検査の結果について、「法律、政令若しくは予算に違反し又は不当と認めた事項」(以下「不当事項」という。)、「意見を表示し又は処置を要求した事項」、「本院の指摘に基づき当局において改善の処置を講じた事項」及び「特に掲記を要すると認めた事項」の各事項に区分して、その指摘の件数を示すと次表のとおりである。
事項
\
省庁又は団体名
|
不当 事項 | 意見を表示し又は処置を要求した事項 | 本院の指摘に基づき当局において改善の処置を講じた事項 | 特に掲記を要すると認めた事項 | 計 | ||
会計検査院法第34条関係 | 会計検査院法第36条関係 | ||||||
是正改善の処置を要求したもの | 意見を表示したもの | 改善の処置を要求したもの | |||||
総理府(防衛庁) | 件 | 件 | 件 | 件 | 件 1 |
件 | 件 1 |
法務省 | 1 | 1 | |||||
大蔵省 | 1 | 1 | 2 | ||||
文部省 | 10 | 1 | 1 | 12 | |||
厚生省 | 14 | 1 | 2 | 17 | |||
農林水産省 | 6 | 2 | 1 | 3 | 1 | 13 | |
通商産業省 | 11 | 11 | |||||
運輸省 | 1 | 1 | 2 | ||||
郵政省 | 27 | 1 | 28 | ||||
労働省 | 4 | 1 | 5 | ||||
建設省 | 5 | 1 | 6 | ||||
自治省 | 1 | 1 | |||||
日本国有鉄道 | 6 | 6 | |||||
住宅金融公庫 | 7 | 7 | |||||
農林漁業金融公庫 | 6 | 6 | |||||
中小企業金融公庫 | 1 | 1 | |||||
日本道路公団 | 1 | 2 | 3 | ||||
首都高速道路公団 | 1 | 1 | |||||
住宅・都市整備公団 | 1 | 1 | |||||
中小企業事業団 | 8 | 8 | |||||
蚕糸砂糖類価格安定事業団 | (1) | (1) | |||||
電源開発株式会社 | 1 | 1 | |||||
日本私学振興財団 | 8 | 1 | 9 | ||||
日本電信電話株式会社 | 1 | 1 | 2 | 4 | |||
計 |
117 | 5 | 3 | 1 | 19 | 1 | 146 |
(注) 蚕糸砂糖類価格安定事業団の「本院の指摘に基づき当局において改善の処置を講じた事項」の( )書きの1件は、農林水産省の項で掲記したものと同一事態であり、件数の集計には含めていない。
上記の各事項について、その概要を示すと次のとおりである。
検査の結果、「不当事項」として計117件を掲記した。これを収入、支出等の別に分類し、態様別に説明すると、次のとおりである。
省庁又は団体名 | 租税 | 保険料 | 不正行為 | 計 |
大蔵省 |
件 1 |
件 |
件 |
件 1 |
厚生省 | 2 | 2 | ||
労働省 | 1 | 1 | ||
日本国有鉄道 | 3 | 3 | ||
計 |
1 | 3 | 3 | 7 |
(1) 租税 | 1件 |
10億7,600万余円 |
<租税の微収が適正でなかったもの>
○大蔵省
・租税の徴収に当たり、課税資料の収集、活用が的確でなかったため収入金等を把握していなかったり、法令適用の検討が十分でなかったため税額計算等を誤っていたりなどして、徴収額に過不足を生じたもの
(2) 保険料 | 3件 | 8億9,681万余円 |
<保険料の徴収が適正でなかったもの>
○厚生省
・船員保険の保険料の徴収に当たり、保険料算定の基礎となる被保険者の報酬月額等の届出に対する調査確認が十分でなかったなどのため、徴収額に不足を生じたもの (1件7,422万余円)
○労働省
・労働保険の保険料の徴収に当たり、事業主が提出する確定保険料の申告に対する調査確認が十分でなかったため、徴収額に過不足を生じたもの (1件5億4,842万余円)
(3) 不正行為 | 3件 | 911万余円 |
