ページトップ
  • 令和3年度|
  • 第1章 検査の概要

第2節 検査結果の大要


第1 事項等別の検査結果

2 第3章の「個別の検査結果」の概要

第3章の「個別の検査結果」に掲記した事項等のうち、不当事項、意見を表示し又は処置を要求した事項及び本院の指摘に基づき当局において改善の処置を講じた事項について、省庁等別にその件数及び金額を示すと表2のとおりである。

表2 省庁等別事項別検査結果の概要

事項
省庁又
は団体名
不当事項
意見を表示し又は処置を要求した事項 本院の指摘に基づき当局において改善の処置を講じた事項
注(1) 注(2) 注(2) 注(2)
         
国会
(衆議院)
        注(6)
1
956万円
(2億2349万円)
注(6)
1
956万円
(2億2349万円)
国会
(参議院)
        注(6)
1
732万円
(2億0107万円)
注(6)
1
732万円
(2億0107万円)
国会
(国立国会図書館)
        注(6)
1
301万円
(1億7941万円)
注(6)
1
301万円
(1億7941万円)
内閣府
(内閣府本府)
9 2億3598万円 注(3)
[36] 1
注(3) 1 4306万円 注(3)
11
注(3)
2億7904万円
総務省
17 4億2051万円 注(3)注(6)
[36] 1
注(3)
7億3061万円
(2兆7311億1621万円)
    注(3)
注(6)
18
注(3)
11億5112万円
(2兆7311億1621万円)
法務省
        1 6億9854万円 1 6億9854万円
外務省
    [36] 1 (1830万円)     1 (1830万円)
財務省
1 1億6217万円     1 (13億1891万円) 2 1億6217万円
(13億1891万円)
文部科学省
25 2億6593万円 [36] 1 9億1706万円     26 11億8299万円
厚生労働省
146 83億3222万円 [34]1 7019万円 1 4300万円 152 注(5)
88億6339万円
(16億9348万円)
(3億8426万円)
[34]・[36] 1 3億1719万円
[36] 3 1億4379万円
(16億9348万円)
(3億8426万円)
農林水産省
20 2億2120万円 [34]・[36] 1 5835万円 注(6)
1
3億9575万円
(44億3818万円)
注(6)
26
注(5)
56億5172万円
(39億2191万円)
(4646億3666万円)
(44億3818万円)
[36] 4 50億2308万円
(39億2191万円)
(4646億3666万円)
経済産業省
5 2718万円 注(4)
[36] 2
注(4)
15億4847万円
    注(4)
7
注(4)
15億7565万円
国土交通省
21 4億1851万円 [34]・[36] 2 2億6707万円 3 7922万円
(1億6605万円)
26 7億6480万円
(1億6605万円)
環境省
8 1億7890万円         8 1億7890万円
防衛省
4 6100万円     4 4億9745万円 8 5億5845万円
日本私立学校
振興・共済
事業団
4 2368万円         4 2368万円
東日本高速
道路株式会社
        注(6)
1
530万円
(8119万円)
注(6)
1
530万円
(8119万円)
中日本高速
道路株式会社
        注(6)
1
3047万円
(3410万円)
注(6)
1
3047万円
(3410万円)
西日本高速
道路株式会社
        1 (5542万円) 1 (5542万円)
国立研究開発法人国立環境
研究所
    [34]1 4325万円     1 4325万円
国立研究開発法人新エネル
ギー・産業
技術総合
開発機構
1 5116万円         1 5116万円
独立行政法人
鉄道建設・
運輸施設整備
支援機構
1 1430万円         1 1430万円
独立行政法人中小企業基盤
整備機構
    注(4)
[36] 1
注(4)
217億8227万円
    注(4)
1
注(4)
217億8227万円
独立行政法人日本高速道路
保有・債務
返済機構
        1 (305億2249万円) 1 (305億2249万円)
国立研究
開発法人
日本原子力
研究開発機構
1 176万円     1 1300万円 2 1476万円
独立行政法人
住宅金融
支援機構
    [34]・[36] 1 18億9089万円     1 18億9089万円
国立大学法人
東北大学
1 1272万円         1 1272万円
国立大学法人東京農工大学         1 5億3733万円 1 5億3733万円
国立大学法人
信州大学
        1 2658万円 1 2658万円
国立大学法人
神戸大学
1 406万円         1 406万円
合計
265 104億3136万円 注(3)注(4)
19
327億9222万円 22 23億8959万円 注(3)
注(4)
306
注(5)
455億2351万円
  • 注(1) 「意見を表示し又は処置を要求した事項」の件数欄の[34]は会計検査院法第34条の規定によるもの、[36]は会計検査院法第36条の規定によるものを示している。
  • 注(2) ( )内の金額は背景金額であり、個別の事案ごとにその捉え方が異なるため金額の合計はしていない。
  • 注(3) 内閣府(内閣府本府)のうち1件及び総務省のうち1件は、内閣府(内閣府本府)及び総務省の両方に係る指摘であり、金額は総務省のみに計上している。また、件数の合計に当たっては、その重複分を控除している。
  • 注(4) 経済産業省のうち1件及び独立行政法人中小企業基盤整備機構の1件は、経済産業省及び独立行政法人中小企業基盤整備機構の両方に係る指摘であり、金額は独立行政法人中小企業基盤整備機構のみに計上している。また、件数の合計に当たっては、その重複分を控除している。
  • 注(5) 「不当事項」と「意見を表示し又は処置を要求した事項」の両方で取り上げているもの(過剰木材在庫利用緊急対策事業に関するもの(2か所参照 リンク10220 20241))と、「不当事項」と「本院の指摘に基づき当局において改善の処置を講じた事項」の両方で取り上げているもの(人材開発支援助成金及びキャリアアップ助成金に関するもの(3か所参照 リンク10118 20120 30206))があり、それぞれその金額の重複分を控除しているので、各事項の金額を合計しても計欄の金額とは一致しない。
  • 注(6) 「意見を表示し又は処置を要求した事項」及び「本院の指摘に基づき当局において改善の処置を講じた事項」には、指摘金額と背景金額の両方があるものが計7件ある。

