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  • 平成23年度|
  • 第6章 歳入歳出決算その他検査対象の概要|
  • 第2節 歳入歳出決算等検査対象別の概要|
  • 第1 歳入歳出決算|
  • 2 特別会計

農林水産省所管 食料安定供給特別会計


(9) 農林水産省所管 食料安定供給特別会計

 この特別会計は、農業経営基盤強化事業、農業経営安定事業、食糧の需給及び価格の安定のために行う事業及び土地改良工事等に関する経理を一般会計と区分して行うため設置されているものである。
 同特別会計は、農業経営基盤強化、農業経営安定、米管理、麦管理、業務、調整及び国営土地改良事業の7勘定に区分して経理されており、その勘定別の23年度の歳入歳出決算、損益、借入金、主な業務実績、調整資金の増減額及び政府短期証券(食糧証券)の発行は次のとおりである。

ア 農業経営基盤強化勘定

 この勘定は、農業経営基盤の強化に資するための農地等の買収、売払い等及び農地保有合理化事業等に係る補助金の交付等並びに青年等の就農促進を図るための就農支援資金の貸付けに関する経理を行うものである。

(ア) 歳入歳出決算

歳入 徴収決定済額(千円) 収納済歳入額(千円) 不納欠損額(千円) 収納未済歳入額(千円)
23年度 34,139,089 33,669,520 11,444 458,124
22年度 28,680,673 28,140,145 26,531 513,996
歳出 歳出予算現額(千円) 支出済歳出額(千円) 翌年度繰越額(千円) 不用額(千円)
23年度 17,191,852 7,137,263 10,054,589
22年度 9,249,206 5,108,564 2,784 4,137,856

 不用額の主なものは、農業経営基盤強化事業費(歳出予算現額170億6441万余円)の99億8788万余円である。

(イ) 損益

区分 23年度(千円) 22年度(千円)
利益 22,894,997 10,519,739
(うち農業改良資金貸付金納付金
3,704,121)

(うち農業改良資金貸付金納付金
3,476,668)

損失 6,523,300 4,266,058
(うち農地保有合理化促進費
4,072,561)

(うち農地保有合理化促進費
2,643,561)

利益金 16,371,696 6,253,681
前年度繰越利益金 2,459,304
前年度繰越損失金 3,794,376
翌年度繰越利益金 18,831,001 2,459,304

(ウ) 主な業務実績

区分 23年度 (22年度)
(農地等の売払い等のうちの主なもの)    
  農地等の売払い等 518千m2 294千m2
  農地等の貸付け 1,835千m2 1,926千m2
  年度末所有農地等(注) 42,908千m2 43,427千m2
(農地保有合理化促進対策費補助金の交付のうちの主なもの)    
  農地保有合理化法人に対する補助金の交付 448,373千円 703,322千円
  全国農地保有合理化協会に対する補助金の交付 237,209千円 531,192千円
(就農支援資金)    
  都道府県に対する就農支援資金政府貸付金の貸付け 616,301千円 842,048千円
 「年度末所有農地等」の面積は国有財産台帳に登載されている面積である。

イ 農業経営安定勘定

 この勘定は、農業経営安定事業生産条件不利補正対策交付金及び農業経営安定事業収入減少影響緩和対策交付金の交付事業に関する経理を行うものである。

(ア) 歳入歳出決算

歳入 徴収決定済額(千円) 収納済歳入額(千円) 不納欠損額(千円) 収納未済歳入額(千円)
23年度 274,468,471 274,468,471
22年度 233,607,814 233,607,814
歳出 歳出予算現額(千円) 支出済歳出額(千円) 翌年度繰越額(千円) 不用額(千円)
23年度 272,990,214 152,225,834 120,764,379
22年度 233,041,332 142,969,065 84,279 89,987,987

 不用額の主なものは、農業経営安定事業費(歳出予算現額2717億3417万余円)の1197億0314万余円である。

(イ) 損益

区分 23年度(千円) 22年度(千円)
利益 196,119,090 163,547,419
(うち調整勘定より受入
94,678,646)

(うち調整勘定より受入
62,223,051)

損失 152,225,834 142,969,065
(うち農業経営安定事業費
152,031,022)

(うち農業経営安定事業費
142,713,558)