<現金を領得されたもの>
○日本国有鉄道
省庁又は団体名 | 工事 | 役務 | 保険給付 | 補助金 | 貸付金 | 不正行為 | その他 | 計 |
文部省 |
件 | 件 | 件 | 件 10 |
件 | 件 | 件 | 件 10 |
厚生省 | 2 | 9 | 1 | 12 | ||||
農林水産省 | 6 | 6 | ||||||
通商産業省 | 11 | 11 | ||||||
労働省 | 3 | 3 | ||||||
建設省 | 5 | 5 | ||||||
日本国有鉄道 | 2 | 1 | 3 | |||||
住宅金融公庫 | 7 | 7 | ||||||
中小企業金融公庫 | 1 | 1 | ||||||
農林漁業金融公庫 | 6 | 6 | ||||||
日本道路公団 | 1 | 1 | ||||||
中小企業事業団 | 8 | 8 | ||||||
日本私学振興財団 | 8 | 8 | ||||||
日本電信電話株式会社 | 1 | 1 | ||||||
計 |
3 | 1 | 5 | 49 | 21 | 2 | 1 | 82 |
(1) 工事 | 3件 | 8,290万円 |
○日本国有鉄道
・プレストレストコンクリート単純けたの製作架設工事の施行に当たり、工場直接費に計上済みの合板型枠製作労務費を工場間接費にも見込んで積算したため、契約額が割高になったもの(1件1490万円)
・特別高圧ケーブル増設工事の施行に当たり、既設ケーブルを移設する要がなかったのに、その移設費を積算したため、契約額が割高になったもの(1件1,930万円)
○日本電信電話株式会社
・通信ケーブルの防火被覆材の取付工事の施行に当たり、材料運搬費の積算が適切でなかったため、契約額が割高になったもの(1件 4,870万円)
(2) 役務 | 1件 | 4,480万円 |
<予定価格の積算が適切でなかったもの>
○日本国有鉄道
・新幹線電車のリネンサプライ業務費の積算に当たり、リネンサプライ作業の対象となる年間予定列車本数を誤って算出したため、支払額が過大になったもの
(3) 保険給付 | 5件 | 2億2,536万余円 |
<保険の給付が適正でなかったもの>
○厚生省
・健康保険及び船員保険の傷病手当金等の支給に当たり、傷病手当金等の請求に対する調査確認が十分でなかったため、支給が適正に行われていなかったもの(1件2,460万余円)
○労働省
・雇用保険の失業給付金の支給に当たり、失業認定の申告等に対する調査確認が十分でなかったため、支給が適正に行われていなかったもの(1件 1億3,134万余円)
・雇用保険の特定求職者雇用開発助成金の支給に当たり、事業主の申請に対する調査確認が十分でなかったなどのため、支給が適正に行われていなかったもの(1件 1,344万余円)
・雇用保険の定年延長奨励金の支給に当たり、事業主の申請に対する調査確認が十分でたかったなどのため、支給が適正に行われていなかったもの(1件 1,730万円)
(4) 補助金 | 49件 | 3億5,368万余円 |
<補助事業の実施及び経理が不当なもの>
○文部省
・義務教育費国庫負担金の算定において、公立小中学校が過大に報告した児童生徒数により教職員の標準定数を算定したなどのため、同負担金が過大に交付されていたもの(6件 1億4,069万余円)
・公立小中学校校舎増築事業等において、補助の対象とは認められないものを事業費に含めていたもの及び補助事業で取得した財産を目的外に使用していたもの(4件 6,397万余円)
○厚生省
・へき地中核病院運営事業、老人福祉施設保護事業等において、事業費を過大に精算していたもの及び他の補助金と重複して補助を受けていたもの(9件 3,621万余円)
○農林水産省
・畜産総合対策事業、農業構造改善事業等において、補助の対象とは認められないもの、補助の目的を達していないものなど(6件 2,466万余円)
○通商産業省
○建設省
