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補助金


(228)−(231)  経営体質強化施設整備事業等の実施に当たり、仕入税額控除した消費税額に係る補助金を返還していないもの

会計名及び科目
一般会計
(組織)農林水産本省
(項)牛肉等関税財源畜産振興費
(項)農業経営対策費
(項)農村振興費
(項)農業・食品産業強化対策費
部局等
九州農政局
補助の根拠
予算補助
補助事業者
3県
間接補助事業者
3市町
間接補助事業者
(事業主体)
(1)
(2)
(3)
(4)
有限会社駒城
有限会社由布院ワイナリー
一ツ瀬園芸組合
丸一園芸組合
補助事業
(1)
(2)
(3)
(4)
家畜排せつ物利活用施設整備
経営体質強化施設整備等
輸入急増農産物対応特別対策
農業・食品産業強化対策整備
補助事業の概要
(1)
家畜排せつ物等有機性資源の再生資源としての有効利用等を促進することにより、環境と調和のとれた資源循環型農業を推進するため、堆肥舎等を整備するもの
(2)
農業経営の規模拡大及び農産物の高付加価値化を図るため、ぶどう加工場の整備等を行うもの
(3)
輸入品との競争にも耐えうる野菜産地を形成するなどのため、野菜栽培用の温室施設を設置するもの
(4)
高品質で付加価値の高い野菜の生産・供給等を行い、産地の競争力の強化を行うため、野菜栽培用の温室施設を設置するもの
事業費
(1)
(2)
(3)
(4)
78,166,500円
380,862,090円
127,483,650円
159,673,500円
746,185,740円
(平成16年度)
(平成12、13両年度)
(平成17年度)
(平成17年度)
上記に対する国庫補助金交付額
(1)
(2)
(3)
(4)
39,083,000円
190,312,000円
63,741,000円
79,836,000円
372,972,000円
 
不当と認める事業費
(1)
(2)
(3)
(4)
3,722,214円
18,136,288円
4,386,141円
5,103,907円
31,348,550円
(平成16年度)
(平成12、13両年度)
(平成17年度)
(平成17年度)
不当と認める国庫補助金交付額
(1)
(2)
(3)
(4)
1,861,095円
9,062,345円
2,193,024円
2,551,900円
15,668,364円
(平成16年度)
(平成12、13両年度)
(平成17年度)
(平成17年度)

1 補助事業の概要

(1) 補助事業の概要

 これらの補助事業は、次のとおり、施設等を整備するなどしたものである。

補助事業名
補助事業の概要
(1)家畜排せつ物利活用施設整備
家畜排せつ物等有機性資源の再生資源としての有効利用等を促進することにより、環境と調和のとれた資源循環型農業を推進するため、堆肥舎等を整備するもの
(2)経営体質強化施設整備等
農業経営の規模拡大及び農産物の高付加価値化を図るため、農畜産物処理加工施設としてぶどう加工場の整備等を行うもの
(3)輸入急増農産物対応特別対策
輸入品との競争にも耐えうる野菜産地を形成するなどのため、野菜栽培用の温室施設を設置するもの
(4)農業・食品産業強化対策整備
高品質で付加価値の高い野菜の生産・供給等を行い産地の競争力の強化を行うため、野菜栽培用の温室施設を設置するもの

 そして、事業主体は、これらの補助事業を消費税(地方消費税を含む。以下同じ。)を含め、事業費計746,185,740円(国庫補助金計372,972,000円)で実施している。

(2) 補助事業における消費税の取扱い

 消費税は、事業者が課税対象となる取引を行った場合に納税義務が生じるが、生産、流通の各段階で重ねて課税されないように、確定申告において、課税売上高に対する消費税額から課税仕入れに係る消費税額を控除(以下、この控除を「仕入税額控除」という。)する仕組みが採られている。
 そして、補助事業の事業主体が補助対象の施設等を取得することも課税仕入れに該当し、上記の仕組みにより確定申告の際に補助事業で取得した施設等に係る消費税額を仕入税額控除した場合には、事業主体は当該施設等に係る消費税額を実質的に負担していないことになる。
 また、事業主体が、民法(明治29年法律第89号)上の組合契約による組合(以下「民法上の組合」という。)の場合には、民法上の組合を構成する事業者にその持分等に応じて納税義務が生じることとなることから、上記と同様に、事業者が持分等に応じた課税仕入れに係る消費税額を仕入税額控除した場合、事業者は当該消費税額を実質的に負担していないことになり、事業主体である民法上の組合も同様に負担していないことになる。
 このため、補助事業の事業主体は、「農業経営対策事業費補助金等交付要綱」(平成12年12構改B第350号農林水産事務次官依命通知)等により、実績報告書の提出に当たり仕入税額控除した消費税額に係る補助金の額が明らかな場合には、これに相当する額を減額して報告しなければならないこと、また、実績報告書の提出後に消費税の申告をして仕入税額控除した消費税額に係る補助金の額が確定したときには、その金額を速やかに報告するとともに、当該金額を返還しなければならないこととなっている。

2 検査の結果

 本院は、3県、3市町及び4事業主体において、合規性等の観点から、事業の経理等は適正に実施されているかなどに着眼して会計実地検査を行った。そして、前記の補助事業について、実績報告書等の書類により検査したところ、上記の4事業主体では、消費税の確定申告等を行い、補助事業に係る消費税額計31,348,550円を仕入税額控除するなどして消費税の還付を受けていた。
 しかし、上記の仕入税額控除した消費税額計31,348,550円に係る補助金の額計15,668,364円を報告、返還しておらず、不当と認められる。
 このような事態が生じていたのは、事業主体において、補助事業における消費税の取扱いについての理解が十分でなかったこと、県及び市町において、本件補助事業の消費税の取扱いについての指導及び確認が十分でなかったことなどによると認められる。
 これを、補助事業者別、間接補助事業者別に示すと次のとおりである。

