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事項等別の検査結果


第1 事項等別の検査結果

1 事項等別の概要

 検査の結果、第3章及び第4章に掲記した事項等には、次のものがある。

(1) 第3章「個別の検査結果」

ア 「不当事項」(検査の結果、法律、政令若しくは予算に違反し又は不当と認めた事項)
イ 「意見を表示し又は処置を要求した事項」(会計検査院法第34条又は第36条(注) の規定により関係大臣等に対して意見を表示し又は処置を要求した事項)
ウ 「本院の指摘に基づき当局において改善の処置を講じた事項」(本院が検査において指摘したところ当局において改善の処置を講じた事項)
エ 「不当事項に係る是正措置等の検査の結果」(本院が既往の検査報告に掲記した不当事項及び本院の指摘に基づき当局において改善の処置を講じた事項に関して、当局において執られた是正措置の状況及び処置の履行状況についての検査の結果)

(2) 第4章「国会及び内閣に対する報告並びに国会からの検査要請事項に関する報告等」

ア 「国会及び内閣に対する報告」(会計検査院法第30条の2(注) の規定により国会及び内閣に報告した事項)
イ 「国会からの検査要請事項に関する報告」(国会法(昭和22年法律第79号)第105条の規定による会計検査の要請を受けて検査した事項について会計検査院法第30条の3(注) の規定により国会に報告した検査の結果)
ウ 「国会からの検査要請事項に関する検査状況」(国会法第105条の規定による会計検査の要請を受けた事項に関して、検査報告に掲記する必要があると認めた検査の状況)
エ 「特定検査対象に関する検査状況」(本院の検査業務のうち、検査報告に掲記する必要があると認めた特定の検査対象に関する検査の状況)
オ 「国民の関心の高い事項等に関する検査状況」(本院の検査業務のうち、検査報告に掲記する必要があると認めた国民の関心の高い事項等に関する検査の状況)
カ 「特別会計財務書類の検査」(特別会計に関する法律(平成19年法律第23号)第19条第2項の規定による特別会計財務書類の検査)

(注)
会計検査院法
第30条の2  会計検査院は、第34条又は第36条の規定により意見を表示し又は処置を要求した事項その他特に必要と認める事項については、随時、国会及び内閣に報告することができる。
第30条の3  会計検査院は、各議院又は各議院の委員会若しくは参議院の調査会から国会法(昭和22年法律第79号)第105条(同法第54条の4第1項において準用する場合を含む。)の規定による要請があったときは、当該要請に係る特定の事項について検査を実施してその結果を報告することができる。
第34条  会計検査院は、検査の進行に伴い、会計経理に関し法令に違反し又は不当であると認める事項がある場合には、直ちに、本属長官又は関係者に対し当該会計経理について意見を表示し又は適宜の処置を要求し及びその後の経理について是正改善の処置をさせることができる。
第36条  会計検査院は、検査の結果法令、制度又は行政に関し改善を必要とする事項があると認めるときは、主務官庁その他の責任者に意見を表示し又は改善の処置を要求することができる。

 上記(1)のア、イ及びウ並びに(2)のアからエまでの事項等の件数及び金額は、表1のとおりである。

表1  事項等別検査結果の概要

 
事項等
 
件数
注(1)
指摘金額
背景金額
不当事項 425件 141億4122万円
意見を表示し又は処置を要求した事項
  注(2)
第34条 18件
<17件分>
32億1432万円
5920万円
546億0463万円
  注(2)
第34条及び第36条 6件
<5件分>
207億4221万円
1318億8947万円
6億8396万円
33億1252万円
1000億4162万円
  注(2)
第36条 52件
<39件分>
3573億4026万円
8億0801万円
200億円
4億3089万円
1357億3833万円
22億4129万円
32億4166万円
244億9911万円
792億8700万円
78億8922万円
60億4426万円
121億4231万円
56億2441万円
26億8993万円
9043万円
26億1023万円
小計
76件

<61件分>
3812億9679万円
本院の指摘に基づき当局において改善の処置を講じた事項
  注(2)
  54件
<52件分>
337億9933万円
4億4678万円
22億2551万円
5億0260万円
1億2182万円
55億2981万円
事項計 555件
<538件分> 注(3)
4283億8758万円
国会及び内閣に対する報告
  注(4)
  10件
国会からの検査要請事項に関する報告 1件
国会からの検査要請事項に関する検査状況 1件
特定検査対象に関する検査状況 6件
総計
  注(5)
  568件
<538件分> 注(3)
4283億8758万円
  指摘金額・背景金額  指摘金額とは、租税や社会保険料等の徴収不足額、工事や物品調達等に係る過大な支出額、補助金等の過大交付額、管理が適切に行われていない債権等の額、有効に活用されていない資産等の額、計算書や財務諸表等に適切に表示されていなかった資産等の額等である。
 背景金額とは、検査の結果法令、制度又は行政に関し改善を必要とする事項があると認める場合や、政策上の問題等から事業が進捗せず投資効果が発現していない事態について問題を提起する場合等において、上記の指摘金額を算出することができないときに、その事態に関する支出額や投資額等の全体の額を示すものである。なお、背景金額は個別の事案ごとにその捉え方が異なるため、金額の合計はしていない。

  「意見を表示し又は処置を要求した事項」及び「本院の指摘に基づき当局において改善の処置を講じた事項」には、指摘金額と背景金額の両方があるものが計9件ある。

  「不当事項」と「意見を表示し又は処置を要求した事項」の両方で取り上げているもの及び「不当事項」と「本院の指摘に基づき当局において改善の処置を講じた事項」の両方で取り上げているものがあり、それぞれその金額の重複分を控除しているので、各事項の金額を集計しても計欄の金額とは一致しない。

  「国会及び内閣に対する報告」のうち5件は「意見を表示し又は処置を要求した事項」として、第3章の「個別の検査結果」に掲記しており、件数が重複している。

  件数の合計に当たっては、上記注(4)の重複分(5件)を控除している。

2 第3章の「個別の検査結果」の概要

 第3章の「個別の検査結果」に掲記した各事項のうち、不当事項、意見を表示し又は処置を要求した事項及び本院の指摘に基づき当局において改善の処置を講じた事項について、省庁等別にその件数及び金額を示すと表2のとおりである。

表2 省庁等別事項別検査結果の概要
 

事項
省庁又は団体名
不当事項 意見を表示し又は処置を要求した事項 本院の指摘に基づき当局において改善の処置を講じた事項
 
内閣府
(内閣府本府)
1
 
1180万円
〔34〕 1
 
4億7010万円
 
 
2
 
4億8190万円

(警察庁)
        1 (4億4678万円) 1 (4億4678万円)