・下水道事業、道路事業において、工事の設計又は工事費の積算が適切でなかったもの及び補助金を過大に受給していたもの(5件 1,456万余円)
○日本私学振興財団
・私立大学等経常費補助金の交付に当たり、補助金算定の対象とはならない教員や経費を含めた資料に基づき補助金の額を算定したため、交付額が過大になっていたもの(8件 3,934万余円)
(5) 貸付金 | 21件 | 4億2,920万余円 |
<貸付金の経理が不当なもの>
○住宅金融公庫
・一般土地担保賃貸住宅建設資金等の貸付けにおいて、所要資金よりも低額で事業が実施されているもの(7件 1億5,650万円)
○農林漁業金融公庫
・総合施設資金等の貸付けにおいて、貸付けの対象とならない事業に貸し付けていたもの、貸付対象事業費よりも低額で事業が実施されているものなど(6件 3,200万余円)
○中小企業事業団
・中小企業高度化資金の貸付けにおいて、貸付けの対象とならないものに貸し付けていたもの、貸付対象事業費よりも低額で事業が実施されているものなど(8件 2億4,070万余円)
(6) 不正行為 | 2件 | 9,651万余円 |
<現金を領得されたもの>
○中小企業金融公庫
・支店の職員が、関係書類を偽造し架空の会社から借入申込みがあったように装って、貸付金を領得したもの(1件 8,000万円)
○日本道路公団
・管理事務所の所長及び庶務担当職員が、架空の請求書を作成するなどして、支出金を領得したもの(1件 1,651万余円)
(7) その他 | 1件 | 3,624万余円 |
<児童扶養手当の支給が適正でなかったもの>
○厚生省
・児童扶養手当の支給に当たり、同手当の請求に対する指導及び調査確認が十分でなかったため、支給が適正に行われていなかったもの
|
不正行為 | 28件 | 4億1,354万余円 |
<現金、物件を領得されたもの>
○法務省
・法務局の職員が、登記申請書にはり付けてあった収入印紙を消印せずに領得したもの(1件 400万円)
○郵政省
・郵便局の出納官吏又は出納員が、郵便貯金の預入金、簡易生命保険の保険料等を領得したもの(27件 4億954万余円)
会計検査院法第34条又は第36条の規定により昭和61年中に関係大臣等に対して意見を表示し又は処置を要求した事項を「意見を表示し又は処置を要求した事項」として計9件掲記した。
1 会計検査院法第34条の規定によるもの | 5件 |
○厚生省
福祉年金の支給において、公的年金との併給調整の事務処理を適正に行う体制となっていないため、福祉年金と公的年金が二重に支給されたままとなっている事態があるので、受給権者の公的年金の受給状況を迅速的確に把握する体制を整備するとともに、公的年金の支給開始月に遡及して併給調整を実施するなどして、年金支給の適正化を図る要がある。
○農林水産省
麦用収穫機について、既存の機械の有効利用を図って、過大な導入を避ける配慮が払われていないなどのため、必要のない機械を導入しているものがあるので、導入に先立って、農業者が所有する農業機械の効率的利用の可否を十分検討するよう指導を行うとともに、審査体制を整備するなどして、事業の適正な運営に努める要がある。
増養殖場造成事業において、関係者間の調整等が十分行われていないことや、事業の推進体制等についての審査体制が十分でないことなどのため、養殖場の管理運営体制が十分整っていなかったり、増殖場への種苗の放流が計画どおり行われていなかったりなどしていて事業の効果が発現していない事態があるので、事前の調査検討を十分に行い、適切な事業実施計画を策定するよう指導するとともに、計画に対する審査を十分に行うなどの処置を講じ、事業実施の適正を期する要がある。
○運輸省
・防波堤等の築造工事における上部コンクリート工等の積算について
港湾整備事業等の補助事業において単純な形状でコンクリート打設量の比較的多い上部工等についても、これらの工事規模等の施工条件を考慮することなくコンクリート打設費を積算していたため、積算額が過大になっていたので、工事規模等の施工条件の実情を把握し、その実情に応じた積算を行うよう指導の徹底を図るなどの措置を講する要がある。
