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  • 平成13年度|
  • 第3章 個別の検査結果|
  • 第1節 省庁別の検査結果|
  • 第9 農林水産省|
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補助金


(204) 経営体質強化施設整備事業による特定高性能農業機械の導入に当たり、機械の利用面積が審査基準の下限面積を下回っていて、補助の対象とならないもの

会計名及び科目 一般会計 (組織)農林水産本省 (項)農業経営対策費
部局等の名称 東北農政局
補助の根拠 予算補助
補助事業者 宮城県
間接補助事業者 宮城県桃生郡河北町
間接補助事業者
(事業主体)
河北農業協同組合(平成13年9月1日以降は「いしのまき農業協同組合」)
補助事業 経営体質強化施設整備
補助事業の概要 地域農業の担い手の育成・確保を図るため、農業経営の規模拡大等を促進するために必要な特定高性能農業機械を平成12、13両年度に導入し、地域の生産組織にリースを行うもの
事業費 123,729,585円
上記に対する国庫補助金交付額 58,918,000円
不当と認める事業費 19,803,000円
不当と認める国庫補助金交付額 9,429,723円

1 補助事業の概要

 この補助事業は、河北農業協同組合(平成13年9月1日以降は「いしのまき農業協同組合」)が、経営体質強化施設整備事業の一環として、地域農業の担い手の育成・確保を図るため、農業経営の規模拡大等を促進するために必要な水稲用自脱型コンバイン(以下「水稲用コンバイン」という。)等の特定高性能農業機械(注) (以下「高性能機械」という。)を導入して、これを地域の11生産組織にリースする事業である。そして、同組合は、12年度に、事業費25,497,885円(国庫補助金12,141,000円)で水稲用コンバイン2台及びトラクタ1台を、13年度に、事業費98,231,700円(国庫補助金46,777,000円)で水稲用コンバイン9台、田植機2台及びトラクタ2台を導入し、上記の11生産組織にそれぞれリースしていた。
 補助事業により高性能機械を導入するに当たっては、「補助事業により導入する農業機械に係る審査の適正化等について」(昭和60年60農蚕第1947号構造改善局長等通知)により、都道府県知事が策定した高性能機械の導入に関する計画に定めた機種別、類別ごとの利用規模の下限面積(以下「下限面積」という。)を審査の基準とし、既導入機械の有効利用を図るためにその利用面積を考慮して新たに導入する機械の利用面積を算定することとなっている。
 同組合では、12、13両年度に導入した水稲用コンバイン計11台の利用面積を、11生産組織ごとに、利用計画面積から既に導入していた水稲用コンバインの下限面積に相当する面積を控除するなどして算定していた。そして、1台当たりの利用面積が11台のうちの1台(刃幅1.4m)は、11.0ha、10台(刃幅1.65mから1.98m)は、15.1haから29.3haとなることから、いずれもその下限面積である10ha又は15haを上回るとしていた。

2 検査の結果

 検査したところ、水稲用コンバインの利用面積の算定が次のとおり適切ではなかった。
 同組合では、本件補助事業において利用面積の算定上考慮した既導入の水稲用コンバインとは別に、転作作物である麦又は大豆の収穫作業用として、汎用性のある普通型コンバイン(以下「汎用コンバイン」という。)を9年度及び11年度の国庫補助事業により計3台導入していた。そして、このうち2台については、本件補助事業において水稲用コンバインのリース先となった前記11生産組織のうちの2生産組織にそれぞれ1台ずつ既にリースしていたが、これら2台の汎用コンバインについては、前記の利用面積の算定上考慮していなかった。
 しかし、これら2台の汎用コンバインは、6月上旬から下旬までは麦の収穫に、10月下旬から11月上旬までは大豆の収穫に利用されていて、9月下旬から10月上旬までの水稲の収穫時期と重複することがなく、機能的にも水稲の収穫に利用できるのであるから、利用面積の算定上考慮すべきであったと認められる。
 したがって、既に導入していた汎用コンバインの利用面積を考慮して、前記の2生産組織に係る水稲用コンバイン2台(刃幅1.65m及び1.85m)の利用面積を算定すると、5.1ha及び10.7haとなり、下限面積15haを下回ることから、本件補助事業の対象とは認められない。
 このような事態が生じていたのは、同組合において、既導入機械の有効利用を図るという認識に欠けていたこと、宮城県及び河北町において、本件補助事業の審査、確認及び同組合に対する指導が十分でなかったことなどによると認められる。
 したがって、前記の2生産組織に導入された水稲用コンバイン2台を補助の対象外として適正な事業費を計算すると、計103,926,585円(国庫補助金相当額計49,488,277円)となり、交付された国庫補助金との差額計9,429,723円が不当と認められる。

特定高性能農業機械 刃幅が0.8m以上のコンバイン、乗用型田植機等農業経営の改善のために計画的に導入を促進する必要があり、農業機械化促進法施行令(昭和40年政令第209号)で定める農業機械

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