(消費者庁)
1 313万円         1 313万円
総務省 20 3億6362万円     1 1億2679万円 21 4億9041万円
法務省 7 3億0903万円     3 1億1780万円 10 4億2683万円
外務省 2 4億3080万円 〔34〕 1
〔36〕 2
1795万円
(8億0801万円)
(200億円)
1 755万円 6 4億5630万円
(8億0801万円)
(200億円)
財務省 6 3億8610万円 注(3)
〔36〕 2
注(3)
650億9926万円
1 (22億2551万円) 注(3)
9
注(3)
654億8536万円
(22億2551万円)
文部科学省 5 2036万円 〔34〕 1
〔36〕 1
3442万円
575億8671万円
1 52億7203万円 8 629億1352万円
厚生労働省 257 68億7335万円 〔34〕 3
注(8)
〔34〕・ 〔36〕 2
注(3)
〔36〕 7
6億7289万円
191億3433万円
(1318億8947万円)
注(3)
250億7563万円
(4億3089万円)
(1357億3833万円)
2 2億6099万円 注(3)
注(8)
271
注(3)注(7)
512億7234万円
(1318億8947万円)
(4億3089万円)
(1357億3833万円)
農林水産省 注(4)
40
注(4)
5億5770万円
注(5)注(8)
〔36〕 7
注(5)
400億3379万円
(22億4129万円)
注(8)
3
57億8579万円
(5億0260万円)
(1億2182万円)
注(5)
注(8)
50
注(5)
463億7728万円
(22億4129万円)
(5億0260万円)
(1億2182万円)
経済産業省 12 4億0710万円 〔34〕 1
〔36〕 2
4668万円657億円
(32億4166万円)
1 3469万円 16 661億8847万円
(32億4166万円)
国土交通省 29 26億1073万円 注(8)
〔34〕 2
注(8)
〔34〕 ・〔36〕 3
注(6)
〔36〕 6
2億0431万円
(5920万円)
8億2817万円
(6億8396万円)
(33億1252万円)
(1000億4162万円)
注(6)
690億8950万円
(244億9911万円)
(792億8700万円)
1 4359万円 注(6)
注(8)
41
注(6)
727億7630万円
(5920万円)
(6億8396万円)
(33億1252万円)
(1000億4162万円)
(244億9911万円)
(792億8700万円)
環境省 5 1億2814万円 〔34〕 1
注(8)
〔36〕 1
3億9187万円
23億6885万円
(78億8922万円)
    注(8)
7
28億8886万円
(78億8922万円)
防衛省 2 1592万円 〔34〕 3
〔36〕 2
1億1915万円
1022万円
(60億4426万円)
5 9億1815万円 12 10億6344万円
(60億4426万円)
日本私立学校振興・共済事業団 6 1億3060万円         6 1億3060万円
日本中央競馬会     〔34〕 1 4億5713万円     1 4億5713万円
東京地下鉄株式会社     〔36〕 1 (121億4231万円)     1 (121億4231万円)
東日本高速道路株式会社         1 539万円 1 539万円
中日本高速道路株式会社         2 2億3946万円 2 2億3946万円
西日本高速道路株式会社         2 1億8623万円 2 1億8623万円
本州四国連絡高速道路株式会社         1 110万円 1 110万円
日本郵政株式会社 1 10億8331万円         1 10億8331万円
全国健康保険協会 1 513万円         1 513万円
日本年金機構 2 1016万円 〔34〕 ・〔36〕 1
〔36〕 1
7億7971万円
(56億2441万円)
    4 注(7)
7億8390万円
(56億2441万円)
独立行政法人情報通信研究機構 1 1295万円         1 1295万円
独立行政法人日本貿易保険     〔34〕 1 9126万円     1 9126万円
独立行政法人産業技術総合研究所     〔36〕 1 42億2209万円     1 42億2209万円
独立行政法人造幣局     〔36〕 1 21億2400万円     1 21億2400万円
独立行政法人国立印刷局         1 710万円 1 710万円
独立行政法人農畜産業振興機構 2 1984万円 注(5)
〔36〕 1
注(5)
82億8413万円
    注(5)
3
83億0397万円
独立行政法人国際協力機構         1 1101万円 1 1101万円
独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構 1 2604万円     1 2億7306万円 2 2億9910万円
独立行政法人日本学術振興会 5 793万円     1 2963万円 6 3756万円
独立行政法人理化学研究所         注(8)
1
4億5952万円
(55億2981万円)
注(8)
1
4億5952万円
(55億2981万円)
独立行政法人宇宙航空研究開発機構         1 3805万円 1 3805万円
独立行政法人雇用・能力開発機構     〔34〕 1 6億7013万円 1 1億7694万円 2 8億4707万円
独立行政法人労働者健康福祉機構    
  2 18億0562万円 2 18億0562万円
独立行政法人国立病院機構 7 1億1311万円 〔36〕 1 1億2742万円
  8 注(7)
1億4159万円
独立行政法人海洋研究開発機構         1 18億3827万円 1 18億3827万円
独立行政法人中小企業基盤整備機構         1 8307万円 1 8307万円
独立行政法人都市再生機構 2 9309万円 〔34〕 2 3843万円(546億0463万円)     4 1億3152万円
(546億0463万円)
独立行政法人日本原子力研究開発機構         1 126億2770万円 1 126億2770万円
独立行政法人住宅金融支援機構 6 3億7990万円 注(6)
〔36〕 1
注(6)     注(6)
7
注(6)
3億7990万円
独立行政法人国立がん研究センター         1 2億4290万円 1 2億4290万円
独立行政法人国立循環器病研究センター         1 8億9341万円 1 8億9341万円
独立行政法人国立精神・神経医療研究センター         1 1830万円 1 1830万円
独立行政法人国立国際医療研究センター         1 1億0686万円 1 1億0686万円
独立行政法人国立成育医療研究センター         1 2億4055万円 1 2億4055万円
独立行政法人国立長寿医療研究センター         1 2452万円 1 2452万円
国立大学法人北海道大学     〔36〕 1 4065万円     1 4065万円
国立大学法人埼玉大学     〔36〕 1 2億4760万円     1 2億4760万円
国立大学法人東京大学 1 4493万円 〔36〕 1 154億0614万円     2 154億5107万円
国立大学法人東京医科歯科大学     〔36〕 1 2074万円     1 2074万円
国立大学法人東京外国語大学     〔36〕 1 7067万円     1 7067万円
国立大学法人一橋大学     〔36〕 1 1億3849万円     1 1億3849万円
国立大学法人新潟大学 1 4374万円
      1 4374万円
国立大学法人福井大学     〔36〕 1 1306万円     1 1306万円
国立大学法人信州大学     〔36〕 1 4487万円     1 4487万円
国立大学法人静岡大学     〔36〕 1 3億4524万円     1 3億4524万円
国立大学法人名古屋大学     〔36〕 1 8370万円     1 8370万円
国立大学法人京都大学     〔36〕 1 3億6222万円     1 3億6222万円
国立大学法人大阪大学     〔36〕 1 5億0212万円     1 5億0212万円
国立大学法人香川大学 1 1332万円
      1 1332万円
国立大学法人高知大学     〔36〕 1 9300万円     1 9300万円
国立大学法人九州大学     〔36〕 1 1億8906万円     1 1億8906万円
国立大学法人鹿児島大学     〔36〕 1 6110万円     1 6110万円
首都高速道路株式会社    
  2 9030万円 2 9030万円
阪神高速道路株式会社    
  2 6373万円 2 6373万円
独立行政法人沖縄科学技術研究基盤整備機構 1 3930万円
      1 3930万円
北海道旅客鉄道株式会社     〔36〕 1 (26億8993万円)     1 (26億8993万円)
四国旅客鉄道株式会社     〔36〕 1 (9043万円)     1 (9043万円)
九州旅客鉄道株式会社     〔36〕 1 (26億1023万円)     1 (26億1023万円)
エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社         1 2億1058万円 1 2億1058万円
東日本電信電話株式会社         2 4億2200万円 2 4億2200万円
西日本電信電話株式会社         2 11億2837万円 2 11億2837万円
株式会社かんぽ生命保険         1 828万円 1 828万円
合計 425 141億4122万円 注(3)
注(5)
注(6)
76
3812億9679万円 54 337億9933万円 注(3)
注(5)
注(6)
555
注(7)
4283億8758万円
注(1)
 「意見を表示し又は処置を要求した事項」の件数欄の〔34〕 は会計検査院法第34条の規定によるもの、〔36〕 は同法第36条の規定によるものを示している。

注(2)
 ( )内の金額は背景金額であり、個別の事案ごとにその捉え方が異なるため金額の合計はしていない。

注(3)
 財務省及び厚生労働省のうち各1件は、財務省及び厚生労働省の両方に係る指摘であり、金額は財務省のみに計上している。また、件数の合計に当たっては、その重複分を控除している。

注(4)
 農林水産省の「不当事項」には、「役務・補助金」と「補助金」の両方に掲記している事態が1件あり、件数及び金額の合計に当たっては、その重複分を控除している。

注(5)
 農林水産省及び独立行政法人農畜産業振興機構のうち各1件は、農林水産省及び独立行政法人農畜産業振興機構の両方に係る指摘であり、金額は独立行政法人農畜産業振興機構のみに計上している。また、件数の合計に当たっては、その重複分を控除している。

注(6)
 国土交通省及び独立行政法人住宅金融支援機構のうち各1件は、国土交通省及び独立行政法人住宅金融支援機構の両方に係る指摘であり、金額は国土交通省のみに計上している。また、件数の合計に当たっては、その重複分を控除している。

注(7)
 「不当事項」と「意見を表示し又は処置を要求した事項」の両方で取り上げているもの(〔1〕 検疫所等の健康監視システムに関するもの(2か所参照 1  2 参照)、〔2〕 国民健康保険の療養給付費補助金等に関するもの(2か所参照 1  2 参照)、〔3〕 ふるさと雇用再生特別基金事業に関するもの(2か所参照 1  2 参照)、〔4〕 年金相談センター運営業務の委託に関するもの(2か所参照 1  2 参照)、〔5〕 独立行政法人国立病院機構病院における診療報酬の請求に関するもの(2か所参照 1  2 参照))と、「不当事項」と「本院の指摘に基づき当局において改善の処置を講じた事項」の両方で取り上げているもの(〔6〕 雇用保険の失業等給付金に関するもの(2か所参照 1  2 参照)、〔7〕 介護給付費負担金に関するもの(2か所参照 1  2 参照))があり、それぞれその金額の重複分を控除しているので、各事項の金額を集計しても計欄の金額とは一致しない。

注(8)
 「意見を表示し又は処置を要求した事項」及び「本院の指摘に基づき当局において改善の処置を講じた事項」には、指摘金額と背景金額の両方があるものが計9件ある。

