会計名及び科目 | 港湾整備特別会計(港湾整備勘定) (項)離島港湾事業費 |
部局等の名称 | 九州地方整備局(平成13年1月5日以前は運輸省第四港湾建設局) |
補助の根拠 | 奄美群島振興開発特別措置法(昭和29年法律第189号) |
補助事業者 (事業主体) |
鹿児島県大島郡瀬戸内町 |
補助事業 | 加計呂麻港改修(離島・地方) |
補助事業の概要 | 防波堤を築造するため、平成12年度にコンクリートブロックの製作、海上運搬及び仮置きを行うもの |
事業費 | 18,193,000円 |
上記に対する国庫補助金交付額 | 16,373,700円 |
不当と認める事業費 | 3,972,000円 |
不当と認める国庫補助金交付額 | 3,574,800円 |
1 捕助事業の概要
この補助事業は、鹿児島県大島郡瀬戸内町が、加計呂麻港における港湾改修事業の一環として防波堤を築造するため、平成12年度に、コンクリートブロック27個(1個当たり重量18.95tから28.47t)の製作、海上運搬及び加計呂麻港内の海上への仮置きを工事費18,193,000円(国庫補助金16,373,700円)で実施したものである。
上記工事費のうち、海上運搬・仮置工費については、鹿児島県制定の「土木工事標準歩掛」、「土木工事設計単価表」及び「建設機械等損料算定表」等(以下、これらを「設計単価表等」という。)に基づき、ブロックの製作現場のある篠川港から仮置現場のある加計呂麻港までの運搬を特記仕様書で指定して、クレーン付台船等の機械損料、労務費等の合計額からブロック1個当たりの単価を算出し、これにブロックの個数を乗じて3,328,468円と積算していた。また、ブロックの製作費については、設計単価表等に基づき、材料費、鋼製型枠の損料等の合計額から1個当たりの単価を算出し、これにブロックの個数を乗じて7,759,117円と積算していた。
2 検査の結果
検査したところ、ブロックの海上運搬・仮置工費等の積算が次のとおり適切でなかった。
すなわち、海上運搬・仮置工費は前記両港間の片道の海上運搬距離12.5kmによって積算すべきであるのに、誤って、往復の25kmとしたため、海上運搬距離が2倍となっていた。さらに、請負人より同町に、製作現場を篠川港から古仁屋港に変更する旨の報告があり、この変更により、海上運搬距離が7kmと短縮されるのに、同町では、工事途中において契約変更を行わず、当初契約どおりに施工されたものとして処理していた。
また、本件工事の積算に当たり適用する設計単価表等については、労務単価が一部減額されるなどの改定が行われていたにもかかわらず、誤って改定前の設計単価表等により積算をしていた。
したがって、正しい海上運搬距離、設計単価表等を適用することなどにより積算すると、ブロックの海上運搬・仮置工費は1,800,816円、ブロック製作費は7,010,794円となり、また、製作現場の変更に伴いクレーン付台船の回航費572,199円が不要となることから、差し引き3,040,489円が過大に積算されていた。
このような事態が生じていたのは、同町において、契約変更等に対する発注者としての認識が十分でなかったこと及び設計単価表等の適用に対する配慮が十分でなかったことなどによると認められる。
上記により工事費を修正計算すると、諸経費を含めた工事費総額は14,220,487円となり、本件工事費はこれに比べて3,972,000円割高となっており、これに係る国庫補助金相当額3,574,800円が不当と認められる。