平成１７年度決算検査報告
会計名及び科目
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港湾整備特別会計(港湾整備勘定) (項)港湾事業費
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部局等の名称
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北陸地方整備局
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補助の根拠
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港湾法（昭和25年法律第218号)
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補助事業者
（事業主体）
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福井県
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補助事業
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敦賀港港湾改修
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補助事業の概要
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昭和56年度に実施された漁業権等の消滅等に対する先行補償について、平成15年度に当該補償に要した費用を支払うもの
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事業費
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44,625,745円
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上記に対する国庫補助金交付額
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22,312,872円
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不当と認める事業費
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18,323,767円
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不当と認める国庫補助金交付額
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9,161,883円
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この補助事業は、福井県（一般会計）が、平成１５年度に、同県港湾整備事業特別会計に対し、同特別会計の行った損失補償７１１，０００，０００円のうち、敦賀港臨港道路４号線に係る分に要した費用４４，６２５，７４５円（国庫補助金２２，３１２，８７２円）を支払ったものである。
当該損失補償７１１，０００，０００円は、同特別会計が、昭和５６年度に、同港鞠山南（まりやまみなみ）地区等で実施する港湾改修事業に係る漁業権等の消滅又は制限に対する損失を補償するため、当該港湾改修事業の実施に先行して漁業権者である敦賀市漁業協同組合に対し行ったものである。
この漁業権等の消滅又は制限に対する損失補償については、「港湾関係国庫補助事業（公共土木施設災害復旧事業費国庫負担法に基づくものを除く。）の施行に伴う漁業権等の先行補償の取扱いについて」（昭和４７年港管第７６１号港湾局長通達）等により行うこととされている。これによれば、地方公共団体、公社、協会等の法人は、漁業権者から一括全面補償要求があった場合等に、事業実施に先行して補償（以下「先行補償」という。）を行うことができることとされている。そして、港湾事業等の事業者は、当該事業に着手する場合には、先行補償を行った者に対し、当該事業実施区域に係る先行補償費、先行補償のための事務費及びこれらの費用に有利子の資金が充てられた場合の利子支払額の合計額を支払うこととされている。
同県は、前記の港湾改修事業の実施に当たり敦賀市漁業協同組合から一括全面補償要求を受けたことから、同特別会計が、上記の通達等に基づき、昭和５７年３月、同組合に対し７１１，０００，０００円を先行補償していた。そして、この補償費のうち４７７，０００，０００円は金融機関等から借り入れたものであった。
本件補助事業について、補償費相当額算定調書、利子支払額計算表等により検査したところ、利子支払額の算定が、次のとおり適切でなかった。
同県は、前記の先行補償費７１１，０００，０００円のうち臨港道路４号線に係る先行補償費１７，４５３，９２２円に、前記の借入金４７７，０００，０００円と先行補償費７１１，０００，０００円との比率を乗じて、利子の計算の対象となる元金相当額を１１，７０９，５９３円と算定していた。そして、これに係る利子支払額については、元金相当額を借入期間（１０年〜２０年）中は全く返済することなく据え置き６箇月複利で利子が増加するものとして、２７，０４９，０８１円と算定していた。
しかし、同特別会計は、実際には、定められた支払期日ごとに借入金の元金及び利子を支払っており、このため、償還期限の平成１４年３月までに実際に支払われた利子の額は８，７２５，３１４円にすぎず、利子支払額が過大に算定されていた。
このような事態が生じていたのは、同県において、先行補償に係る利子支払額の算定に対する基本的な理解が十分でなかったことによると認められる。
したがって、実際の利子支払額に基づき先行補償に要した費用を適正に算定すると２６，３０１，９７８円となり、前記の４４，６２５，７４５円との差額１８，３２３，７６７円が過大となっており、これに係る国庫補助金相当額９，１６１，８８３円が不当と認められる。