 以上の各事項計555件について、不当事項等の別に、その件名等を示すと次の(1)、(2)及び(3)のとおりである。

(1) 不当事項
計 425件 141億4122万余円

 「不当事項」を収入、支出等の別に分類して、態様別に示すと、次のとおりである。なお、「不当事項」として掲記した事態については、会計検査院法第34条の規定により適宜の処置を要求し又は是正改善の処置を求めた事項に係る事態及び「本院の指摘に基づき当局において改善の処置を講じた事項」中会計経理に関し法令に違反し又は不当であると認める事態と併せて、同法第31条の規定等による懲戒処分の要求及び同法第32条の規定等による弁償責任の検定について検討を行うこととなる。

ア 収入に関するもの
計 22件 25億9006万余円


省庁又は団体名 予算経理 租税 保険料 物件 医療費 不正行為
法務省
1

1
外務省           1 1
財務省   3   1   1 5
厚生労働省     2       2
農林水産省       1     1
国土交通省           1 1
全国健康保険協会 1           1
独立行政法人国立病院機構         7   7
国立大学法人東京大学 1           1
国立大学法人新潟大学 1           1
国立大学法人香川大学 1           1
4 3 2 2 7 4 22

(ア) 予算経理
4件 1億0713万余円

<会計経理が適正を欠いていたもの>

〇全国健康保険協会

・生活習慣病予防健診申込データ入力業務に係る委託契約の締結に当たり、会計規程等に違背して、本来行うべき契約手続を行わなかったため、契約書に基づいた違約金の請求をすることができなかったもの(1件 513万余円)

〇国立大学法人東京大学、国立大学法人新潟大学、国立大学法人香川大学

・教員等個人宛て寄附金の経理が不当と認められるもの(3件 1億0200万余円)

(イ) 租税
3件 3億1988万余円

<租税の徴収等が適正でなかったもの>

〇財務省

・租税の徴収に当たり、徴収額に過不足があったもの(1件 2億7537万余円)

・査察事案の事務処理が適正に行われなかったため、重加算税等を賦課決定できなかったり、延滞税を過小に徴収決定したりしていたもの(1件 3564万余円)

・還付金等に係る支払事務において、未納の国税に充てなければならない還付金等を還付していたもの(1件 886万余円)

(ウ) 保険料
2件 19億8609万余円

<保険料の徴収が適正でなかったもの>

〇厚生労働省

・労働保険の保険料の徴収に当たり、徴収額に過不足があったもの(1件 3億7398万余円)

・健康保険及び厚生年金保険の保険料の徴収に当たり、徴収額が不足していたもの(1件 16億1211万余円)

(エ) 物件
2件 4264万余円

<貸付料等の徴収が適切でなかったもの>

〇財務省

・所管換により引き受けた土地について、貸付契約の更改等を行わず貸付料が納付されていなかったもの(1件 3593万余円)

〇農林水産省

・森林レクリエーション事業のため国有林野の使用を許可する場合の許可使用料の算定を誤ったため、許可使用料が低額となっていたもの(1件 670万余円)

(オ) 医療費
7件 1億1311万余円

<診療報酬の請求が適切でなかったもの>

〇独立行政法人国立病院機構

・独立行政法人国立病院機構病院における診療報酬の請求に当たり、手術料等の請求額に過不足があったもの(7件 1億1311万余円)

(カ) 不正行為
4件 2119万余円

<現金等が領得されたもの>

〇法務省

・職員の不正行為による損害が生じたもの(1件 320万余円)

〇外務省

・職員の不正行為による損害が生じたもの(1件 66万余円)

〇財務省

・職員の不正行為による損害が生じたもの(1件 703万余円)

〇国土交通省

・職員の不正行為による損害が生じたもの(1件 1028万余円)

イ 支出に関するもの
(注)
計 402件 115億1116万余円


省庁又は団体名 予算経理 予算経理・役務 工事 物件 役務 役務・補助金 保険給付 医療費 補助金 貸付金 不正行為 その他
内閣府(内閣府本府)
1

1
同(消費者庁) 1                       1
総務省                 7     13 20
法務省 5                       5
外務省 1                       1
財務省                       1 1
文部科学省                 5       5
厚生労働省   9     1   4 2 238     1 255
農林水産省           1     39       (注)
39
経済産業省         3       9       12
国土交通省 1   1           26       28
環境省                 5       5
防衛省       1             1   2
日本私立学校振興・共済事業団                 6       6
日本郵政株式会社 1                       1
日本年金機構         2               2
独立行政法人情報通信研究機構         1               1
独立行政法人農畜産業振興機構                 2       2
独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構         1               1
独立行政法人日本学術振興会                 5       5
独立行政法人都市再生機構         2               2
独立行政法人住宅金融支援機構                   6     6
独立行政法人沖縄科学技術研究基盤整備機構         1               1
9 9 1 1 12 1 4 2 342 6 1 15 (注)
402
 同一の事態について「役務・補助金」と「補助金」の両方に掲記しているものが1件あり、件数及び金額の合計に当たっては、その重複分を控除している。


(ア) 予算経理
9件 34億8845万余円

<会計経理が適正を欠いていたもの>

〇内閣府(消費者庁)

・資金前渡官吏が科目の更正処理を誤ったことにより生じた前渡資金の残額の不足を解消するため、所要額と異なる額の前渡資金を請求し、官署支出官が請求額どおりに支出決定を行ったことにより、非常勤職員手当が適正な科目から支出されていなかったもの(1件 313万余円)

〇法務省

・保護室棟等新営工事に当たり、翌年度にわたる債務負担の承認以前に事実と異なる工期で契約を締結して実質的に翌年度にわたる債務負担を行うなど不適正な会計経理を行っていたもの(4件 2億4848万余円)

・刑務所の常勤医師が、許可を受けて行うこととされていた外部研修を全く行っておらず、正規の勤務時間中に勤務していなかったのに、この勤務しなかった時間に係る給与を減額することなく支給していたもの(1件 1734万余円)

〇外務省

・本来属すべき会計年度と異なる会計年度から支払を行ったり、歳入徴収官、資金前渡官 吏等が自ら行うべき事務が当該者により行われていなかったりするなどの不適正な会計 経理を行うなどしていたもの(1件 4億3013万余円)

〇国土交通省

・委託工事の実施に当たり、契約の履行の確認を適切に行っていないのに、委託工事が完了したとする検査調書を作成するなど、不適正な会計経理を行って委託工事費を支払っていたもの(1件 17億0605万余円)

〇日本郵政株式会社

・役務の調達等に当たり、虚偽の内容の関係書類を作成して契約を締結するなど不適正な契約事務処理を行っていたもの(1件 10億8331万余円)

(イ) 予算経理・役務
9件 6億0814万余円

<会計経理が適正を欠いていたもの及び仕様等が適切でなかったもの>

〇厚生労働省

・システムの開発、機器購入等に係る契約において、契約の履行が完了していないのに事実と異なる検査調書を作成して契約代金を支払うなどしていたり、システムの機能の一部が、検討が十分でなかったことから業務上の使用に耐えないなどのため全く利用されていなかったりしていたもの(9件 6億0814万余円)

(ウ) 工事
1件 3566万余円

<設計が適切でなかったもの>

〇国土交通省

・浮桟橋の係留杭の設置工事の実施に当たり、適切な設計変更の措置を執っておらず、設計が適切でなかったため、工事の目的を達していなかったもの(1件 3566万余円)

(エ) 物件
1件 1445万余円

<検査が適切でなかったもの>

〇防衛省

・給食業務実施要領書等の調達に当たり、契約内容に適合した履行が確保されていないのに、受領検査が適切でなかったため契約金額の全額を支払っていたもの(1件 1445万余円)

(オ) 役務
12件 5億8234万余円

<委託費等の支払が過大となっていたもの>

〇厚生労働省

・高年齢者就業機会確保事業指導事業に係る委託事業の実施に当たり、委託事業に従事していなかった職員に係る給与等を委託費から支払っていたため、委託費の支払額が過大となっていたもの(1件 1573万余円)

〇経済産業省

・業務委託契約において、実績を大幅に上回る単価に基づき人件費を算定するなどしていたため、委託費の支払額が過大となっていたもの(2件 2004万余円)

・石油精製物質の有害性に関する試験及び報告書の作成業務に関する調査委託契約において、委託業務に従事していない者の人件費等を含めて算定するなどしていたため、委託費の支払額が過大となっていたもの(1件 3億5320万余円)

〇日本年金機構

・年金相談センター運営業務委託において、委託費の対象とはならない研修に係る経費を委託費の対象経費として支払っていたもの(1件 597万余円)