以上の各事項計306件について、事項別に、その件名等を示すと次の(1)、(2)及び(3)のとおりである。

(1) 不当事項

計 265件 104億3136万余円

 「不当事項」を収入、支出等の別に分類して、態様別に示すと、次のとおりである。なお、「不当事項」として掲記した事態については、会計検査院法第34条の規定により適宜の処置を要求し又は是正改善の処置を求めた事項に係る事態及び「本院の指摘に基づき当局において改善の処置を講じた事項」中会計経理に関し法令に違反し又は不当であると認める事態と併せて、同法第31条の規定等による懲戒処分の要求及び同法第32条の規定等による弁償責任の検定について検討を行うこととなる。

ア 収入に関するもの

計 4件 18億1500万余円

省庁又は団体名
租税
保険料
保険料
その他
物件
 
財務省
1       1
厚生労働省
  1 1   2
国立研究開発法人
新エネルギー・
産業技術総合
開発機構
      1 1
1 1 1 1 4
(ア) 租税

1件 1億6217万余円

<租税の徴収が適正でなかったもの>

財務省

(イ) 保険料

1件 1億4333万余円

<保険料の徴収が適正でなかったもの>

〇厚生労働省

(ウ) 保険料・その他

1件 14億5833万余円

<保険料等の徴収が適正でなかったもの>

〇厚生労働省

(エ) 物件

1件 5116万余円

<資産売却収入が不足していたもの>

〇国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構

イ 支出に関するもの

計 259件 86億0186万余円

省庁又は団体名
工事
物件
役務
保険
給付
医療費
補助金
不正
行為
その他
 
内閣府(内閣府本府)           9     9
総務省
          3   14 17
文部科学省
          25     25
厚生労働省
    7 3 1 130   3 144
農林水産省
    1     19     20
経済産業省
          5     5
国土交通省
2         19     21
環境省
    1     7     8
防衛省
  1 2       1   4
日本私立学校
振興・共済事業団
          4     4
独立行政法人
鉄道建設・
運輸施設
整備支援機構
1               1
国立大学法人
神戸大学
1               1
4 1 11 3 1 221 1 17 259
(ア) 工事

4件 2497万余円

(イ) 物件

1件 2055万余円

(ウ) 役務

11件 1億3388万余円

<委託費の支払が過大となっていたもの>

〇厚生労働省

〇農林水産省

<契約額が過大となっていたもの>

環境省

防衛省

<契約の処置が適切でなかったもの>

防衛省

(エ) 保険給付

3件 1億0311万余円

(オ) 医療費

1件 1億1087万余円

<医療費の支払が過大となっていたもの>

〇厚生労働省

(カ) 補助金(注)

221件 77億5934万余円

(注) 「補助金」には補助金に係る事態のほか、交付金及び負担金に係る事態を含んでいる。

<補助事業の実施及び経理が不当なもの>

〇内閣府(内閣府本府)

