会計名及び科目
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一般会計
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(組織)農林水産本省
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(項)水田農業構造改革対策費
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部局等
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農林水産本省、2農政局
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補助の根拠
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予算補助
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補助事業者
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4道県水田農業推進協議会
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間接補助事業者
(事業主体)
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8地域水田農業推進協議会
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補助事業
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麦・大豆品質向上対策
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補助事業の概要
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需要に即した高品質の麦・大豆の生産に取り組む担い手を支援することを目的として、一定の品質等の要件を満たす麦又は大豆の生産を行った認定農業者等の助成対象者に助成金を交付するために要する経費に対して補助するもの
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上記に対する国庫補助金交付額
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532,919,568円
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(平成17、18両年度)
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不当と認める国庫補助金交付額
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39,037,613円
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(平成17、18両年度)
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麦・大豆品質向上対策費補助金(以下「補助金」という。)は、水田農業構造改革対策実施要綱(平成16年15生産第7999号農林水産事務次官依命通知。以下「実施要綱」という。)等に基づき、市町村の区域を基本に設置される地域水田農業推進協議会(以下「地域協議会」という。)が実施する麦・大豆品質向上対策に対して、都道府県水田農業推進協議会(以下「協議会」という。)が補助する場合に、国がこの補助に要する経費を補助するものである。麦・大豆品質向上対策は、平成16年度から18年度までの3年間を実施期間とし、需要に即した高品質の麦・大豆の生産に取り組む担い手を支援することを目的として、一定の品質等の要件を満たす麦又は大豆の生産を行った認定農業者等の助成対象者に、地域協議会が助成金を交付するものである。そして、この補助金については、実施要綱等により、麦と大豆の別に、品質等の要件及び補助金交付額の算定方法が定められている。
補助金の交付対象となる大豆の品質等の要件は、実施要綱等により、農産物規格規程(平成13年農林水産省告示第244号)の普通大豆1等及び2等の品位に適合する大豆又は生産局長が定める契約栽培の方法により販売された大豆であることなどとされている。
そして、上記の生産局長が定める契約栽培の方法は、以下の要件を満たすものとされている。
ア 農産物規格規程の普通大豆1等から3等までの品位及び特定加工用大豆の合格の品位に適合する大豆であること
イ 生産者等の売り手と大豆を原料とした加工品、製品等の製造を業としている者等の買い手との間で、大豆の播種(はしゅ)の前に、栽培面積の契約(以下「播種前契約」という。)が締結されていること
協議会に対する大豆の補助金交付額は、実施要綱等により、地域協議会が実施する品質向上対策に要する経費に対して、協議会が補助を行うのに必要な経費とされている。
そして、地域協議会は、品質等の要件を満たす大豆の生産割合に応じて、助成対象者に次の算式で算定した額を助成することとされている。
ア 助成対象面積は、助成対象者が大豆の栽培を行った面積のうち出荷を行った面積をいい、契約栽培の方法によるものとそれ以外のもの(入札による取引等をいう。以下「一般栽培」という。)の別に分けた面積とする。
イ 品質等要件クリア数量は、一般栽培の場合は普通大豆1 等及び2等の品位に適合する大豆の数量とし、契約栽培の場合は普通大豆1等から3等までの品位及び特定加工用大豆の合格の品位に適合する大豆の数量とする。
ウ 全出荷数量は、助成対象者が出荷した大豆の全量とする。
本院は、31道県協議会及びその管内の119地域協議会において、合規性等の観点から助成金の交付に妥当性を欠いているものはないかなどに着眼して会計実地検査を行った。そして、この補助事業について実績報告書等の書類により検査したところ、大豆に係る助成額の算定が適切でない事態が見受けられた。
すなわち、4道県協議会管内の8地域協議会では、助成対象面積のうち播種前契約が締結されていない面積を契約栽培の面積としたり、全出荷数量に農産物規格規程の規格外となった大豆の出荷数量を含めていなかったりするなどして、大豆に係る助成額の算定を行っていた。
このため、大豆に係る助成額が過大に算定されており、補助金交付額計532,919,568円のうち計39,037,613円が過大に交付されていて、不当と認められる。
上記の事態について、一例を示すと次のとおりである。
A地域協議会では、平成17年度に、助成対象者Bの助成対象面積計902,712m2
をすべて契約栽培の面積とし、品質等要件クリア率を1として大豆に係る助成額を算定し、補助金計11,735,256円の交付を受けていた。
しかし、大豆に係る助成額の算定に当たり、助成対象者Bの助成対象面積のうち播種前契約が締結されていない面積計527,712m2
を契約栽培の面積としたり、全出荷数量に農産物規格規程の規格外となった大豆の出荷数量計3,360kgを含めていなかったりなどしていた。
したがって、上記の面積計527,712m2
を契約栽培ではなく一般栽培の面積とし、上記の規格外となった大豆の出荷数量計3,360kgを全出荷数量に含めるなどして、品質等要件クリア率を再計算すると、1を下回る(0.06291から0.84437)こととなり、これにより適正な補助金交付額を算定すると計5,668,338円となり、計6,066,918円が過大に交付されていた。
このような事態が生じていたのは、8地域協議会において本件補助制度に対する理解等が十分でなかったこと、4道県協議会において8地域協議会に対する指導監督が十分でなかったことによると認められる。
これを協議会別・地域協議会別に示すと次のとおりである。
協議会名
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地域協議会名
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年度
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国庫補助金交付額
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不当と認める国庫補助金
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千円
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千円
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(232)
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北海道協議会
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士別市地域協議会
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17
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211,717
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4,628
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(233)
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同
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富良野市地域協議会
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17
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73,230
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1,885
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(234)
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同
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中富良野町地域協議会
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17
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68,508
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11,431
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(235)
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同
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和寒町地域協議会
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17
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43,620
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4,808
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(236)
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同
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朝日町地域協議会(注1)
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17
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27,189
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6,031
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(237)
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栃木県協議会
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小山市地域協議会
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18
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93,092
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1,269
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(238)
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熊本県協議会
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一の宮町地域協議会(注2)
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17
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11,735
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6,066
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(239)
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鹿児島県協議会
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高尾野町地域協議会(注3)
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17
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3,825
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2,914
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(232)−(239)
の計
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532,919
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39,037
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平成19年4月1日以降は士別市地域協議会
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平成19年3月22日以降は阿蘇市地域協議会
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平成18年4月1日以降は出水市地域協議会
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