会計名及び科目 | 道路整備特別会計 (項)道路事業費 |
部局等の名称 | 千葉県 |
補助の根拠 | 道路法(昭和27年法律第180号) |
補助事業者 (事業主体) |
千葉県 |
補助事業 | 一般国道126号山武東総道路国道道路改築(その2) |
補助事業の概要 | 一般国道を改築するため、平成14年度に高架橋(鋼橋上部工、橋台・橋脚下部工、橋台・橋脚基礎工等)の詳細設計業務を行うもの |
事業費 | 87,150,000円 |
上記に対する国庫補助金交付額 | 47,932,500円 |
不当と認める事業費 | 4,431,000円 |
不当と認める国庫補助金交付額 | 2,437,050円 |
1 補助事業の概要
この補助事業は、千葉県が、一般国道126号山武東総道路国道道路改築(その2)事業の一環として、平成14年度に、取立高架橋の鋼橋上部工等の詳細設計等業務(以下「詳細設計業務」という。)を事業費87,150,000円(国庫補助金47,932,500円)で実施したものである。
同県では、本件詳細設計業務の直接人件費については、同県制定の積算基準「計画調査編」に基づき、次のとおり積算していた。
〔1〕 鋼橋上部工の設計については、本件橋りょうが橋長481mの12径間連続PC床版鋼2主桁橋として、橋長補正式により算出するなどした補正係数3.9を標準歩掛によって得られる直接人件費に乗じて15,585,570円と積算していた。
〔2〕 橋脚下部工の設計については、橋脚が逆T式として、11橋脚のうち上部反力等が同一である5橋脚を1橋脚とみなし、残りの6橋脚と併せた7橋脚分を基に算出した補正係数を標準歩掛によって得られる直接人件費に乗じて2,564,000円と積算していた。
〔3〕 橋台・橋脚基礎工の設計については、場所打杭として、標準歩掛によって得られる直接人件費を橋台基礎工の場所打杭2基680,100円、橋脚基礎工の場所打杭11基3,612,800円、計4,292,900円と積算していた。
そして、上記〔1〕から〔3〕までの直接人件費22,442,470円に関連施設設計等の直接人件費を加えて計29,021,542円と積算していた。
その後、同県では、本件詳細設計業務の対象となる設計内容を次のとおり変更していた。
〔1〕 鋼橋上部工の設計については、12径間連続PC床版鋼2主桁橋から8径間連続PC床版鋼2主桁橋と4径間連続PC床版鋼2主桁橋に変更していた。
〔2〕 橋脚下部工の設計については、逆T式から張出式に変更していた。
〔3〕 橋台・橋脚基礎工の設計については、場所打杭から鋼管杭に変更していた。
2 検査の結果
検査したところ、詳細設計業務費の積算が次のとおり適切でなかった。
すなわち、同県では、本件詳細設計業務の対象となる設計内容を前記のとおり大幅に変更していたのに、これに対応した積算の見直しを行っていなかった。
したがって、変更した詳細設計業務の内容に対応した直接人件費を改めて積算すると次のとおりとなる。
〔1〕 鋼橋上部工の設計については、補正係数2.86を標準歩掛によって得られる直接人件費に乗じると11,429,418円となる(なお、当初の積算に用いた補正係数3.9は誤りであった。)。
〔2〕 橋脚下部工の設計については、11橋脚の上部反力がそれぞれ異なっているため、すべての橋脚を基に算出した補正係数を標準歩掛によって得られる直接人件費に乗じると5,413,600円となる。
〔3〕 橋台・橋脚基礎工の設計については、標準歩掛によって得られる直接人件費が橋台基礎工2基574,260円、橋脚基礎工11基2,936,000円、計3,510,260円となる。
そして、上記〔1〕から〔3〕までの直接人件費は20,353,278円となり、これに関連施設設計等の直接人件費を加えると、その他積算過小となっていた動的解析費を考慮しても、計27,268,081円となり、当初の直接人件費29,021,542円はこれに比べて1,753,461円過大に積算されていた。
このような事態が生じていたのは、同県において、高架橋の設計内容を大幅に変更しているのに、その対応が十分でなかったことなどによると認められる。
上記により、本件事業費を修正計算すると、諸経費及び技術経費等を含めた事業費総額は82,719,000円となり、本件事業費はこれに比べて4,431,000円割高となっており、これに係る国庫補助金相当額2,437,050円が不当と認められる。