〇独立行政法人情報通信研究機構

・光デバイスの試作・研究開発を行うための各種装置の維持管理等に係る業務委託において、実際とは異なる従事時間数に基づいて契約代金を算定していたため、契約代金が過大に支払われていたもの(1件 1295万余円)

〇独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構

・地域バイオマス熱利用フィールドテスト事業の実施に当たり、共同研究に要する経費の計上が適正を欠いたため、負担額の支払が過大となっていたもの(1件 2604万余円)

<契約額等が割高となっていたもの>

〇内閣府(内閣府本府)

・情報システム関係業務に係る請負契約において、計上の必要がない人件費に係る管理費等を計上していたため、予定価格が過大となり契約額が割高となっていたもの(1件 1180万円)

〇独立行政法人都市再生機構

・個人向宅地募集等の業務に係る予定価格の積算に当たり、月額単価の適用や所要人数の算定を誤っていたため、委託費の支払額が割高となっていたもの(1件 6700万円)

〇独立行政法人沖縄科学技術研究基盤整備機構

・警備業務等に係る委託契約において、深夜勤務を含む時間帯に係る直接人件費を誤って算定するなどしていたため、予定価格が過大となり契約額が割高となっていたもの(1件 3930万円)

<契約額が過大となっていたもの>

〇独立行政法人都市再生機構

・顧客情報等総合管理システムの管理運営に係る業務委託契約において、実施する必要がなくなった業務に係る契約の変更を適切に行わなかったため、契約額が過大となっていたもの(1件 2609万余円)

<仕様等が適切でなかったもの>

〇日本年金機構

・厚生年金加入記録のお知らせを送付対象者ではない者に対して送付していたため、送付件数が過大となっていたもの(1件 419万余円)

(カ) 役務・補助金
1件 5311万余円

<委託費等の支払が過大となっていたもの並びに補助事業の実施及び経理が不当なもの>

〇農林水産省

・委託事業及び補助事業において、従事者が従事したとしている日数が事業開始から終了までの日数を超過するなどしていたのに、従事実績の確認を行わずに人件費の精算等を行っていたため、委託費の支払額及び補助金の交付額が過大となっていたもの(1件 5311万余円)

(キ) 保険給付
4件 4億1975万余円

<保険の給付が適正でなかったもの>

〇厚生労働省

・雇用保険の失業等給付金の支給が適正でなかったもの(1件 8656万余円)

・雇用保険の雇用調整助成金の支給が適正でなかったもの(1件 2億7528万余円)

・雇用保険の特定求職者雇用開発助成金の支給が適正でなかったもの(1件 2244万余円)

・厚生年金保険の老齢厚生年金の支給が適正でなかったもの(1件 3545万余円)

(ク) 医療費
2件 4億5247万余円

<医療費等の支払が過大となっていたもの>

〇厚生労働省

・医療費等に係る国の負担が不当と認められるもの(1件 4億3876万余円)

・労働者災害補償保険の療養の給付に要する診療費の支払が過大となっていたもの(1件 1370万余円)

(ケ) 補助金
342件 51億8379万余円

<補助事業の実施及び経理が不当なもの>

〇総務省

・市町村合併推進体制整備費補助金が過大に交付されていたもの(3件 1億3966万円)

・地域情報通信技術利活用推進交付金等の交付を受けて実施する事業の計画が適切でなかったなどのもの(4件 9143万余円)

〇文部科学省

・地域科学技術振興事業費補助金が過大に交付されていたもの(1件 1029万余円)

・科学研究費補助金が過大に交付されていたもの(3件 757万余円)

・未来開拓学術研究費補助金が過大に交付されていたもの(1件 250万円)

〇厚生労働省

・国民健康保険の療養給付費補助金等が過大に交付されていたもの(4件 5億0219万余円)

・国民健康保険の療養給付費負担金が過大に交付されていたもの(53件 5億8615万余円)

・国民健康保険の財政調整交付金が過大に交付されていたもの(40件 9億3221万余円)

・衛生関係指導者養成等委託費(インターネットを活用した専門医の育成等事業に係る分)が過大に交付されていたもの(1件 1735万余円)

・簡易水道等施設整備費補助金で実施した工事の設計が適切でなかったもの(1件 1369万余円)

・次世代育成支援対策交付金が過大に交付されていたもの(7件 3972万余円)

・児童保護費等負担金の国庫負担対象事業費が過大に精算されていたもの(27件 8651万余円)

・児童扶養手当給付費負担金が過大に交付されていたもの(4件 881万余円)

・生活保護費等負担金が過大に交付されていたもの(7件 3986万余円)

・地方改善事業費(隣保館運営費等)補助金(隣保館運営等事業に係る分)が過大に交付されていたもの(5件 4496万余円)

・地域生活支援事業費等補助金が過大に交付されていたもの(3件 564万円)

・障害児施設措置費(給付費等)国庫負担金が過大に交付されていたもの(3件 1621万余円)

・障害者自立支援給付費負担金が過大に交付されていたもの(12件 2億6816万余円)

・地域支援事業交付金が過大に交付されていたもの(6件 5250万余円)

・介護給付費負担金が過大に交付されていたもの(27件 1億4937万余円)

・介護保険の普通調整交付金が過大に交付されていたもの(12件 5179万余円)

・地域介護・福祉空間整備推進交付金(夜間対応型訪問介護分)が過大に交付されていたもの(1件 1357万余円)

・厚生労働科学研究費補助金が過大に交付されていたもの(11件 3億1632万余円)

・保健事業費等負担金(健康診査費分)が過大に交付されていたもの(2件 863万余円)

・在宅福祉事業費補助金が過大に交付されていたもの(1件 159万余円)

・知的障害者施設訓練等支援費等国庫負担金が過大に交付されていたもの(1件 259万余円)

・身体障害者保護費負担金が過大に交付されていたもの(2件 569万余円)

・労働災害防止対策費補助金の補助対象経費が過大に精算されていたもの(1件 3014万余円)

・産業医学助成費補助金の補助対象経費が過大に精算されていたもの(1件 785万余円)

・ふるさと雇用再生特別交付金により造成した基金を補助の目的外に使用していたもの(4件 3657万余円)

・放課後子どもプラン推進事業費補助金(放課後児童健全育成事業等に係る分)が過大に交付されていたもの(2件 1449万余円)

〇農林水産省

・補助対象事業費を過大に精算していたもの(10件 7722万余円)

・補助の対象とならないなどのもの(7件 2754万余円)

・補助金を過大に受給するなどしていたもの(7件 1295万余円)

・補助の対象とならないもの及び補助金の交付額の算定が適切でなかったもの(6件 2638万余円)

・事業の一部を実施していなかったもの及び補助の対象とならないもの(2件 8535万余円)

・補助事業に係る国の事務が適正でなかったもの(1件 2億4586万余円)

・工事の設計が適切でなかったもの(1件 766万円)

・補助の目的を達していなかったもの(1件 621万余円)

・事業の一部を実施していなかったもの及び補助対象事業費を過大に精算していたもの(1件 395万余円)

・補助の目的外に使用していたもの(1件 351万余円)

・事業の一部を実施していなかったもの(1件 221万余円)

・補助の対象とならないもの及び補助の目的を達していなかったもの(1件 166万余円)

〇経済産業省

・補助対象事業費を過大に精算するなどしていたもの(5件 852万余円)

・不適正な経理処理を行うことにより補助金を受給していたもの(1件 1515万余円)

・補助金により造成した基金の使用が適切でなかったもの(1件 778万余円)

・工事の設計が適切でなかったもの(1件 136万余円)

・補助の目的を達していなかったもの(1件 102万余円)

〇国土交通省

・補助金の交付額の算定が適切でなかったもの(9件 6138万余円)

・工事の設計が適切でなかったもの(7件 1億5446万余円)

・工事の施工が設計と相違していたもの(3件 7881万余円)

・補償費の算定が適切でなかったもの(2件 387万余円)

・不適正な経理処理を行っていたもの(1件 4億4793万円)

・補助事業により取得した財産の処分に係る手続が適正でなかったもの(1件 8661万余円)

・工事の設計及び施工が適切でなかったもの(1件 1873万余円)

・補助の対象とならないもの(1件 440万余円)

・補助の対象とならないもの及び補助金の交付額の算定が適切でなかったもの(1件 250万余円)

〇環境省

・補助金を過大に受給していたもの(2件 1011万余円)

・事業を実施していなかったもの(1件 1億1069万余円)

・補助の対象とならないもの(1件 630万余円)

・補助対象事業費を過大に精算していたもの(1件 103万余円)

〇日本私立学校振興・共済事業団

・私立大学等経常費補助金の経理が不当と認められるもの(6件 1億3060万余円)

〇独立行政法人農畜産業振興機構

・補助金の交付額の算定が適切でなかったもの(1件 1231万余円)

