会計名及び科目 | 一般会計 (組織)農林水産本省 (項)農村整備事業費 |
部局等の名称 | 中国四国農政局 |
補助の根拠 | 予算補助 |
事業主体 | 広島県山県郡千代田町 |
補助事業 | 農業集落排水 |
補助事業の概要 | 農業集落排水施設を新設するため、平成7、8両年度に、管路施設工及び中継ポンプ施設工を施工するもの |
事業費 | 146,466,000円 |
上記に対する国庫補助金交付額 | 73,233,000円 |
不当と認める事業費 | 7,677,037円 |
不当と認める国庫補助金交付額 | 3,838,518円 |
1 補助事業の概要
この補助事業は、広島県山県郡千代田町が、農業集落排水事業の一環として、同町千代田中央地区に農業集落排水施設を新設するため、平成7、8両年度に、管路施設工及び中継ポンプ施設工を工事費146,466,000円(国庫補助金73,233,000円)で実施したものである。
このうち管路施設工は、公共ますから汚水処理施設まで汚水を流すため、道路下等に下水道用硬質塩化ビニール管等の管路を設置するものである。管路をアスファルトの舗装道路下に設置する場合には、掘削範囲の舗装版を切断してはぎ取り、土砂を掘削して下水道用硬質塩化ビニール管を布設し、土砂を埋め戻した後、舗装を復旧することとしている。
同町では、本件工事について、当初、舗装道路下に設置する管路の延長を1,143m、これに係る舗装面積を1,960m2
などと設計し、請負金額126,175,000円で契約していた。その後、2回の契約変更により、管路の延長を1,374mに、舗装面積を4,893m2
にそれぞれ増加させるなどして、請負金額を20,291,000円増額して146,466,000円としていた。
2 検査の結果
検査したところ、施工すべき数量として設計図面に基づいて算出され、工事費算定の基礎となる設計数量が、次のとおり、舗装面積について過大となっていた。
すなわち、第1回契約変更で追加した舗装面積のうち2,170m2
は、設計図面に基づくものではないのに、工事の進ちょくに伴い増加することが見込まれるものとして、それに係る工事費をあらかじめ増額しておくために追加した数量であった。そして、最終契約変更においても、設計数量の確認が十分でなかったため、この設計図面に基づかない舗装面積を設計数量に計上したままにしていた。さらに、施工の必要がなくなった舗装面積が30m2
あるのに、これを減じていなかったため、上記の舗装面積2,170m2
と合わせた2,200m2
は設計上施工すべき舗装面積を上回る過大なものとなっており、実際にも施工されていなかった。
したがって、設計図面に基づく適正な設計数量により工事費を修正計算すると、設計数量が舗装面積で2,200m2
過大になっているなどしていたため、本件工事費は7,677,037円割高となっており、これに係る国庫補助金相当額3,838,518円が不当と認められる。