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補助金


(217)  果樹共済事業の実施に当たり、虚偽の申込みに対する引受けが行われていて、共済掛金国庫負担金等が過大に交付されているもの

会計名及び科目
(1)
 
(2)
一般会計
 
農業共済再保険特別会計(果樹勘定)
(組織)農林水産本省
(項)農業保険費
 
(項)農業共済組合連合会等交付金
部局等
農林水産本省
国庫負担の根拠
農業災害補償法(昭和22年法律第185号)
補助事業者
(1)
山形県
間接補助事業者
(事業主体)
(1)-1
(1)-2
置賜農業共済組合(平成12年3月31日に旧西置賜農業共済組合と合併)
山形県農業共済組合連合会
補助事業者
(事業主体)
(2)
山形県農業共済組合連合会、置賜農業共済組合
国庫負担対象事業
果樹共済(ぶどう)
国庫負担対象事業の概要
(1)
農業共済組合等及び農業共済組合連合会の行う共済事業及び保険事業に関する事務の執行に必要な費用を平成12年度に負担するもの
(2)
果樹共済事業(ぶどう)を行うに当たり、農業共済組合員等が農業共済組合等に対し支払うべき共済掛金の一部に充てるため、平成11年度に農業共済組合等に交付するもの
上記に係る事務費国庫負担金
(1)-1
(1)-2
286,386,000円
149,691,000円
436,077,000円
 
上記に係る共済掛金国庫負担金
(2)
2,826,535円
 
不当と認める事務費国庫負担金
(1)-1
(1)-2
212,000円
37,000円
249,000円
 
不当と認める共済掛金国庫負担金
(2)
503,617円
 

1 果樹共済事業の概要

 果樹共済事業は、農業災害補償制度(後掲「農業災害補償制度(農作物共済)の運営に当たり、国がその一部を負担している共済掛金から生ずる多額の剰余の発生を防止するなどして、制度をより適切に運営するよう意見を表示したもの」 参照)の一環として、ぶどう、りんご、なし等の果樹を対象とし、暴風雨、凍傷等の災害により被害を受けた農業者の損失を補てんするために実施されているものである。
 そして、市町村などの各地域ごとに設立される農業共済組合又は市町村(以下「組合等」という。)は、農業共済組合員又は市町村との間に共済関係の存する者(以下、これらの者を「組合員等」という。)に対して支払う共済金の支払責任の一部を都道府県ごとに設立される農業共済組合連合会(以下「連合会」という。)の保険に付し、連合会は、組合等に対して支払う保険金の支払責任の一部を国の再保険に付することとなっている。
 また、国は、組合員等の負担軽減を図るため、組合員等が組合等に支払うべき共済掛金の一部を共済掛金国庫負担金(以下「掛金負担金」という。)として負担している。そして、掛金負担金の交付事務の合理化を図るため、国は、掛金負担金から徴収すべき再保険料を差し引いた額(以下「掛金交付金」という。)を連合会に交付することができるなどとされている。
 果樹共済の共済関係は、組合員等が組合等に対して共済責任期間開始前の共済規程等で定める期間内に申込みをし、組合等がこれを引き受けることによって成立することとなっている。
 また、国は、毎会計年度予算の範囲内において、組合等及び連合会の行う共済事業及び保険事業に関する事務費に対し、その共済事業及び保険事業の事業規模等に応じて農業共済事業事務費負担金(以下「事務費負担金」という。)を交付することとなっている。
 山形県管内の置賜農業共済組合(以下「組合」という。平成12年3月31日に旧西置賜農業共済組合と合併。)では、11年度に、果樹共済事業のうち、収穫共済(注1) に係る減収暴風雨方式(注2) 及び減収凍霜害方式(注3) において、ぶどう261戸(引受面積14,092a)を共済の対象として引き受けている。この共済に係る共済掛金は5,653,074円で、このうち国の掛金負担金は2,826,535円となっている。そして、前記のとおり、再保険料を差し引いて交付することとなっていることから、国は山形県農業共済組合連合会(以下「県連合会」という。)に対し、1,294,833円の掛金交付金を交付している。
 また、組合及び県連合会に対しては、12年度に事務費負担金がそれぞれ286,386,000円及び149,691,000円交付されている。

 収穫共済  果樹の永年性作物としての特性にかんがみ、年々の果実の減収による損害を対象とするもので、果樹共済の種類としては、他に、将来にわたって果実を生む資産としての樹体そのものの損害を対象とする樹体共済がある。
 減収暴風雨方式  暴風雨(農林水産大臣が定める一定基準以上の暴風雨)による果実の減収による損害のみを共済の対象とする収穫共済
 減収凍霜害方式  凍傷又は降霜による果実の減収による損害のみを共済の対象とする収穫共済

2 検査の結果

 本院は、山形県、組合及び県連合会において会計実地検査を行った。そして、果樹共済事業を対象に、合規性等の観点から、共済掛金の負担は適切かなどに着眼して、収穫共済(ぶどう)引受通知書等の書類により検査し、また、同県に調査を求め、その調査結果の報告を受けたところ、次のとおり適切でない事態が見受けられた。
 すなわち、前記の組合における11年度のぶどうに係る261戸の果樹共済の引受けのうち、105戸については、組合職員が農業者の名前を使用して虚偽の申込みをしたものに対して、組合において引受けが行われたものであった。
 したがって、当初の261戸の引受けに係る掛金交付金額計1,294,833円から正規の引受けに係る掛金交付金相当額791,216円を差し引いた虚偽の引受けに係る掛金負担金相当額503,617円が過大に交付されていて、不当と認められる。
 また、12年度の事務費負担金は、組合等の11年度共済引受実績等に基づき交付されているが、虚偽の引受け105戸を除いて適正な額を再計算すると、組合分286,174,000円、県連合会分149,654,000円となり、前記の交付額組合分286,386,000円、県連合会分149,691,000円との差額、組合分212,000円、県連合会分37,000円がそれぞれ過大に交付されていて、不当と認められる。

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