会計名及び科目 | 一般会計 (組織)農林水産本省 (項)食品流通等対策費 |
部局等の名称 | 農林水産本省 |
補助の根拠 | 予算補助 |
事業主体 | 財団法人甘味資源振興会 |
補助事業 | いもでん粉工場再編整備対策 |
補助事業の概要 | いもでん粉工場の再編整備を計画的に推進するため、平成8年度に、工場の廃業を実施する者に対して助成金を交付するもの |
助成金交付先 | (1) | いもでん粉製造業者 | (北海道) |
(2) | 同 | (宮崎県) |
助成金交付額 | (1) | 17,512,000円(国庫補助金相当額 同額) |
(2) | 15,007,000円(国庫補助金相当額 同額) | |
計 | 32,519,000円(国庫補助金相当額 同額) | |
不当と認める助成金交付額 | (1) | 10,709,699円 |
(2) | 11,631,678円 | |
計 | 22,341,377円 | |
補助の目的に沿わない国庫補助金相当額 | (1) | 10,709,699円 |
(2) | 11,631,678円 | |
計 | 22,341,377円 |
1 補助事業の概要
この補助事業は、「ウルグァイ・ラウンド農業合意関連対策大綱」(平成6年政府緊急農業農村対策本部決定)に基づき、でん粉の輸入関税化等に対処して、国内のいもでん粉工場の再編整備を計画的に推進し、国産いもでん粉の生産性の向上を図るため、平成7年度から12年度までの間の対策として、農林水産省が財団法人甘味資源振興会(以下「振興会」という。)に実施させているものである。その内容は、振興会が同省から交付を受けた補助金を原資として資金を造成し、いもでん粉の製造設備の合理化、工場の廃業等を行ういもでん粉製造業者(以下「製造業者」という。)に対して助成金を交付するものである。
この助成金の対象となる経費は、工場の廃業の場合、〔1〕 製造設備及び工場建物の廃棄・撤去時における評価額、〔2〕 製造設備及び工場建物の廃棄・撤去に要した経費等で、助成金の交付額は、助成対象経費の3分の1以内となっている。
そして、助成金の交付を受けようとする製造業者は、あらかじめ事業実施について振興会の承認を受けること、事業実施後に、助成金交付申請書に事業に要した経費を証明する書類等を添付して振興会に提出することとなっており、振興会は、当該申請の内容を審査するなどして助成金を交付することとなっている。
振興会では、8年度に、次のとおり2製造業者に対しそれぞれ助成金を交付している。
(1) 北海道所在の製造業者に対し、いもでん粉工場の廃業に伴い製造設備等を廃棄・撤去するのに必要な工事費及び製造設備等の廃棄・撤去時における評価額計52,538,065円を対象として、助成金17,512,000円(国庫補助金相当額 同額)を交付している。
(2) 宮崎県所在の製造業者に対し、いもでん粉工場の廃業に伴い製造設備等を廃棄・撤去するのに必要な工事費45,022,096円を対象として、助成金15,007,000円(国庫補助金相当額 同額)を交付している。
2 検査の結果
上記の助成金の交付について検査したところ、次のとおり、助成金が過大に交付されていると認められる。
(1) 北海道所在の製造業者は、助成対象のうち製造設備等の廃棄・撤去を工事費50,750,750円で実施したとしているが、この額は工事費を過大に計上したもので、実際は、これより低額な18,619,591円で実施していた。このため、適正な助成金額は6,802,301円となるので、本件助成金額との差額10,709,699円が過大な交付となっている。
(2) 宮崎県所在の製造業者は、製造設備等の廃棄・撤去を工事費45,022,096円で実施したとしているが、この額は工事費を過大に計上したもので、実際は、これより低額な10,125,968円で実施していた。このため、適正な助成金額は3,375,322円となるので、本件助成金額との差額11,631,678円が過大な交付となっている。
したがって、これら2製造業者に対する助成金計32,519,000円のうち22,341,377円の交付が不当と認められ、これに係る国庫補助金相当額22,341,377円が補助の目的に沿わない結果になっていると認められる。
これは、製造業者から事実と相違した内容の助成金交付申請書等が提出されていたこと、これに対する振興会の審査が適切でなかったことなどによるものである。