この特別会計は、国が揮発油税の収入額に相当する金額等を財源に充てて行う道路整備事業に関する経理を一般会計と区分して行うため設置されていたものである。
なお、同特別会計は、特別会計に関する法律(平成19年法律第23号)により19年4月1日に廃止されたが、同法により、19年度の末日までの期間に限り暫定的に設置することとされていた。そして、19年度の末日において、同特別会計に所属していた権利及び義務は社会資本整備事業特別会計の道路整備勘定等又は一般会計に帰属するものとされた。
道路整備特別会計の19年度の歳入歳出決算及び主な業務実績は次のとおりである。
(ア)歳入歳出決算
|
||
区分
|
19年度
千円
|
(18年度)
千円
|
(歳入)
|
||
徴収決定済額
|
4,599,923,509
|
4,786,979,236
|
収納済歳入額
|
4,595,170,030
|
4,786,556,361
|
不納欠損額
|
157,913
|
143,711
|
収納未済歳入額
|
4,595,565
|
279,163
|
(歳出)
|
||
歳出予算現額
|
4,832,428,181
|
4,944,873,038
|
支出済歳出額
|
3,811,811,026
|
3,877,272,385
|
翌年度繰越額
|
989,511,097
|
1,019,137,287
|
不用額
|
31,106,056
|
48,463,365
|
翌年度繰越額の主なものは、道路事業費(歳出予算現額2兆1931億9204万余円)の5472億7692万余円、道路環境整備事業費(同8489億5703万余円)の1945億7336万余円及び地方道路整備臨時交付金(同8751億8589万余円)の1727億2109万余円である。また、不用額の主なものは、道路事業費の95億2022万余円、附帯工事費(同390億2621万余円)の93億5217万余円及び受託工事費(同274億7132万余円)の67億7423万余円である。
|
||
(イ)主な業務実績
|
||
区分
|
19年度
|
(18年度)
|
(直轄事業)
|
||
高速自動車国道の整備
|
11路線
|
11路線
|
一般国道の改築
(うち大規模バイパスの新設)
|
163路線
(59か所)
|
169路線
(59か所)
|
共同溝の整備
|
16路線
|
17路線
|
(補助事業)
|
||
一般国道の改築
|
286路線
|
293路線
|
地方道の改築
|
303か所
|
341か所
|
街路事業
|
615か所
|
675か所
|
土地区画整理事業
|
510か所
|
540か所
|
なお、この特別会計について検査した結果、「第3章 個別の検査結果」に「道路改築事業等の実施に当たり、落橋防止システムの設計が適切でなかったため、橋りょう上部工等の所要の安全度が確保されていない状態になっているもの 」、「土地区画整理事業等の実施において支障となる水道管等の移設補償費の算定に当たり、財産価値の減耗分を控除していなかったなどのため、補償費が過大となっているもの 」、「下水道事業等の実施に当たり、補助の対象となる事務費の算定が適切でなかったため、補助金が過大に交付されているもの 」、「街路事業の実施に当たり、設計及び施工が適切でなかったため、橋りょう等の所要の安全度が確保されていない状態になっているもの 」、「道路改築事業の実施に当たり、設計が適切でなかったため、橋台の胸壁等の所要の安全度が確保されていない状態になっているもの 」、「国庫補助事業に係る事務費の執行に当たり、虚偽の内容の関係書類を作成するなど不適正な経理処理を行って物品の購入等に係る需用費を支払ったり、補助の対象とならない用途に賃金や旅費を支払ったりしていたもの 」、「職員の不正行為による損害が生じたもの 」、「粉じんの発生を抑制する必要がある地盤改良工事の実施に当たり、工法の選定を適切なものとすることにより、経済的な設計を行うよう是正改善の処置を求めたもの 」、「トンネル工事の実施に当たり、集じん機の機種及び規格の選定を適切なものとすることにより、経済的な設計を行うよう是正改善の処置を求めたもの検査報告 」、「一般乗用旅客自動車乗車券の使用に当たり、使用規程に定められた所定の事項の遵守に努めて、使用状況が明確となるよう検討して、適切な管理等を行うよう意見を表示したもの 」、「道路整備特別会計における支出が適正かつ効率的に行われるよう意見を表示したもの 」、「高速道路料金を割引する社会実験に伴う高速道路株式会社の減収分を補てんする国の負担額の算定に当たり、その算定方法を明確にすることにより負担額が適切なものとなるよう改善させたもの 」及び「道路管理データベースシステムを効率的、効果的に運用するため、道路管理に必要な電気通信設備を確実に登録するよう改善させたもの 」を掲記した。