・補助金により造成した基金の使用が適切でなかったもの(1件 752万余円)

〇独立行政法人日本学術振興会

・科学研究費補助金の経理が不当と認められるもの(5件 793万余円)

(コ) 貸付金
6件 3億7990万円

<貸付金の経理が不当なもの>

〇独立行政法人住宅金融支援機構

・バリアフリー賃貸住宅建設資金の貸付けに当たり、貸付条件に適合していない事実を把握するなどしていたのに、借入申込みを不承認とするなどの措置を講ずることなく貸し付けていたもの(6件 3億7990万円)

(サ) 不正行為
1件 147万余円

<現金が領得されたもの>

〇防衛省

・職員の不正行為による損害が生じたもの(1件 147万余円)

(シ) その他
15件 2億9425万余円

<交付税の交付が不当なもの>

〇総務省

・特別交付税の交付の対象となる経費の算定に当たり、都道府県補助金等の特定財源を控除しないで計算していたなどのため、特別交付税が過大に交付されていたもの(13件 1億3252万余円)

<介護給付費の支払が過大となっていたもの>

〇厚生労働省

・介護給付費に係る国の負担が不当と認められるもの(1件 1億3847万余円)

<交付金の交付が不当なもの>

〇財務省

・貸し付けていた土地に係る国有財産台帳価格を適切に改定していなかったため、国有資産等所在市町村交付金が過大に交付されていたもの(1件 2324万余円)

ウ 収入支出以外に関するもの 1件 4000万円
不正行為 1件 4000万円

<現金が領得されたもの>

〇法務省

・職員の不正行為による損害が生じたもの(1件 4000万円)

(2) 意見を表示し又は処置を要求した事項

76件


ア 会計検査院法第34条の規定によるもの 18件
(ア) 適宜の処置を要求し及び是正改善の処置を求めたもの 5件

〇文部科学省

・在外教育施設へ派遣する教員の給与等の経費を所属元の都道府県へ委託費として交付するに当たり、委託費の対象となる経費の支給実績額を正しく把握して、委託費の算定を適正なものとするよう適宜の処置を要求し及び是正改善の処置を求めたもの(1件 指摘金額 3442万円)

〇厚生労働省

・国民健康保険組合における組合員の被保険者資格の確認を適切に行うことにより、組合員資格の適正化を図るとともに、療養給付費補助金等の算定が適正なものとなるよう適宜の処置を要求し及び是正改善の処置を求めたもの(1件 指摘金額 5億0186万円)

・緊急人材育成支援事業において、主たる生計者要件の確認及び支給終了者一覧の作成を適切に行うことにより、基金からの支援給付金の支給及び支援資金の返済免除等に伴う基金からの補助金の交付が適正なものとなるよう適宜の処置を要求し及び是正改善の処置を求めたもの(1件 指摘金額 6043万円)

〇経済産業省

・中小企業再生支援協議会事業において、謝金支払額に係る消費税額が重複して計上されていたため過大に交付された委託費の返還を求めるなどの措置を速やかに講ずるとともに、謝金支払額が消費税の課税の対象であるかの確認を適切に行うことなどにより委託費の算定を適正なものとするよう適宜の処置を要求し及び是正改善の処置を求めたもの(1件 指摘金額 4668万円)

〇独立行政法人都市再生機構

・賃貸住宅団地内の敷地の貸与に当たり、固定資産税等の非課税申告や減免申請をしたり、敷地の使用者に固定資産税等相当額の負担を求めたりなどして、賃貸住宅団地内の敷地の貸与を適切かつ経済的に行うよう適宜の処置を要求し及び是正改善の処置を求めたもの(1件 指摘金額 3843万円)

(イ) 是正改善の処置を求めたもの
13件

〇内閣府(内閣府本府)

・国営公園維持管理推進費補助金により造成された基本財産から生じた運用益について、使途を明確に定めるとともに、区分経理を行わせることなどにより、その管理が適切に行われるよう是正改善の処置を求めたもの(1件 指摘金額 4億7010万円)

〇外務省

・在外公館の長に対する赴任旅費の支給に当たり、着後手当を転任の際の宿泊の実態に即した適切なものとするよう是正改善の処置を求めたもの(1件 指摘金額 1795万円)

〇厚生労働省

・検疫所等に導入した健康監視システムの通常検疫業務機能及び通常検疫業務システムについて、有効利用を図ったり運用の停止を含めた検討を行ったりするよう是正改善の処置を求めたもの(1件 指摘金額 1億1060万円)

〇国土交通省

・鉄道事業者に委託する工事の実施に当たり、管理費の根拠資料を鉄道事業者から提出させることなどにより、委託工事費の精算等を適切に行うよう是正改善の処置を求めたもの(1件 指摘金額 8200万円 背景金額 5920万円)

・道路整備事業に伴う建物等の移転補償費の算定に当たり、キュービクル式の受変電設備を機械設備として取り扱うことを明確にするなどして、その算定を適切なものとするよう是正改善の処置を求めたもの(1件 指摘金額 1億2231万円)

〇環境省

・循環型社会形成推進交付金等による施設整備について、交付要領において予備品等が交付対象とならないことを明確にするなどして、交付金等の交付が適切に行われるよう是正改善の処置を求めたもの(1件 指摘金額 3億9187万円)

〇防衛省

・自衛隊病院等における診療料の施設基準等に係る届出を適時適切に行うなどして診療報酬を適切に算定するとともに、労災算定基準に基づいて労災診療費を適切に算定するよう是正改善の処置を求めたもの(1件 指摘金額 2834万円)

・給食事務を支援するためのソフトウェアを利用して、海上自衛隊における給食事務の一層の効率化を図るため、同ソフトウェアの利用状況の把握に努め、速やかに給食機関等に対して操作教育等を実施するよう是正改善の処置を求めたもの(1件 指摘金額 4731万円)

・訓練用の12.7mm普通弾及び12.7mmえい光弾を使用した射撃訓練をより円滑に実施することなどについて検討することにより、航空自衛隊において長期にわたり保有されたままとなっているこれらの弾薬の有効活用を図るよう是正改善の処置を求めたもの(1件 指摘金額 4350万円)

〇日本中央競馬会

・場外勝馬投票券発売所及び競馬場に自動販売機及び売店等を設置するための子会社等との契約を抜本的に見直すことにより、競争性及び透明性を確保するとともに、利益を享受することができるよう是正改善の処置を求めたもの(1件 指摘金額 4億5713万円)

〇独立行政法人日本貿易保険

・貿易一般保険の保険金の査定に当たり、確実に物流を確認できる書類を徴取して保険対象である取引の存在を確認することをマニュアルに明記することなどにより、的確な査定を行うための体制を整備するよう是正改善の処置を求めたもの(1件 指摘金額 9126万円)

〇独立行政法人雇用・能力開発機構

・雇用促進住宅の貸与契約の締結等に関する業務を実施するための統括事務所について、雇用促進住宅の施設を有効活用することなどにより、その設置に係る費用の低減を図るよう是正改善の処置を求めたもの(1件 指摘金額 6億7013万円)

〇独立行政法人都市再生機構

・償却資産の把握に係る事務について、統一的な事務処理体制を整備して適切かつ効率的に行うよう是正改善の処置を求めたもの(1件 背景金額 546億0463万円)

イ 会計検査院法第34条及び同法第36条の規定によるもの
6件

(ア) 会計検査院法第34条の規定により適宜の処置を要求し及び是正改善の処置を求め並びに同法第36条の規定により意見を表示したもの
2件

〇国土交通省

・高齢者向け優良賃貸住宅について、整備及び管理を適切に実施することにより、高齢者に有効に活用されるよう意見を表示し、並びに適宜の処置を要求し及び是正改善の処置を求めたもの(1件 指摘金額 2億6188万円 背景金額 6億8396万円)

〇日本年金機構

・年金相談業務に係る契約の実施に当たり、契約の履行確認を徹底するなどするよう適 宜の処置を要求し及び是正改善の処置を求め、並びに委託する年金相談窓口数の見直 しを行うなどして、年金相談業務の実施等が経済的なものとなるよう意見を表示した もの(1件 指摘金額 7億7971万円)

(イ) 会計検査院法第34条の規定により是正改善の処置を求め並びに同法第36条の規定により意見を表示し及び改善の処置を要求したもの
1件

〇国土交通省

・自動車損害賠償責任保険に係る無保険車対策における監視活動及び街頭取締りを通達に沿って適切に行うよう是正改善の処置を求め、並びに各担当部門間で車検切れ車についての情報を共有したり、車検対象車も無保険車対策の対象としたりすることなどにより同対策が効果的なものとなるよう改善の処置を要求し及び意見を表示したもの(1件 背景金額 33億1252万円)


