分の十未満となるものはなく、補助率差額は減額されない結果となっていた。
そこで、改めて適正に記入した補助率差額計算書に基づいて算定すると、北海道の知内町、寿都町及び喜茂別町における過疎代行事業の一部、並びに宮崎県の北郷町における過疎代行事業については、両道県の負担割合は百分の十未満となり、補助率差額は減額されることとなる。
このような事態が生じていたのは、両道県において、補助率差額の算定方法に対する理解が十分でなかったこと、審査が十分でなかったことなどによると認められる。
したがって、前記4町の過疎代行事業に係る両道県の負担割合が百分の十となるように適正な補助率差額を算定すると、北海道は 671,090,311円、宮崎県は 32,959,000円(9年度2,933,000円、10年度30,026,000円)となり、交付額との差額、北海道で11,428,665円、宮崎県で11,701,000円(9年度1,067,000円、10年度10,634,000円)がそれぞれ過大となっていて、不当と認められる。