総務省

〇文部科学省

〇厚生労働省

〇農林水産省

〇経済産業省

〇国土交通省

環境省

〇日本私立学校振興・共済事業団

(キ) 不正行為

1件 480万余円

<現金が領得されたもの>

防衛省

(ク) その他

17件 4億4432万余円

ウ 収入支出以外に関するもの

計 2件 1448万余円

団体名
予算経理 不正行為
 
国立研究開発法人
日本原子力研究
開発機構
  1 1
国立大学法人
東北大学
1   1
1 1 2
(ア) 予算経理

1件 1272万余円

(イ) 不正行為

1件 176万余円

<物品が領得されたもの>

〇国立研究開発法人日本原子力研究開発機構

(2) 意見を表示し又は処置を要求した事項

計 19件

ア 会計検査院法第34条の規定によるもの

2件

(ア) 適宜の処置を要求し及び是正改善の処置を求めたもの

1件

(イ) 是正改善の処置を求めたもの

1件

イ 会計検査院法第34条及び同法第36条の規定によるもの

5件

(ア) 会計検査院法第34条の規定により適宜の処置を要求し及び同法第36条の規定により意見を表示したもの

1件

(イ) 会計検査院法第34条の規定により適宜の処置を要求し及び同法第36条の規定により改善の処置を要求したもの

2件

(ウ) 会計検査院法第34条の規定により適宜の処置を要求し及び是正改善の処置を求め並びに同法第36条の規定により改善の処置を要求したもの

2件

〇厚生労働省

〇国土交通省

ウ 会計検査院法第36条の規定によるもの

12件

(ア) 意見を表示したもの

5件

外務省

〇文部科学省

〇厚生労働省

〇農林水産省

〇経済産業省

(イ) 意見を表示し及び改善の処置を要求したもの

1件

(ウ) 改善の処置を要求したもの

6件

〇厚生労働省

〇農林水産省

〇経済産業省及び独立行政法人中小企業基盤整備機構

  • 独立行政法人中小企業基盤整備機構の貸付金等を財源として福島県が貸し付ける特定地域中小企業特別資金事業に係る資金について、規模の見直しを行い使用見込みのない額を算出して償還することを求めるとともに、新規の貸付けを実施する期間の終了前にも規模の見直しが定期的に行われたり同機構が制度をめぐる環境の変化等に応じて規模の見直しを求めたりすることを規定することにより今後も適時に見直しが行われるようにするよう改善の処置を要求したもの(1件 指摘金額 217億8227万円)

2か所参照 リンク10293 20426

(3) 本院の指摘に基づき当局において改善の処置を講じた事項

計 22件

〇国会(衆議院、参議院、国立国会図書館)

3件 指摘金額 衆議院956万円
参議院732万円
国立国会図書館301万円
背景金額 衆議院2億2349万円
参議院2億0107万円
国立国会図書館1億7941万円

〇内閣府(内閣府本府)

法務省

財務省

〇厚生労働省

〇農林水産省

〇国土交通省

防衛省

〇東日本高速道路株式会社、中日本高速道路株式会社、西日本高速道路株式会社

3件 指摘金額 東日本高速道路株式会社530万円
中日本高速道路株式会社3047万円
背景金額 東日本高速道路株式会社8119万円
中日本高速道路株式会社3410万円
西日本高速道路株式会社5542万円

〇独立行政法人日本高速道路保有・債務返済機構

〇国立研究開発法人日本原子力研究開発機構

〇国立大学法人東京農工大学、国立大学法人信州大学

2件 指摘金額 国立大学法人東京農工大学5億3733万円
国立大学法人信州大学2658万円

(4) 意見を表示し又は処置を要求した事項の結果

本院が意見を表示し又は処置を要求したもののうち、令和2年度決算検査報告を作成するまでに当局において処置が完了していなかったものは、17件あり、その結果を掲記した。このうち、処置が完了したものが13件、処置が完了していないものが4件となっており、省庁等別にその概要を示すと表3のとおりである。

表3 意見を表示し又は処置を要求した事項の結果の概要(単位:件)

省庁又は団体名 検査報告年度別処置未済件数 今年次に当局が講じた処置の状況
処置が完了したもの 処置が完了していないもの
内閣府(内閣府本府) 令和2年度 (注)
2
(注)
2
 
財務省
2年度 1 1  
厚生労働省
2年度 (注)
4
(注)
3
1
農林水産省
2年度 5 4 1
経済産業省
2年度 1 1  
国土交通省
平成29年度 1 1  
30年度 1   1
令和2年度 1 1  
防衛省
平成23年度 1   1
日本年金機構
令和2年度 1 1  
平成23年度 1   1
29年度 1 1  
30年度 1   1
令和2年度 (注)
14
(注)
12
2
合計
(注)
17
(注)
13
4

(注) 令和2年度決算検査報告の内閣府(内閣府本府)のうち1件及び厚生労働省のうち1件は、内閣府(内閣府本府)及び厚生労働省の両方に係る指摘についての結果であり、件数の合計に当たっては、その重複分を控除している。

上記のうち、処置が完了していない4件については、その処置状況について引き続き検査することとする。

(5) 不当事項に係る是正措置等の検査の結果

ア 検査報告に掲記した不当事項に係る是正措置の状況について

昭和21年度から令和2年度までの検査報告に掲記した不当事項に係る4年7月末現在の是正措置の状況について検査した結果、是正措置が未済となっているものが33省庁等における330件106億2157万余円あり、このうち金銭を返還させる是正措置を必要とするものが33省庁等における325件99億0982万余円ある。

イ 本院の指摘に基づき当局において改善の処置を講じた事項に係る処置の履行状況について

令和2年度決算検査報告において改善の処置の履行状況を継続して検査していくこととした本院の指摘に基づき当局において改善の処置を講じた事項41件のうち、今年次は履行状況の検査の対象となる会計経理等の実績がなかったことなどから検査を実施しなかったものなどを除いた34件について改善の処置の履行状況を検査した結果、改善の処置が一部履行されていなかったものが1件あり、不当事項として掲記した。