(ウ) 会計検査院法第34条の規定により適宜の処置を要求し及び是正改善の処置を求め並びに同法第36条の規定により改善の処置を要求したもの
1件

〇厚生労働省

・生活保護事業の実施において、保護費に係る返還金等の額の算定を適正に行うよう適宜の処置を要求し及び是正改善の処置を求め並びに保護費の返還及び徴収の決定を適切に行うことにより生活保護費等負担金の精算が適正なものとなるよう改善の処置を要求したもの(1件 指摘金額 2億7031万円)

(エ) 会計検査院法第34条の規定により是正改善の処置を求め及び同法第36条の規定により 改善の処置を要求したもの
2件

〇厚生労働省

・緊急雇用創出事業及びふるさと基金事業における契約形態を、事業の性質に鑑み、原則として概算契約とするための必要な措置を講ずるよう改善の処置を要求し、概算契約の精算時に支払額の確認を適切に実施することを都道府県に対して周知徹底するよう是正改善の処置を求めたもの(1件 指摘金額 188億6402万円 背景金額 1318億8947万円)

〇国土交通省

・移動等円滑化に係る事業の実施に当たり、移動等円滑化の一体的推進等が適切に行われ、事業が計画的かつ効果的に実施されるよう改善の処置を要求し、踏切道等における事業が適切に実施されるよう是正改善の処置を求めたもの(1件 指摘金額 5億6629万円 背景金額 1000億4162万円)


ウ 会計検査院法第36条の規定によるもの
52件

(ア) 意見を表示したもの
17件

〇外務省

・政府開発援助の実施に当たり、贈与資金の効率的かつ効果的な活用等を図るよう意見を表示したもの(1件 背景金額 8億0801万円)

・環境・気候変動対策無償資金協力事業の実施に当たり、相手国に対して事業の具体化及び進捗を促すなどして、贈与資金がより効率的に活用されるよう意見を表示したもの(1件 背景金額 200億円)

〇財務省及び厚生労働省

・社会保険診療報酬の所得計算の特例に係る租税特別措置が有効かつ公平に機能しているかの検証を行い、当該特例について、その目的に沿ったより適切なものとするための検討を行うなどの措置を講ずるよう意見を表示したもの(1件 指摘金額 32億1109万円)(2か所参照 1  2

〇文部科学省

・各都道府県に移管された高校奨学金事業について、運営状況等を的確に把握し、これに基づいて必要な助言等を行うなどの所要の対応を執るなどして、将来にわたって適切な運営が確保されるよう意見を表示したもの(1件 指摘金額 575億8671万円)

[本件については、会計検査院法第30条の2の規定により、平成23年9月22日に、国会及び内閣に報告 している。]

〇厚生労働省

・医師、歯科医師及び薬剤師が加入する国民健康保険組合において、組合員が診療所等の休止又は廃止を届け出た後におけるそれぞれの事業又は業務への従事の状況を適時的確に把握して組合員資格の管理を適切に行うなどするよう意見を表示したもの(1件 背景金額 4億3089万円)

・緊急人材育成支援事業の実施状況を踏まえ、その制度を基に創設される求職者支援制度において職業訓練受講給付金が適正に支給されるよう、また、事業効果を適切に把 握し十分に発現される体制となるよう意見を表示したもの(1件 背景金額 1357億3833万円)

[本件については、会計検査院法第30条の2の規定により、平成23年10月5日に、国会及び内閣に報告している。]

・第三者行為災害に係る支給停止の制度について、労災保険給付と第三者等からの保険金等の支給との重複が多額に上ることを避けるための方策を検討するよう意見を表示したもの(1件 指摘金額 7億5999万円)

・国が厚生年金保険等の保険料を原資として設置した福祉施設の運営により生じた資金等について、適切な規模を把握した上で、その有効活用を図るよう意見を表示したも の(1件 指摘金額 222億5852万円)

〇農林水産省

・農地等に係る贈与税及び相続税の納税猶予制度の適用を適切なものとするため、農地法に基づく遊休農地対策を適切に実施させるなどするよう意見を表示したもの(1件 指摘金額 35億7606万円)

・東郷ダムの工事が完了していないため事業期間が長期化している国営東郷土地改良事業及び国営ふらの土地改良事業について、事後評価を行ってその結果を事業に適切に反映させるとともに、可能な限り経済的で効果的なかんがい用水の水源確保の方法を選定して事業効果の早期発現を図るよう意見を表示したもの(1件 指摘金額 343億0973万円)

[本件については、会計検査院法第30条の2の規定により、平成23年9月22日に、国会及び内閣に報告している。]

〇経済産業省

・特許料等の納付について、特許印紙による納付から口座振替による納付への積極的な誘導施策を検討することなどにより、特許印紙売りさばき手数料の負担の軽減を図る よう意見を表示したもの(1件 背景金額 32億4166万円)

・エネルギー対策特別会計の周辺地域整備資金について、当面の間は資金残高の規模を縮減させるとともに、今後需要額の算定が必要となる場合には積立目標額の規模を見直すなどして、当面需要が見込まれない資金を滞留させないような方策を検討するよう意見を表示したもの(1件 指摘金額 657億円)

[本件については、会計検査院法第30条の2の規定により、平成23年10月5日に、国会及び内閣に報告している。]

〇国土交通省

・港湾整備事業により整備する岸壁が有効に利活用されるよう意見を表示したもの(1件 指摘金額 143億8356万円)

〇国土交通省及び独立行政法人住宅金融支援機構

・独立行政法人住宅金融支援機構の証券化支援勘定等における政府出資金について、2種類の政府出資金が果たしている役割に重複している部分があることを考慮して必要な処置を講ずることにより、適切な規模とするよう意見を表示したもの(1件 指摘金額 290億7030万円)(2か所参照 1  2

[本件については、会計検査院法第30条の2の規定により、平成23年10月5日に、国会及び内閣に報告 している。]

〇環境省

・二酸化炭素の排出抑制対策に係る補助事業の実施に当たり、排出抑制等のための目標量を設定させるなどして、事業を効率的、効果的に実施するよう意見を表示したもの(1件 指摘金額 23億6885万円 背景金額 78億8922万円)

〇防衛省

・防衛装備品の部品等の一般輸入調達に当たり、品代に取次手数料が含まれていることを踏まえ、商社等と外国製造会社等との取引の実態を把握して取次手数料の取扱いを定めることなどにより、予定価格の算定等が適切に行われるよう意見を表示したもの(1件 背景金額 60億4426万円)

〇日本年金機構

・委託して行う国民年金保険料収納業務について、受託事業者による直接的な納付督励の成果に基づいて、より適正な事業の進管理を行うなど、抜本的な業務の見直しを行うよう意見を表示したもの(1件 背景金額 56億2441万円)

(イ) 意見を表示し及び改善の処置を要求したもの
5件

〇東京地下鉄株式会社、北海道旅客鉄道株式会社、四国旅客鉄道株式会社、九州旅客鉄道株式会社

・鉄道駅等の移動等円滑化に当たり、移動等円滑化設備が円滑化基準に適合するなどして適切に整備されるよう改善の処置を要求し、及び整備の効果が十分に発現し、移動等円滑化が適切に実施されるよう意見を表示したもの

4件 背景金額 東京地下鉄株式会社 121億4231万円
  北海道旅客鉄道株式会社 26億8993万円
  四国旅客鉄道株式会社 9043万円
  九州旅客鉄道株式会社 26億1023万円

〇独立行政法人国立病院機構

・独立行政法人国立病院機構病院において、診療報酬請求を適正なものとするための事務処理体制の整備を十分に図るよう意見を表示し及び改善の処置を要求したもの(1件 指摘金額 1億2742万円)

(ウ) 改善の処置を要求したもの
30件

〇財務省

・特定国有財産整備特別会計の貸借対照表に計上されている資産のうち剰余となっている不動産を一般会計へ無償で所属替等するとともに、今後剰余となる不動産が生じた場合も同様に一般会計へ無償で所属替等することにより、国有財産の有効活用を図るよう改善の処置を要求したもの(1件 指摘金額 618億8817万円)

〇厚生労働省

・厚生労働省が医療施設耐震化臨時特例交付金を交付して都道府県に造成させている基金の有効活用を図るよう改善の処置を要求したもの(1件 指摘金額 16億2985万円)

・生活保護事業における医療扶助の実施において、長期入院患者の実態を適切に把握し、入院の必要がない長期入院患者の退院に向けた指導及び援助を行うことにより医療扶助の適正な実施を図り、生活保護費等負担金の交付が適切なものとなるよう改善の処置を要求したもの(1件 指摘金額 4億2727万円)

〇農林水産省

・食農連携事業による新商品の開発等について、課題提案書等の審査を充実させることなどにより、事業の効果が十分に発現するよう改善の処置を要求したもの(1件 指摘金額 2億4730万円)

