この特別会計は、治水事業、道路整備事業、港湾整備事業、空港整備事業及び都市開発資金の貸付け並びに社会資本整備関係事業等に関する経理を一般会計と区分して行うため設置されているものである。
なお、同特別会計は、特別会計に関する法律(平成19年法律第23号)により設置されたが、19年度の末日において、同法により暫定的に設置された治水特別会計、道路整備特別会計、港湾整備特別会計、空港整備特別会計及び都市開発資金融通特別会計に所属していた権利及び義務の全部又は一部を承継している。
同特別会計は、治水、道路整備、港湾、空港整備及び業務の5勘定に区分して経理されており、その勘定別の20年度の歳入歳出決算、損益、借入金及び主な業務実績は次のとおりである。
ア 治水勘定(19年度は治水特別会計治水勘定及び特定多目的ダム建設工事勘定)
(ア) 歳入歳出決算
歳入 | 徴収決定済額(千円) | 収納済歳入額(千円) | 不納欠損額(千円) | 収納未済歳入額(千円) |
20年度 19年度 治水勘定
特定多目的ダム建設工事勘定 |
1,396,032,541 1,251,903,323
223,333,807 |
1,390,023,431 1,251,010,326
223,301,496 |
893 7,254
593 |
6,008,216 885,741
31,717 |
歳出 | 歳出予算現額(千円) | 支出済歳出額(千円) | 翌年度繰越額(千円) | 不用額(千円) |
20年度 19年度 治水勘定
特定多目的ダム建設工事勘定 |
1,485,772,123 1,298,897,329
228,466,313 |
1,184,409,600 1,035,331,179
185,595,695 |
293,198,023 254,169,410
41,202,400 |
8,164,499 9,396,739
1,668,217 |
翌年度繰越額の主なものは、河川整備事業費(歳出予算現額7067億8813万余円)の1608億7763万余円、砂防事業費(同1774億5231万余円)の418億9089万余円及び多目的ダム建設事業費(同1804億5906万余円)の405億5308万余円である。
(イ) 主な業務実績
区分 | 20年度 | (19年度) | ||
直轄事業 | 補助事業 | 直轄事業 | 補助事業 | |
河川改修 | 119河川 | 654河川 | 119河川 | 666河川 |
河川総合開発 | 14ダム | 87ダム | 14ダム | 93ダム |
砂防施設の整備 | 34水系 | 840流域 | 34水系 | 898流域 |
特定多目的ダム建設 | 30ダム | — | 31ダム | — |
イ 道路整備勘定(19年度は道路整備特別会計)
(ア) 歳入歳出決算
歳入 | 徴収決定済額(千円) | 収納済歳入額(千円) | 不納欠損額(千円) | 収納未済歳入額(千円) |
20年度 19年度 |
4,577,830,595 4,599,923,509 |
4,557,516,618 4,595,170,030 |
131,993 157,913 |
20,181,982 4,595,565 |
歳出 | 歳出予算現額(千円) | 支出済歳出額(千円) | 翌年度繰越額(千円) | 不用額(千円) |
20年度 19年度 |
4,682,748,422 4,832,428,181 |
3,699,582,242 3,811,811,026 |
963,381,072 989,511,097 |
19,785,107 31,106,056 |
収納未済歳入額の主なものは、雑収入(徴収決定済額458億1845万余円)の186億4306万余円及び地方公共団体工事費負担金収入(同6006億7618万余円)の13億2772万余円である。翌年度繰越額の主なものは、地域連携道路事業費(歳出予算現額1兆2138億5341万余円)の2956億7574万余円、地方道路整備臨時交付金(同8552億2109万余円)の1960億9530万余円及び道路交通円滑化事業費(同6492億9894万余円)の1672億1449万余円である。また、不用額の主なものは、附帯工事費(同281億9762万余円)の60億5338万余円、受託工事費(同300億8937万余円)の46億8066万余円及び道路交通安全対策事業費(同6856億9053万余円)の20億1678万余円である。
(イ) 主な業務実績
区分 | 20年度 | (19年度) | |
(直轄事業) | |||
高速自動車国道の整備 一般国道の改築 |
11路線 166路線 |
11路線 163路線 |
|
(うち大規模バイパスの新設) | (57か所) | (59か所) | |
共同溝の整備 | 19路線 | 16路線 | |
(補助事業) | |||
一般国道の改築 地方道の改築 街路事業 土地区画整理事業 |
275路線 321か所 567か所 474か所 |
286路線 303か所 615か所 510か所 |
ウ 港湾勘定(19年度は港湾整備特別会計港湾整備勘定及び特定港湾施設工事勘定)
(ア) 歳入歳出決算
歳入 | 徴収決定済額(千円) | 収納済歳入額(千円) | 不納欠損額(千円) | 収納未済歳入額(千円) |
20年度 19年度 港湾整備勘定
特定港湾施設工事勘定 |
379,720,512 351,903,740
8,817,037 |
379,685,707 351,305,095
8,817,037 |
91 —
— |
34,713 598,645
— |
歳出 | 歳出予算現額(千円) | 支出済歳出額(千円) | 翌年度繰越額(千円) | 不用額(千円) |
20年度 19年度 港湾整備勘定
特定港湾施設工事勘定 |
413,210,457 370,790,463
8,821,984 |
346,034,636 311,223,300
8,197,223 |
66,220,259 57,406,904
584,341 |
955,561 2,160,257
40,420 |
翌年度繰越額の主なものは、港湾事業費(歳出予算現額2737億1261万余円)の509億1223万余円、離島港湾事業費(同253億3538万余円)の47億6739万余円及び沖縄港湾事業費(同283億7008万余円)の36億4538万余円である。