 
補助事業者
間接補助事業者
間接補助事業者
(事業主体)
補助事業
年度
事業費
左に対する国庫補助金
不当と認める事業費
不当と認める国庫補助金
 
 
 
 
 
 
(228)
 熊本県
上益城郡御船町
有限会社駒城
家畜排せつ物利活用施設整備
16
78,166,500
39,083,000
3,722,214
1,861,095

 上記の会社では、本件補助事業を消費税を含め、事業費78,166,500円(国庫補助金39,083,000円)で実施して、平成17年4月に御船町に実績報告書を提出し、これにより国庫補助対象事業費の精算を受けていた。
 そして、同会社は17年10月に消費税の確定申告を行い、本件補助事業に係る消費税額3,722,214円を仕入税額控除し、同年同月に消費税の還付を受けていた。
 しかし、同会社では、上記の仕入税額控除した消費税額3,722,214円に係る補助金の額1,861,095円を報告、返還していなかった。

(229)
 大分県
大分郡湯布院町
有限会社由布院ワイナリー
経営体質強化施設整備等
12、13
380,862,090
190,312,000
18,136,288
9,062,345

 上記の会社では、本件補助事業を消費税を含め、事業費計380,862,090円(国庫補助金計190,312,000円)で実施して、平成13年10月及び14年4月に湯布院町に実績報告書を提出し、これにより国庫補助対象事業費の精算を受けていた。
 そして、同会社は14年9月に消費税の確定申告を行った後、15年5月に消費税の更正の請求を行って、本件補助事業に係る消費税額18,136,288円を仕入税額控除し、同年同月に税務署の更正通知を受け、同年6月に消費税の還付を受けていた。
 しかし、同会社では、上記の仕入税額控除した消費税額18,136,288円に係る補助金の額9,062,345円を報告、返還していなかった。

(230)
 宮崎県
西都市
一ツ瀬園芸組合
輸入急増農産物対応特別対策
17
127,483,650
63,741,000
4,386,141
2,193,024

 上記の組合では、本件補助事業を消費税を含め、事業費127,483,650円(国庫補助金63,741,000円)で実施して、平成17年8月に西都市に実績報告書を提出し、これにより国庫補助対象事業費の精算を受けていた。
 そして、同組合は民法上の組合に該当することから、同組合を構成する個人事業者8名が18年3月に消費税の確定申告を行い、個人事業者8名のうち、簡易課税制度(注) の適用を選択した1名を除いた7名は、本件補助事業に係る消費税額計4,386,141円を仕入税額控除し、同年5月に消費税の還付を受けていた。
 しかし、同組合では、上記の仕入税額控除した消費税額計4,386,141円に係る補助金の額2,193,024円を報告、返還していなかった。

 簡易課税制度  実際の課税仕入れに係る消費税額にかかわらず、課税売上高に対する消費税額に業種ごとに定められた率を乗じて得られた金額を課税仕入れに係る消費税額とみなして納付税額を計算する方法


(231)
 宮崎県
西都市
丸一園芸組合
農業・食品産業強化対策整備
17
159,673,500
79,836,000
5,103,907
2,551,900

 上記の組合では、本件補助事業を消費税を含め、事業費159,673,500円(国庫補助金79,836,000円)で実施して、平成18年4月に西都市に実績報告書を提出し、これにより国庫補助対象事業費の精算を受けていた。
 そして、同組合は民法上の組合に該当することから、同組合を構成する個人事業者6名のうち、納税義務のない1名を除いた5名が実績報告書提出前の18年3月に消費税の確定申告を行っていた。また、上記消費税の確定申告を行っていた個人事業者5名のうち、簡易課税制度の適用を選択した1名を除いた4名は、本件補助事業に係る消費税額計5,103,907円を仕入税額控除し、同年5月に消費税の還付を受けていた。
 しかし、同組合では、上記の仕入税額控除した消費税額計5,103,907円に係る補助金の額2,551,900円を実績報告書において減額して報告しておらず、また、返還していなかった。

(228)−(231) の計
 
 
 
 
 
746,185,740
372,972,000
31,348,550
15,668,364

補助金 | 平成18年度決算検査報告 | 1

補助金 | 平成18年度決算検査報告 | 2

補助金 | 平成18年度決算検査報告 | 3

補助金 | 平成18年度決算検査報告 | 4

補助金 | 平成18年度決算検査報告 | 5

補助金 | 平成18年度決算検査報告 | 6

補助金 | 平成18年度決算検査報告 | 7

補助金 | 平成18年度決算検査報告 | 8

補助金 | 平成18年度決算検査報告 | 9

補助金 | 平成18年度決算検査報告 | 10

補助金 | 平成18年度決算検査報告 | 11

補助金 | 平成18年度決算検査報告 | 12

補助金 | 平成18年度決算検査報告 | 13

補助金 | 平成18年度決算検査報告 | 14

補助金 | 平成18年度決算検査報告 | 15

補助金 | 平成18年度決算検査報告 | 16

補助金 | 平成18年度決算検査報告 | 17

補助金 | 平成18年度決算検査報告 | 18

補助金 | 平成18年度決算検査報告 | 19