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  • 平成13年度|
  • 第3章 個別の検査結果|
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  • 第11 国土交通省|
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補助金


(235) 流域関連公共下水道事業の実施に当たり、施工が設計と相違していたため、通水管の所要の安全度が確保されていない状態になっているもの

会計名及び科目 一般会計 (組織)国土交通本省 (項)都市計画事業費
部局等の名称 広島県
補助の根拠 下水道法(昭和33年法律第79号)
補助事業者
(事業主体)
広島県三原市
補助事業 三原市流域関連公共下水道事業
補助事業の概要 下水道の水管橋を新設するため、平成13年度に橋台、通水管等を施工するもの
事業費 24,878,700円
上記に対する国庫補助金交付額 12,439,350円
不当と認める事業費 10,296,000円
不当と認める国庫補助金交付額 5,148,000円

1 補助事業の概要

 この補助事業は、広島県三原市が、流域関連公共下水道事業の一環として、同市沼田東町地区の郷中川に下水道の水管橋(内径40cm、支間長10.15m)を新設するため、平成13年度に橋台2基の築造及びステンレス鋼製の通水管の製作、据付等を工事費24,878,700円(国庫補助金12,439,350円)で実施したものである。
 このうち、通水管は、「水管橋設計基準」(日本水道鋼管協会制定。以下「設計基準」という。)に基づき、温度変化による伸縮に対応できるよう設計を行っている。
 この設計計算書によると、通水管本体にはステンレス鋼を使用し、また、通水管の両端部を左右橋台のく体コンクリートで支持することから、管体内部に温度変化による応力が発生して管体が破損するのを防止するため、温度変化による最大伸縮量1.25cmに対応可能な伸縮可とう管を取り付ければ、構造上安全であるとしていた。
 そして、設計図書等によると、ステンレス鋼製の伸縮可とう管は、右岸側橋台のく体コンクリート内に設置することから、防護カバーを取り付けた後に、く体コンクリートを施工することとしていた(参考図参照)

2 検査の結果

 検査したところ、通水管の施工が次のとおり適切でなかった。
 すなわち、伸縮可とう管の外周部には防護カバーを取り付けることとしているのに、これを取り付けないまま橋台のく体コンクリートが施工されていた。その結果、伸縮可とう管はく体コンクリートと一体化していて伸縮できなくなっており、伸縮可とう管としての機能を果たしていない状態となっていた。
 そこで、両端が固定された状態で通水管の温度が上昇した場合に、管体内部に発生する軸方向圧縮応力度(注) を設計基準により算定すると178.8N/mm となり、許容軸方向圧縮応力度(注) 116N/mm を大幅に上回ることとなる。
 このような事態が生じていたのは、通水管の施工が設計と相違していたのに、これに対する同市の監督及び検査が適切でなかったことによると認められる。
 したがって、本件水管橋の通水管(工事費相当額10,296,000円)は、施工が設計と相違していて、所要の安全度が確保されていない状態になっており、これに係る国庫補助金相当額5,148,000円が不当と認められる。

 軸方向圧縮応力度・許容軸方向圧縮応力度 「軸方向圧縮応力度」とは、材の軸方向に圧縮力がかかったとき、材の内部に生じる力の単位面積当たりの大きさをいう。その数値が設計上許される上限を「許容軸方向圧縮応力度」という。

(参考図)

(参考図)

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