・都道府県等の事業主体が締結する造林事業に係る請負契約等について、同一の市町村管内を施行地とする造林事業で競争入札により契約を締結している事業主体がある場合には、競争の利益を享受し、入札・契約方式の一層の適正化を図るため、原則として競争入札により契約を締結することなどを都道府県等に指導するよう改善の処置を要求したもの(1件 指摘金額 1億6281万円)

・就農支援資金貸付事業の実施に当たり、青年農業者等育成センターが保有する事業資金の適切な規模について算定基準等を示すとともに、適切な規模を超えるものについて、貸付金相当額の繰上償還を求めることなどにより、財政資金の有効活用を図るよう改善の処置を要求したもの(1件 指摘金額 16億3514万円)

・牛を対象とする家畜共済事業について、農業共済組合連合会等に具体的な評価資料の作成方法を示すなどして、農業共済組合等が共済金の算定の基となる牛の価額を適切に評価できるようにすることにより、共済金の算定をより適切に行うよう改善の処置を要求したもの(1件 指摘金額 1億0275万円 背景金額 22億4129万円)

〇農林水産省及び独立行政法人農畜産業振興機構

・独立行政法人農畜産業振興機構が公益法人に補助金を交付して設置造成させている運用型の基金が保有する資金について有効活用を図るよう改善の処置を要求したもの(農林水産省 1件)

・公益法人に補助金を交付して設置造成させている運用型の基金が保有する資金について有効活用を図るよう改善の処置を要求したもの(独立行政法人農畜産業振興機構 1件 指摘金額 82億8413万円)


上記2件の重複を控除して、

農林水産省及び独立行政法人農畜産業振興機構 1件 指摘金額 82億8413万円

〇国土交通省

・鉄道駅等の移動等円滑化に当たり、補助金により整備される移動等円滑化設備が円滑化基準に適合するなどして適切に整備されるとともに、整備の効果が十分に発現するよう改善の処置を要求したもの(1件 背景金額 244億9911万円)

・国土交通省が被災住宅再建対策事業費補助金を交付して公益法人に造成させている基金について、使用する見込みのない資金を国庫に返納させるなどして、基金規模の見直しを図るよう改善の処置を要求したもの(1件 指摘金額 230億6090万円)

・土砂災害警戒区域等の指定等に関する基礎調査の結果をより早期に活用できるよう改善の処置を要求したもの(1件 指摘金額 25億7474万円)

・耐震強化岸壁について、背後の荷さばき地等を適切に管理するなどしたり、耐震性能の再点検等を行ったりするとともに、クレーンの免震化対策等を検討することにより、大規模地震発生直後において十分に機能を発揮することができるよう改善の処置を要求したもの(1件 背景金額 792億8700万円)

〇防衛省

・駐留軍等労働者に対する給与の振込先を原則として一つの口座とすることにより、口座振込みに係る委託費の節減を図るよう改善の処置を要求したもの(1件 指摘金額 1022万円)

〇独立行政法人産業技術総合研究所

・利用状況が著しく低い研究拠点等の土地及び建物の国庫納付に向けて、速やかに当該研究拠点等の集約化を図ったり、集約化に向けた具体的な計画を早急に策定したりなどするよう改善の処置を要求したもの(1件 指摘金額 42億2209万円)

〇独立行政法人造幣局

・国から承継した貴金属の売却等に係る額のうち、適正保有量を把握することなどにより算定した貴金属を補充するために必要となる額等を控除した額等を国庫に納付するよう改善の処置を要求したもの(1件 指摘金額 21億2400万円)

〇国立大学法人北海道大学、国立大学法人埼玉大学、国立大学法人東京大学、国立大学法人東京医科歯科大学、国立大学法人東京外国語大学、国立大学法人一橋大学、国立大学法人福井大学、国立大学法人信州大学、国立大学法人静岡大学、国立大学法人名古屋大学、国立大学法人京都大学、国立大学法人大阪大学、国立大学法人高知大学、国立大学法人九州大学、国立大学法人鹿児島大学

・国立大学法人が保有している未利用の土地や建物等について、当該資産を保有する合理的な理由の有無を検討して具体的な処分計画又は利用計画を策定するなどし、これにより資産の有効活用を図るよう改善の処置を要求したもの

15件 指摘金額 国立大学法人北海道大学 4065万円 国立大学法人静岡大学 3億4524万円
  国立大学法人埼玉大学 2億4760万円 国立大学法人名古屋大学 8370万円
  国立大学法人東京大学 154億0614万円 国立大学法人京都大学 3億6222万円
  国立大学法人東京医科歯科大学 2074万円 国立大学法人大阪大学 5億0212万円
  国立大学法人東京外国語大学 7067万円 国立大学法人高知大学 9300万円
  国立大学法人一橋大学 1億3849万円 国立大学法人九州大学 1億8906万円
  国立大学法人福井大学 1306万円 国立大学法人鹿児島大学 6110万円
  国立大学法人信州大学 4487万円    

(3) 本院の指摘に基づき当局において改善の処置を講じた事項
計54件

〇内閣府(警察庁)

・小型回転翼航空機の購入の際に併せて必要とされる部品について、故障発生頻度等の情報や使用実績を十分に把握した上で調達したり、使用していない部品を官給品として活用したりするなどして、経済的な調達及び有効活用が図られるよう改善させたもの(1件 背景金額 4億4678万円)

〇総務省

・地上デジタルテレビ放送送受信環境整備事業のうち辺地共聴施設整備事業の実施に当たり、施工業者との契約締結時には、国が定めた標準価格に基づく簡易積算書を使用して事業費を算定した場合であっても、業者見積書を徴するなどして事業費の算定が経済的に行われるよう改善させたもの(1件 指摘金額 1億2679万円)

〇法務省

・病院移送における戒護職員に対して支給される宿泊料について、病院移送の実態からみて通常必要となる費用に即して適切に減額調整するよう改善させたもの(1件 指摘金額 7010万円)

・刑事施設等における脳波計の整備に当たり、使用実績が著しく低調である刑事施設等には整備しないこととするなどの指針を策定するなどして整備が適切に行われるよう改善させたもの(1件 指摘金額 1320万円)

・登記所備付地図作成作業請負契約の予定価格の積算に当たり、現地立会を複数回行う場合であっても作業等の実態に合わせて、土地の筆界点に設置する杭の材料費を1回分のみ計上するよう改善させたもの(1件 指摘金額 3450万円)

〇外務省

・在外公館に配備する医薬品を調達するに当たり、入札仕様書に医薬品の一般名を記載することにより、後発医薬品をより広く選定できるようにして調達に係る経費の節減を図るよう改善させたもの(1件 指摘金額 755万円)

〇財務省

・国有財産である畦(けい)畔を時効により取得した者についての情報を課税資料として収集し活用することなどにより、課税対象者を的確に把握して課税を行うよう改善させたもの(1件 背景金額 22億2551万円)

〇文部科学省

・公立の義務教育諸学校等施設の整備に要する経費に充てるための交付金について、契約金額に基づき額の確定を行うことにより、交付金事業を経済的かつ効率的に実施するよう改善させたもの(1件 指摘金額 52億7203万円)

〇厚生労働省

・介護給付費負担金について、介護保険事業状況報告を用いるなどして審査及び確認を実施することにより、負担金が適正に算定されるよう改善させたもの(1件 指摘金額 1億4937万円)

・労働市場センター業務室から通知等される雇用保険に係る要調査対象受給資格者等の検出情報のうち、未活用となっている検出情報を十分に活用する体制を整備することにより、失業等給付金の支給の適正化を図るよう改善させたもの(1件 指摘金額 1億1162万円)

〇農林水産省

・国営造成施設管理体制整備促進事業(管理体制整備型)の実施に当たり、管理主体の職員の業務従事実績に係る証拠書類の整備方法を明確にすることなどにより補助対象事業費の算定が適切に行われるよう改善させたもの(1件 指摘金額 685万円 背景金額 5億0260万円)

・総合評価落札方式による一般競争入札の実施に当たり、具体的な仕様書を基にして予定価格を適正に算定するようマニュアルを改正することなどにより、契約事務を適切に行うよう改善させたもの(1件 指摘金額 57億7347万円)

・業務用の車両に設置するカーナビについて、テレビ受信機能の必要性を十分検討して経済的な購入を行うこととするとともに、購入済みのカーナビに係る日本放送協会との受信契約を業務上の必要性に応じて適切に見直すよう改善させたもの(1件 指摘金額 547万円 背景金額 1億2182万円)

〇経済産業省

・多数の郵便物の郵送を伴う環境対応車普及促進事業等の実施に当たり、割引制度を適切に活用することにより郵便料金の節減を図るよう改善させたもの(1件 指摘金額 3469万円)

