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  • 平成18年度|
  • 第3章 個別の検査結果|
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  • 補助金

補助金の概要


(283) 地域観光振興事業の実施に当たり、ボランティアにより無償で実施された事業に係る経費を補助対象事業費に計上するなどしていたため、補助対象事業費の精算が過大となっているもの

会計名及び科目
一般会計
(組織)国土交通本省
(項)国土交通本省
部局等
国土交通本省(支出庁)
沖縄総合事務局(審査庁)
補助の根拠
予算補助
補助事業者
(事業主体)
特定非営利活動法人たきどぅん
補助事業
地域観光振興
補助事業の概要
国際競争力のある観光地づくりを促進することを目的として、平成17年度に竹富島の伝統的建造物である前與那國屋に関連する施設の整備等を行うもの
事業費
27,950,000円
 
上記に対する国庫補助金交付額
10,000,000円
 
不当と認める事業費
14,986,980円
 
不当と認める国庫補助金交付額
4,814,792円
 

1 補助事業の概要

 この補助事業は、国際競争力のある観光地づくりを促進するため、地域観光振興事業費補助金交付要綱(平成17年国総観振第49号)に基づき、地域イベント活性化事業、観光交流施設等の整備等を実施するもので、国土交通省では、これらの事業を実施する者に対し、当該事業に要する経費の一部として、地域観光振興事業費補助金(以下「補助金」という。)を交付している。
 特定非営利活動法人たきどぅん(以下「法人」という。)では、平成17年度に竹富島どぅゆくい(癒し)観光推進事業として、生活体験プログラム開発事業、平成17年度前與那國屋(マイユヌンニャ)施設整備事業(以下「施設整備事業」という。)及びPR関係事業を実施したものである。
 そして、法人では、補助対象事業費計27,950,000円で事業を実施したとする実績報告書を、沖縄総合事務局長を経由して国土交通大臣に提出し国庫補助金10,000,000円の交付を受けていた。

2 検査の結果

 本院は、国土交通省、沖縄総合事務局及び法人において、合規性等の観点から補助事業の経理が適切に行われているかなどに着眼して会計実地検査を行った。そして、この補助事業について実績報告書等の書類により検査したところ、次のとおり適切でないと認められる事態が見受けられた。

(1) 生活体験プログラム開発事業の実施について

 法人は、本件事業として宿泊体験イベント、伝統的島料理試食体験イベント等を実施し、寝具一式、島料理材料等を460,000円で購入するなどしたとして実績報告を行っていた。しかし、実際には、法人は、業者から無償で寝具一式等の提供を受けていた。

(2) 施設整備事業の実施について

ア 法人は、竹富島の伝統的建造物である前與那國屋の石積修復工事を実施し、石積修復作業に従事した作業員等に計6,675,000円を支払ったとして実績報告を行っていた。しかし、実際には、法人は、石積修復作業に従事した作業員等に対し、計130,000円を支払っているにすぎず、残額の6,545,000円は、島の住民等によるボランティアにより無償で実施された石積修復作業を金額換算した人件費相当額であった。
 また、上記工事の施工に当たり、機械使用料1,350,000円、補足石購入費480,000円、敷地整地工事費2,310,000円、計4,140,000円を要したとして実績報告を行っていた。しかし、実際には、法人は、業者から施工に係る機械や資材の提供等を無償で受けていた。
イ 法人は、前與那國屋の豚便所復原工事及び公衆便所建設工事について、法人の理事が代表を務める請負業者とそれぞれ3,654,000円、10,521,000円で契約を締結し、計14,175,000円で実施したとして実績報告を行っていた。しかし、実際に法人が支払ったのは、豚便所復原工事費3,654,000円、公衆便所建設工事費9,379,020円、計13,033,020円であった。さらに、法人は、請負業者である法人の理事から上記の工事費計13,033,020円のうち2,700,000円の返金を受けていた。このため、豚便所復原、公衆便所建設両工事は、計10,333,020円で実施していたこととなる。
 このような事態が生じていたのは、次のことなどによると認められる。
ア 法人において、補助事業の適正な実施に対する認識が欠けていたこと
イ 沖縄総合事務局において、ボランティアにより無償で実施された作業等は補助金交付の対象として認められないことについての認識が十分でなく、適切な指導を行っていなかったこと及び実績報告書等の審査が十分でなかったこと
ウ 国土交通省において、ボランティアにより無償で実施された作業等は補助金交付の対象として認められないことを明確に示していなかったこと及び実績報告書等の確認が十分でなかったこと
 したがって、適正な補助対象事業費は12,963,020円となり、前記の補助対象事業費27,950,000円との差額14,986,980円が過大に精算されていて、これに係る国庫補助金4,814,792円が不当と認められる。

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