○建設省
公営住宅の建設に際し、事業主体において当該住宅に対する需要の把握が十分でなかったり、建設省において事業計画の審査及び指導が十分でなかったりなどしているため、住宅が長期間空家のまま遊休していて事業の効果が発現していない事態があるので、速やかに空家の解消に努めるとともに、建設に当たっては需要に応じた事業計画を策定するよう指導し、事業計画の審査の充実を図るなどして事業の適切な実施を期する要がある。
2 会計検査院法第36条の規定によるもの | 4件 |
(ア) 意見を表示した事項
○農林水産省
○労働省
特例被保険者の就職、離職の実態や特例一時金の支給状況を把握する体制が十分整っていないなどのため、短期間のうちに同一事業所において就職、離職を繰り返していて当該事業所に継続して雇用されることが可能と認められる者に対し、特例一時金が支給されている事態があるので、雇用保険のデータ等を活用するなどして特例一時金の支給状況等の実態を把握し、また、特例一時金の受給資格の決定を的確に行うよう指導するなどの措置を講じ、支給の適正を期する要がある。
○日本電信電話株式会社
電話の端末機の設置について利用者による選択が自由になったことなどから、レンタル方式により提供してきたカラー電話機等の解約が急増しているのに、これに対する対応が十分でなかったため、創設費の未回収額が多額にのぼっているので、カラー電話機等のレンタル方式による提供について見直しを図るなどの施策を講じる要がある。
(イ) 改善の処置を要求した事項
○文部省
・義務教育費国庫負担金の算定の基礎となるへき地手当等に係る級別等の指定の見直しについて
義務教育費国庫負担金の算定に当たり、へき地等学校の級別等の指定が現況に即していない事態となっているのに、指定の見直しに関する規定が設けられておらず、都府県において見直しが行われていないため、負担金の交付が不適切となっている事態があるので、状況の変化に対応して適時適切に指定の見直しが行われるよう所要の措置を講じ、負担金算定の適正を期する要がある。
本院が検査において指摘したところ当局において改善の処置を講じた事項を「本院の指摘に基づき当局において改善の処置を講じた事項」として計19件掲記した。
○総理府(防衛庁)
海上自衛隊において、護衛艦に搭載している高性能20mm機関砲用の弾薬を従来のりゅう弾から徹甲弾に装備替えする方針が執られているのに、それが弾薬の調達に的確に反映されていなかったため、予算が効果的に執行されていないので、指摘したところ改善の処置が執られた。
○大蔵省
相続税の納税猶予の対象となった農地等が譲渡されたり転用されたりしているのに、農地等の現況の把握や農業委員会等との連絡調整が十分でなかったなどのため、猶予されていた相続税が納付されていなかったので、指摘したところ改善の処置が執られた。
○文部省
国立大学に設置してある変圧器について、これにかかる負荷電力等の実態についての把握及び電力の損失についての理解が十分でなかったため、変圧器の総容量が過大で電力量料金が不経済となっていたので、指摘したところ改善の処置が執られた。
○厚生省
貸付資金の所要額についての審査が十分でなかったなどのため、世帯更生資金貸付事業を行う社会福祉協議会に対する補助金が過大に交付されていたので、指摘したところ改善の処置が執られた。
国立結核療養所において、一般患者を担当する医師等に結核患者を担当する医師等と同等の扱いにより俸給の調整額を支給していて、医師等の勤務の実態に即した俸給の調整が行われていなかったので、指摘したところ改善の処置が執られた。
○農林水産省
・水路トンネル工事における覆工コンクリートの運搬、打設費の積算について
水路トンネルの覆工コンクリートの運搬、打設作業に使用するコンクリートプレーサについて、近年、大型機種が普及してきているのに、これを積算の基準に反映させていなかったため、積算額が過大になっていたので、指摘したところ改善の処置が執られた。