利益金 43,893,256 20,578,353
前年度繰越利益金 99,664,439 79,086,086
翌年度繰越利益金 143,557,696 99,664,439

(ウ) 主な業務実績

区分 23年度 (22年度)
認定農業者等に対する農業経営安定事業生産条件不利補正対策交付金の交付 145,676,744千円 128,262,436千円
認定農業者等に対する農業経営安定事業収入減少影響緩和対策交付金の交付 6,229,497千円 14,153,701千円

ウ 米管理勘定

 この勘定は、国内米の備蓄に伴う売買等及び輸入米の売買に伴う事業に係る経理を行うものである。

(ア) 歳入歳出決算

歳入 徴収決定済額(千円) 収納済歳入額(千円) 不納欠損額(千円) 収納未済歳入額(千円)
23年度 418,285,016 416,107,889 136,928 2,040,198
22年度 443,172,654 440,682,457 2,490,196
歳出 歳出予算現額(千円) 支出済歳出額(千円) 翌年度繰越額(千円) 不用額(千円)
23年度 603,671,752 408,521,734 228,143 194,921,874
22年度 722,106,286 420,284,050 18,138,023 283,684,211

 不用額の主なものは、返還金等他勘定へ繰入(歳出予算現額3765億9718万余円)の963億1532万余円、米買入費(同1422億1660万余円)の462億7792万余円及び米管理費(同448億5795万余円)の123億2862万余円である。

(イ) 損益

区分 23年度(千円) 22年度(千円)
利益 48,634,033 45,599,870
(うち売上高
46,367,445)

(うち売上高
40,965,024)

損失 132,775,430 154,951,102
(うち売上原価
101,458,111)

(うち売上原価
125,134,911)

(うち事業管理費
28,462,769)

(うち事業管理費
24,567,635)

損失金(損失金の処理) 84,141,397 109,351,231
(調整勘定へ移し整理) (調整勘定へ移し整理)

(ウ) 主な業務実績

区分   23年度 (22年度)
米穀 買入れ 98万t 66万t
売渡し 91万t 74万t
年度末在庫 178万t 176万t

エ 麦管理勘定

この勘定は、輸入麦等の売買等に伴う事業に係る経理を行うものである。

(ア) 歳入歳出決算

歳入 徴収決定済額(千円) 収納済歳入額(千円) 不納欠損額(千円) 収納未済歳入額(千円)
23年度 390,379,087 370,009,273 20,369,813
22年度 347,516,742 332,536,366 14,980,376
歳出 歳出予算現額(千円) 支出済歳出額(千円) 翌年度繰越額(千円) 不用額(千円)
23年度 574,191,500 366,303,218 207,888,282
22年度 549,298,733 317,250,932 10,656,829 221,390,970

 収納未済歳入額は全て麦売払代(徴収決定済額3896億6571万余円)の分である。また、不用額の主なものは、麦買入費(歳出予算現額3728億5357万余円)の1091億9157万余円及び返還金等他勘定へ繰入(同1208億1355万余円)の227億3882万余円である。

(イ) 損益

区分 23年度(千円) 22年度(千円)
利益 375,396,478 315,163,961
(うち食糧麦売上高
329,400,446)

(うち食糧麦売上高
284,298,705)

損失 365,198,722 310,181,577
(うち食糧麦売上原価
231,895,395)

(うち食糧麦売上原価
193,786,838)

(うち輸入飼料売上原価
46,058,225)

(うち輸入飼料売上原価
28,930,927)

利益金
(利益金の処理)
10,197,755 4,982,383
(調整勘定へ移し整理) (調整勘定へ移し整理)

(ウ) 主な業務実績

区分   23年度 (22年度)
麦類 買入れ 741万t 639万t
売渡し 741万t 723万t
年度末在庫 0万t 0万t
民間団体に対する食糧麦備蓄対策費補助金の交付 4,473,786千円 1,716,954千円

オ 業務勘定

 この勘定は、農業経営基盤強化勘定、農業経営安定勘定、米管理勘定及び麦管理勘定の各事業勘定に共通する事務人件費に係る経理を行うものである。

(ア) 歳入歳出決算

歳入 徴収決定済額(千円) 収納済歳入額(千円) 不納欠損額(千円) 収納未済歳入額(千円)
23年度 5,532,726 5,532,672 54
22年度 9,189,826 9,189,802 24
歳出 歳出予算現額(千円) 支出済歳出額(千円) 翌年度繰越額(千円) 不用額(千円)
23年度 6,128,653 5,532,672 595,981
22年度 12,002,062 9,189,763 38 2,812,259

