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  • 平成30年度|
  • 第4章 国会及び内閣に対する報告並びに国会からの検査要請事項に関する報告等

第4節 国民の関心の高い事項等に関する検査状況


1 国民の関心の高い事項等に関する検査の取組方針

近年、行政においては、財政健全化目標の達成に向けて、「新経済・財政再生計画」を定めて、「デフレ脱却・経済再生」「歳出改革」及び「歳入改革」の3本柱の改革を加速・拡大するとしている。また、国会においては、国会による財政統制を充実し強化する観点から、予算の執行結果を把握して次の予算に反映させることの重要性等が議論されている。

このような中で、本院は、その使命を的確に果たすために毎年次策定している会計検査の基本方針に従って、我が国の社会経済の動向、財政の現状、行政における様々な取組等を踏まえて国民の期待に応える検査に努めており、特に、国会等で議論された事項、新聞等で報道された事項その他の国民の関心の高い事項については、必要に応じて機動的・弾力的な検査を行うなど、適時適切に対応することとしている。

2 検査の状況

(1) 検査の結果、検査報告に掲記したもの

上記国民の関心の高い事項等としては、度重なる自然災害の発生等により関心が一層高まっている国民生活の安全性の確保や、少子高齢化及び情報化の進展、気候変動問題等を背景とした社会保障、情報通信(IT)、環境及びエネルギーといった分野が挙げられる。また、厳しい財政の現状等を踏まえて、予算・経理の適正な執行はもとより、制度・事業の効果、適正で公平な運用等や、資産、基金等のストックに対する国民の関心は引き続き高いものとなっている。

これら国民の関心の高い事項等について、正確性、合規性、経済性、効率性、有効性等の多角的な観点から検査を行った結果、「第3章 個別の検査結果」及び「第4章 国会及び内閣に対する報告並びに国会からの検査要請事項に関する報告等」に掲記した主なものを示すと、次のとおりである。

ア 国民生活の安全性の確保に関するもの

イ 社会保障に関するもの

ウ 制度・事業の効果等に関するもの

エ 制度・事業の適正で公平な運用に関するもの

オ 資産、基金等のストックに関するもの

カ 予算の適正な執行、会計経理の適正な処理等に関するもの

 

キ 環境及びエネルギーに関するもの

ク 情報通信(IT)に関するもの

(2) その他の検査の状況

(1)のほか、国会法第105条の規定に基づく検査要請が行われた「東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向けた取組状況等について」「待機児童解消、子どもの貧困対策等の子ども・子育て支援施策の実施状況について」「外国人留学生、技能実習生等の外国人材の受入れに係る施策の実施状況について」「高速道路に係る料金、債務の返済等の状況について」「福島第一原子力発電所事故に伴い放射性物質に汚染された廃棄物及び除去土壌等の処理状況等について」「公的統計の整備に関する業務の実施状況等について」及び「政府情報システムの整備、運用、利用等の状況について」について検査を実施している。

3 本院の所見

本院は、今後も我が国の社会経済の動向、財政の現状等を踏まえて国民の期待に応える検査に努めるために、国会等で議論された事項等の国民の関心の高い事項については、必要に応じて機動的・弾力的な検査を行うなど、適時適切に対応するとともに、我が国の財政健全化に向けた様々な取組について留意しながら検査を行っていくこととする。