(イ) 主な業務実績
区分 | 20年度 | (19年度) | |
(直轄事業) | |||
港湾の整備 航路の整備 |
119港 16航路 |
119港 16航路 |
|
(補助事業) | |||
港湾の整備 | 244港 | 243港 |
エ 空港整備勘定(19年度は空港整備特別会計)
(ア) 歳入歳出決算
歳入 | 徴収決定済額(千円) | 収納済歳入額(千円) | 不納欠損額(千円) | 収納未済歳入額(千円) |
20年度 19年度 |
630,795,025 662,779,080 |
630,647,213 662,680,294 |
486 — |
147,324 98,786 |
歳出 | 歳出予算現額(千円) | 支出済歳出額(千円) | 翌年度繰越額(千円) | 不用額(千円) |
20年度 19年度 |
723,246,068 734,689,982 |
584,186,055 555,188,826 |
128,515,729 167,101,064 |
10,544,282 12,400,091 |
翌年度繰越額の主なものは、空港整備事業費(歳出予算現額3827億9402万余円)の1162億5031万余円、沖縄空港整備事業費(同142億5042万余円)の56億9531万余円及び北海道空港整備事業費(同119億8549万余円)の37億0087万余円である。また、不用額の主なものは、空港等維持運営費(同1488億2277万余円)の53億3607万余円、空港整備事業費の22億4968万余円及び関西国際空港株式会社出資(同15億円)の15億円である。
(イ) 借入金
区分 | 20年度末(千円) | 19年度末(千円) |
借入金現在額(財政融資資金等) | 936,712,272 | 922,152,954 |
(ウ) 主な業務実績
区分 | 20年度 | (19年度) | |
(直轄事業) | |||
滑走路の新設及び延長 | 4空港 | 4空港 | |
(補助事業) | |||
滑走路の新設及び延長 | 3空港 | 3空港 |
オ 業務勘定(19年度は治水、道路整備、港湾整備、空港整備各特別会計の一部及び都市開発資金融通特別会計)
(ア) 歳入歳出決算
歳入 | 徴収決定済額(千円) | 収納済歳入額(千円) | 不納欠損額(千円) | 収納未済歳入額(千円) |
20年度 19年度 |
262,389,973 — |
262,386,257 — |
— — |
3,715 — |
歳出 | 歳出予算現額(千円) | 支出済歳出額(千円) | 翌年度繰越額(千円) | 不用額(千円) |
20年度 19年度 |
246,700,200 — |
225,141,330 — |
10,883,938 — |
10,674,931 — |
翌年度繰越額の主なものは、業務取扱費(歳出予算現額2049億8969万余円)の105億1743万余円である。また、不用額の主なものは、都市開発資金貸付金(同254億2700万円)の62億9440万円及び業務取扱費の42億7272万余円である。
なお、特別会計に関する法律第8条第2項の規定に基づき、20年度における収納済歳入額と支出済歳出額との差引額372億4492万余円のうち、21年度の予算総則第13条に定める金額33億1301万余円を、21年度の一般会計の歳入に繰り入れることとされた。
(イ) 損益(都市開発資金の貸付けに係るもの)
区分 | 20年度(千円) | 19年度(千円) | ||||
利益 損失 利益金 |
669,168 489,206 179,961 |
991,454 798,125 193,329 |
||||
前年度繰越損失金 翌年度繰越損失金 |
2,263,384 2,083,422 |
2,456,713 2,263,384 |
(ウ) 借入金(都市開発資金の貸付けに係るもの)
区分 | 20年度末(千円) | 19年度末(千円) |
借入金現在額(財政融資資金) | 27,529,629 | 40,850,229 |
(エ) 主な業務実績(都市開発資金の貸付けに係るもの)
a 貸付実績
区分 | 20年度 | (19年度) | |
(地方公共団体貸付) | |||
都市公共施設用地買取資金貸付 | 件数 面積 金額 |
10件 82,018m2 2,757,000千円 |
12件 54,168m2 3,038,000千円 |
市街地再開発事業等資金貸付 | 件数 金額 |
2件 1,265,000千円 |
4件 651,500千円 |
組合等土地区画整理資金貸付 | 件数 金額 |
13件 1,399,500千円 |
13件 775,748千円 |
(都市再生機構貸付) | |||
都市開発資金貸付 | 件数 金額 |
3件 545,000千円 |
6件 545,000千円 |
(土地開発公社貸付) | |||
特定公共用地等買取資金貸付 | 件数 面積 金額 |
— — — |
1件 10,609m2 50,000千円 |
(民間都市開発推進機構貸付) | |||
都市開発資金貸付 | 件数 金額 |
8件 12,799,600千円 |
2件 367,800千円 |
b 貸付金回収
20年度 | (19年度) | ||
千円 | 千円 | ||
金額 | 23,548,527 | 31,074,837 |
c 貸付金現在額
20年度末 | (19年度末) | ||
千円 | 千円 | ||
金額 | 243,689,939 | 248,472,366 |
なお、この特別会計について検査した結果、不当事項75件((467) 、(468) 、(469)—(482) 、(485)—(488) 、(490)(491) 、(496) 、(497)—(499) 、(500) 、(502) 、(503) 、(504) 、(506) 、(507) 、(508) 、(511) 、(514)—(554) 参照)、意見を表示し又は処置を要求した事項10件(10か所参照 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 )及び本院の指摘に基づき当局において改善の処置を講じた事項3件(3か所参照 1 2 3 )を掲記した。