会計名及び科目 | 道路整備特別会計 (項)道路事業費 |
部局等の名称 | 青森県 |
補助の根拠 | 道路法(昭和27年法律第180号) |
補助事業者 (事業主体) |
青森県 |
補助事業 | 一般国道101号道路改築 |
補助事業の概要 | 一般国道のバイパスを新設するため、平成14、15両年度に、護岸工、消波工等を施工するもの |
事業費 | 147,532,350円 |
上記に対する国庫補助金交付額 | 81,142,792円 |
不当と認める事業費 | 5,111,000円 |
不当と認める国庫補助金交付額 | 2,811,050円 |
1 補助事業の概要
この補助事業は、青森県が、一般国道101号道路改築事業の一環として、西津軽郡深浦町田野沢地内において、バイパスを新設するため、平成14、15両年度に、護岸工、消波工、土工等を工事費147,532,350円(国庫補助金81,142,792円)で実施したものである。
上記の事業は、工事施工以前には海岸であった場所に、護岸工として高さ3mの護岸(延長150.9m)を築造し、その前面に消波工として消波ブロック(6t)を723個据え付け、護岸の背面に道路の路体盛土工を施工するなどするものである。
同県では、工事費の積算に当たり、同県制定の土木工事標準積算基準書(以下「積算基準」という。)等により、上記工事の直接工事費を算定し、共通仮設費及び現場管理費の算定に当たっては、本件工事が道路を築造するために土工等を施工することから、工種に対応した工種区分として「道路改良工事」を選定し、これにより共通仮設費率を10.27%、現場管理費率を21.13%と算出していた。そして、直接工事費にこれらを乗ずるなどして共通仮設費及び現場管理費を算定し、一般管理費等を加えて、工事費を積算していた。
2 検査の結果
検査したところ、本件工事費の積算が次のとおり適切でなかった。
すなわち、積算基準によれば、工種区分は、工事名にとらわれることなく工種によって適切に選定することとされ、道路を築造する工事であっても、海岸で行われる工事で、護岸工、消波根固工等が主たる工種である場合には「海岸工事」を選定することとされている。そして、本件工事は、護岸工費及び消波工費が直接工事費の大部分を占めるものであることから、工種区分として「海岸工事」を適用すべきであった。
したがって、本件工事の工種区分を「海岸工事」とすると、共通仮設費率は8.86%、現場管理費率は15.84%となって、工種区分を「道路改良工事」とした場合の率を大幅に下回ることとなり、工事費は141,607,015円となる。
このような事態が生じていたのは、同県において、積算基準に示されている工種区分についての理解が十分でなかったこと及び積算内容に対する審査が十分でなかったことによると認められる。
上記により、本件工事費を修正計算すると、積算過小となっていた切土工におけるダンプトラック運搬費572,000円を考慮しても、工事費総額は142,421,030円となり、本件工事費はこれに比べて5,111,000円割高となっており、これに係る国庫補助金相当額2,811,050円が不当と認められる。