治山工事における谷止工等の工事費の積算の基準が施工の実態に適合していなかったため、積算額が過大になっていたので、指摘したところ改善の処置が執られた。
○農林水産省・蚕糸砂糖類価格安定事業団
農林水産省が、行政財産である倉庫を直接、蚕糸砂糖類価格安定事業団に対し使用許可していなかったため、生糸の保管料が不経済になっていたので、指摘したところ改善の処置が執られた。
○運輸省
空港出張所における空気調和設備の保守業務の仕様が業務の実態に即していなかったため、保守費が不経済になっていたので、指摘したところ改善の処置が執られた。
○郵政省
端末機の部品の使用実績等を把握して部品在庫所要量の算定に反映させることとしていなかったため、端末機の保守費の積算額が過大になっていたので、指摘したところ改善の処置が執られた。
○自治省
教育、文化、スポーツ等のための複合施設である田園都市中核施設を広域市町村圏等に設置した後の実態把握が十分でなく、設置主体及び圏域の市町村に対して適切な指導、助言を行っていなかったなどのため、広域サービスシステムの形成上適切を欠く事態となっていたので、指摘したところ改善の処置が執られた。
○日本道路公団
道路築造工事における盛土構造の設計に当たり、用地費を含めた建設費全体の比較検討を行って経済的な設計をする配慮が十分払われていなかったため、建設費が不経済となっていたので、指摘したところ改善の処置が執られた。
トンネル工事における掘削費等の積算の基準が施工の実態に適合していなかったため、積算額が過大になっていたので、指摘したところ改善の処置が執られた。
○首都高速道路公団
高速道路工事等における土砂運搬費の積算基準が施工の実態に適合していなかったため、積算額が過大になっていたので、指摘したところ改善の処置が執られた。
○住宅・都市整備公団
宅地等造成工事における機械土工費の積算の基準が施工の実態に適合していなかったため、積算額が過大になっていたので、指摘したところ改善の処置が執られた。
○電源開発株式会社
発電所等の建設工事における労務費の積算に当たり、工種に対応した労務者の職種及び単価が定められていなかったため、積算額が過大となっていたので、指摘したところ改善の処置が執られた。
○日本私学振興財団
私立大学等経常費補助金の算定において、算定の基礎となる専任教員等の要件が明確でなかったため、授業等を全く担当せず主として附属病院の診療業務に従事しその収入に寄与している者を含めていて、補助金が適切に交付されていなかったので、指摘したところ改善の処置が執られた。
○日本電信電話株式会社
リース会社に売り渡した電話機等の販売代金等について、決済に必要なデータシートの送付が遅延していたなどのため、収納が遅延し効率的な資金運用が図られていなかったので、指摘したところ改善の処置が執られた。
電話料金等の収納消込作業の請負契約に当たり、領収済通知書等の証票の様式に対する配慮が十分でなかったため、領収額等の金額を用紙に書き写す作業に係る経費が不経済となっていたので、指摘したところ改善の処置が執られた。
以上の不当事項、意見を表示し又は処置を要求した事項及び本院の指摘に基づき当局において改善の処置を講じた事項のほか、事業効果又は事業運営等の見地から問題を提起して事態の進展を図る要があると認めた事項を「特に掲記を要すると認めた事項」として、1件を掲記した。
○農林水産省
国有林野事業を取りまく環境は一段と厳しくなってきており、木材価格の下落・低迷及び資源的制約からみて木材販売による収入の増加を期待することは当分の間難しく、現状のまま推移すると、国有林野事業の財政は更に悪化し、63年度を目途として自己収入と事業支出の均衡を回復するという改善計画の当面の目標達成ばかりでなく、72年度までに収支の均衡を回復し、経営の健全性を確保するという目標の実現も困難となる。