(イ) 損益

区分 23年度(千円) 22年度(千円)
利益 6,050,562 9,221,675
(うち麦管理勘定より業務経費受入
5,145,948)

(うち麦管理勘定より業務経費受入
5,189,866)

損失 6,174,820 10,288,541
(うち事務取扱費
5,436,104)

(うち事務取扱費
8,449,601)

損失金(損失金の処理) 124,258 1,066,866
(調整勘定へ移し整理) (調整勘定へ移し整理)

カ 調整勘定

 この勘定は、各事業勘定が必要とする資金の手当(一般会計の受入、食糧証券の発行、各事業勘定で生じた決算剰余金の集約等による資金の調達と返済)を一括して行うとともに、米管理勘定、麦管理勘定及び業務勘定の損益を移し受けて整理する機能を有しているものである。

(ア) 歳入歳出決算

歳入 徴収決定済額(千円) 収納済歳入額(千円) 不納欠損額(千円) 収納未済歳入額(千円)
23年度 916,719,869 916,719,869
22年度 939,865,780 939,865,780
歳出 歳出予算現額(千円) 支出済歳出額(千円) 翌年度繰越額(千円) 不用額(千円)
23年度 1,256,833,203 865,298,161 391,535,041
22年度 1,438,843,684 911,365,970 527,477,713

 不用額は、主要食糧及輸入飼料買入費等財源他勘定へ繰入(歳出予算現額8374億8344万余円)の3034億3475万余円及び国債整理基金特別会計へ繰入(同4193億4976万余円)の881億0029万余円である。
 なお、特別会計に関する法律(平成19年法律第23号)第8条第2項の規定に基づき、23年度における収納済歳入額と支出済歳出額との差引額514億2170万余円のうち、24年度の予算総則第12条に定める金額230億3158万円を、24年度の一般会計の歳入に繰り入れることとされた。

(イ) 損益

区分 23年度(千円) 22年度(千円)
利益 94,942,751 62,579,796
(うち一般会計より受入
94,678,646)

(うち一般会計より受入
62,223,051)

損失 94,942,751 62,579,796
(うち農業経営安定勘定へ繰入
94,678,646)

(うち農業経営安定勘定へ繰入
62,223,051)

(ウ) 調整資金の増減額

区分 23年度(千円) 22年度(千円)
年度首資金 112,043,577 141,979,291
本年度受入額 85,000,000 75,500,000
本年度損失整理 △74,067,900 △105,435,714
損失整理後の現在額 122,975,676 112,043,577

(エ) 政府短期証券(食糧証券)の発行

区分 23年度(千円) 22年度(千円)
繰越債務額 331,000,000 352,000,000
本年度発行額 991,000,000 1,080,000,000
本年度償還額 1,046,000,000 1,101,000,000
年度末現在額 276,000,000 331,000,000

キ 国営土地改良事業勘定

この勘定は、未完了借入事業の工事に関する経理を行うものである。

(ア) 歳入歳出決算

歳入 徴収決定済額(千円) 収納済歳入額(千円) 不納欠損額(千円) 収納未済歳入額(千円)
23年度 57,302,650 56,894,567 408,083
22年度 79,890,010 79,890,010
歳出 歳出予算現額(千円) 支出済歳出額(千円) 翌年度繰越額(千円) 不用額(千円)
23年度 68,657,996 55,033,863 9,355,649 4,268,482
22年度 84,857,703 73,292,102 8,933,495 2,632,105

(イ) 借入金

区分 23年度末(千円) 22年度末(千円)
借入金現在額(財政融資資金) 46,101,364 41,289,195

(ウ) 主な業務実績

区分   23年度 (22年度)
かんがい排水事業   36地区 39地区
総合農地防災事業   2地区 3地区
農用地再編整備事業   1地区 1地区

 なお、この特別会計について検査した結果、不当事項3件((195)(203)(237) 参照)、意見を表示し又は処置を要求した事項1件 及び本院の指摘に基づき当局において改善の処置を講じた事項4件(4か所参照1  2  3  4 )を掲記した。