会計名及び科目 | 道路整備特別会計 (項)離島道路事業費 |
部局等の名称 | 島根県 |
補助の根拠 | 道路法(昭和27年法律第180号) |
事業主体 | 島根県 |
補助事業 | 隠岐郡西郷町一般国道485号特殊改良 |
補助事業の概要 | 道路の山側法面を保護するため、平成6年度に、モルタル吹付工、緑化工等を施工するもの |
事業費 | 23,978,400円 |
上記に対する国庫補助金交付額 | 11,989,200円 |
不当と認める事業費 | 11,390,000円 |
不当と認める国庫補助金交付額 | 5,695,000円 |
1 補助事業の概要
この補助事業は、島根県が、一般国道485号の特殊改良事業の一環として、隠岐郡西郷町大字都万目地区において、道路の山側法面を保護するため、平成6年度に、モルタル吹付工、緑化工等を工事費23,978,400円(国庫補助金11,989,200円)で実施したものである。
このうち、モルタル吹付工1,325m2
は、設計図書が等によると、法面を清掃した後、次のように施工することとしていた(参考図参照)
。
(ア) モルタル吹付層を補強するため、法面の全面に菱形金網(網目5cm×5cm)を布設する。金網は、吹き付けたモルタルの層のほぼ中央に位置するよう、100m2 当たり180箇所で、アンカーピン及びスペーサを使用して支持・固定する。
(イ) 地山からの湧水、雨水等を排水するため、水抜きパイプを3m2 に1個以上設置する。
(ウ) モルタルは、法面に直角に設置した検測ピンで吹付け厚さを確認しながら、圧縮空気を使用して厚さ10cm(以下「設計厚さ」という。)に吹き付ける。ただし、検査基準上許容される最小吹付け厚さ(以下「許容値」という。)は8cm、平均吹付け厚さは設計厚さ以上とする。
(エ) 吹付箇所に付着しないで周囲に飛び散ったはね返り材等は、モルタルの付着を害さないよう取り除く。
2 検査の結果
検査したところ、設置された水抜きパイプの長さがモルタル吹付けの設計厚さを下回っていた。このため、法面1,325m2 について44箇所を削孔して調査したところ、次のような状況となっていた。
(ア) モルタルの吹付け厚さが、許容値の8cm未満となっているものが33箇所(44箇所で平均吹付け厚さ6cm)あり、なかには1cmと著しく不足している箇所もあった。
(イ) 地山とモルタル吹付層との間に、はね返り材が残存していて、モルタルが地山に密着していないものが11箇所あった。
(ウ) 金網が地山に直接張り付いていたり、地山寄りに大きくずれていたりしているものが15箇所あった。
これは、施工に当たって、吹付け厚さの確認が十分でなかったり、はね返り材を十分取り除かなかったり、モルタル吹付け時に地山に張り付いていた金網を所定の位置に戻さずに吹き付けたりしていたなど、施工が粗雑であったことによると認められる。
このように、モルタル吹付工1,325m2
(工事費相当額11,390,000円)は、その施工が設計と著しく相違したものとなっていて、工事の目的を達しておらず、これに係る国庫補助金相当額5,695,000円が不当と認められる。