会計名及び科目 | 一般会計 (組織)農林水産本省 (項)農業経営対策費 |
部局等の名称 | 近畿農政局 |
補助の根拠 | 予算補助 |
補助事業者 | 和歌山県 |
間接補助事業者 (事業主体) |
和歌山県西牟婁郡上富田町 |
補助事業 | 小規模零細地域営農確立促進対策 |
補助事業の概要 | 小規模零細な農林家の経営規模の拡大等を図るため、平成13、14両年度に農道整備を行うもの |
事業費 | 80,000,000円 |
上記に対する国庫補助金交付額 | 53,333,000円 |
不当と認める事業費 | 8,576,000円 |
不当と認める国庫補助金交付額 | 5,717,477円 |
1 補助事業の概要
この補助事業は、和歌山県西牟婁郡上富田町が、小規模零細地域営農確立促進対策事業の一環として、小規模零細な農林家の経営規模の拡大等を図る上で必要な農道の整備を行うため、平成13、14両年度に、用地取得、農道新設工事等を事業費80,000,000円(国庫補助金53,333,000円)で実施したものである。
同町では、上記のうち農道新設工事(延長376.5m、幅員3.0m)を1工区及び2工区に分け、これら工区ごとの建設工事請負契約に当たり、予定価格を1工区25,596,000円、2工区17,655,000円と設定して、それぞれ19業者による指名競争入札に付し、1工区23,548,000円、2工区16,240,000円で入札した業者をそれぞれの落札者としていた。そして、上記の額に消費税相当額を加え、1工区24,725,400円、2工区17,052,000円で各業者と契約を締結していた。その後、追加工事等に伴う変更契約(1工区32,445,000円、2工区15,330,000円)を締結していた。
2 検査の結果
検査したところ、同町では、本件各契約の入札に当たり、それぞれ予定価格の90.90%に当たる1工区23,269,000円、2工区16,050,000円の最低制限価格を設定し、予定価格と最低制限価格の範囲内の最低価格である前記1工区23,548,000円(予定価格の91.99%)、2工区16,240,000円(同91.98%)で入札した業者を落札者としていた。そして、1工区においては19,197,000円(同75.00%)から23,100,000円(同90.24%)まで、2工区においては13,506,000円(同76.49%)から15,933,000円(同90.24%)までの額でそれぞれ入札した15業者を最低制限価格を下回ったことから、失格として排除していた。
しかし、本件契約は指名競争入札によっており、同町では、資力、信用、能力等を十分審査し、契約の内容に適合した履行が十分期待できる業者を選定して入札に参加させていた。
したがって、予定価格の90.90%という高率な最低制限価格を設定し、これを下回る価格で入札した業者を排除したことは、競争契約における競争の利益を阻害するもので、適切とは認められない。、
このような事態が生じていたのは、同町において契約における競争の利益の確保についての認識が十分でなかったこと、同町に対する和歌山県の指導が十分でなかったことなどによると認められる。
そして、本件工事において、最低価格で入札した業者と契約したとすれば、変更契約による増減を考慮した契約額は、1工区26,450,000円、2工区12,749,000円、計39,199,000円となり、本件契約額はこれらに比べて1工区5,995,000円、2工区2,581,000円、計8,576,000円割高となっており、これに係る国庫補助金相当額5,717,477円が不当と認められる。