〇国土交通省

・滑走路等の舗装工事の実施に当たり、航空機が安全かつ効率的に離着陸や走行を行えるようにするため、舗装の設計及び施工管理の方法を明確にすることにより、横断勾配を航空法施行規則で定める規格に適合した適切なものとするよう改善させたもの(1件 指摘金額 4359万円)

〇防衛省

・りん議決裁システムを利用して起案する文書の対象を具体的に規定したり、積極的なシステム利用を促したりなどすることによりシステムの有効な利用が図られるよう改善させたもの(1件 指摘金額 2億5558万円)

・学士の学位授与に係る学位審査手数料について、国費負担をしないことにより、経費の節減を図るよう改善させたもの(1件 指摘金額 2290万円)

・補給処に長期間にわたり保管されたままとなっている装備品について、補給の指示を行って部隊等に補給させるとともに、補給の指示が適時適切に行われているか確認するための体制を整備して、装備品を速やかに部隊等に補給して有効に使用させるよう改善させたもの(1件 指摘金額 9449万円)

・多連装ロケットシステムの演習弾の調達に当たって、再利用可能なコンテナの予備数の算定を見直すことにより、必要と認められる予備数を超えて保有しているコンテナを製造会社に官給して効率的に活用するよう改善させたもの(1件 指摘金額 1231万円)

・借地上に新築等した庁舎等の建物について登記が必要となる場合を明確に定めることなどにより、国有財産の管理が適切に行われるよう改善させたもの(1件 指摘金額 5億3287万円)

〇東日本高速道路株式会社、中日本高速道路株式会社、西日本高速道路株式会社、本州四国連絡高速道路株式会社、首都高速道路株式会社、阪神高速道路株式会社

・トンネル照明設備について、自動車から排出されるばい煙等が大幅に減少したことに伴いトンネル内の視環境が改善されていることなどを踏まえて、その状況に応じて適時適切な管理運用を行うことにより、電力量料金の節減を図るよう改善させたもの

6件 指摘金額 東日本高速道路株式会社 539万円
  中日本高速道路株式会社 2016万円
  西日本高速道路株式会社 533万円
  本州四国連絡高速道路株式会社 110万円
  首都高速道路株式会社 3020万円
  阪神高速道路株式会社 1343万円

〇中日本高速道路株式会社、西日本高速道路株式会社

・用地関係業務における業務費の積算について、業務の委託先である子会社において発生している費用を反映した適切なものとするよう改善させたもの

2件 指摘金額 中日本高速道路株式会社 2億1930万円
  西日本高速道路株式会社 1億8090万円

〇独立行政法人国立印刷局

・原材料運搬契約等の予定価格の積算について、実際の延べ作業時間を反映させることにより経済的なものとなるよう改善させたもの(1件 指摘金額 710万円)

〇独立行政法人国際協力機構

・草の根技術協力事業で実施する委託契約において、消費税の課税事業者であることの確認を適切に行うことにより、委託費の算定等を適正なものとするよう改善させたもの(1件 指摘金額 1101万円)

〇独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構

・実証試験等に係る共同研究事業で取得した共有取得財産について、共同研究事業等の終了後における有償譲渡の価額を適切なものとするよう改善させたもの(1件 指摘金額 2億7306万円)

〇独立行政法人日本学術振興会

・海外センターの運営者等に対して支給される住居手当相当額が現地における実際の家賃の支払額を上回ることがないよう取扱要領等を改正するなどして滞在旅費の支給が適切なものとなるよう改善させたもの(1件 指摘金額 2963万円)

〇独立行政法人理化学研究所

・任期制職員のうち事業所の所長等に係る年俸の決定の取扱いを給与の支給基準に明示し、これを文部科学大臣に届け出るとともに公表して、年俸の決定過程の透明性を確保するよう改善させたもの(1件 指摘金額 4億5952万円 背景金額 55億2981万円)

〇独立行政法人宇宙航空研究開発機構

・宇宙開発に関する理解促進活動を世界的に著名な有識者に委託する契約について、予定価格の算定及び成果の確認に係る妥当性の検証を確実に行うことができるようにすることにより、契約の透明性を確保するよう改善させたもの(1件 指摘金額 3805万円)

〇独立行政法人雇用・能力開発機構

・中期目標期間の終了に伴う国庫納付ができなかったことにより法人内部に留保されている精算収益化額に相当する額の資金について、機構が解散する際に国に承継されるよう改善させたもの(1件 指摘金額 1億7694万円)

〇独立行政法人労働者健康福祉機構

・勤務時間内に報酬を伴う兼職に従事する医師の給与について、兼職に従事した時間数分について給与を減額するなどして兼職先からの報酬の支払と重複して給与の支給を受けさせない取扱いとすることにより、給与の支給が適切なものとなるよう改善させたもの(1件 指摘金額 2億1695万円)

・中期目標期間の終了に伴う国庫納付ができなかったことにより法人内部に留保されている精算収益化額に相当する額等の資金について、国庫納付することとなるよう改善させたもの(1件 指摘金額 15億8867万円)

〇独立行政法人海洋研究開発機構

・中期目標期間の終了に伴う国庫納付ができなかったことにより法人内部に留保されている資金について、不要財産として国庫納付することとなるよう改善させたもの(1件 指摘金額 18億3827万円)

〇独立行政法人中小企業基盤整備機構

・中期目標期間の終了に伴う国庫納付ができなかったことにより法人内部に留保されている精算収益化額に相当する額の資金について、国庫納付することとなるよう改善させたもの(1件 指摘金額 8307万円)

〇独立行政法人日本原子力研究開発機構

・次世代型高速増殖炉に関する革新技術開発に係る契約の締結に当たり、精算条項を付することなどにより契約金額の透明性及び経済性を確保するよう改善させたもの(1件 指摘金額 126億2770万円)

〇独立行政法人国立がん研究センター、独立行政法人国立循環器病研究センター、独立行政法人国立精神・神経医療研究センター、独立行政法人国立国際医療研究センター、独立行政法人国立成育医療研究センター、独立行政法人国立長寿医療研究センター

・承継した建物及び器械備品の資産計上に当たり、建物の減価償却及び器械備品の価額の算定を適切に行い、財務諸表にこれらを反映させるとともに、資産管理に係る事務処理を適切に行うために体制の整備を図るよう改善させたもの

6件 指摘金額 独立行政法人国立がん研究センター 2億4290万円
  独立行政法人国立循環器病研究センター 8億9341万円
  独立行政法人国立精神・神経医療研究センター 1830万円
  独立行政法人国立国際医療研究センター 1億0686万円
  独立行政法人国立成育医療研究センター 2億4055万円
  独立行政法人国立長寿医療研究センター 2452万円

〇首都高速道路株式会社

・照明柱に添架する工事用PR看板の取付工費及び撤去工費の積算を現場条件に応じた単価を設定するなどして適切なものとするよう改善させたもの(1件 指摘金額 6010万円)

〇阪神高速道路株式会社

・料金収受業務契約の予定価格の積算に当たり、硬貨計数機等の損料等を重複して計上することのないよう算定方法を改めるなどして備品費等の積算を適切なものとするよう改善させたもの(1件 指摘金額 5030万円)

〇エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社

・法人向けブロードバンドサービスに使用するためにレンタルしているルータのうち、レンタル会社において機器費の回収を完了したと想定されるルータを経済的に調達するよう改善させたもの(1件 指摘金額 2億1058万円)

〇東日本電信電話株式会社、西日本電信電話株式会社

・添架管理業務の実施に当たり、設備貸借管理システムを使用して添架データの管理を行うことにより、適切に添架料を徴収する体制を整備するよう改善させたもの

2件 指摘金額 東日本電信電話株式会社 4683万円
  西日本電信電話株式会社 3070万円

〇東日本電信電話株式会社

・委託費の実費精算に当たり、会計経理における統制等の内部統制が有効に機能するための体制を整備するなどして、社内規程に基づく支払金額の確認が適切に行われるよう改善させたもの(1件 指摘金額 3億7517万円)

〇西日本電信電話株式会社

・光サービス用装置の設置に当たり、同装置を複数の用途で共用するなどして、より少ない装置数で光サービスを提供できるよう改善させたもの(1件 指摘金額 10億9767万円)

〇株式会社かんぽ生命保険

・業務用の車両に設置するカーナビについて、業務上の必要性を十分に検討してテレビ受信機能の要否を決定することなどにより、カーナビに係る日本放送協会との受信契約を適切なものとするよう改善させたもの(1件 指摘金額 828万円)

(4) 不当事項に係る是正措置等の検査の結果

 検査報告に掲記した不当事項に係る是正措置の状況について

 昭和21年度から平成21年度までの決算検査報告に掲記した不当事項に係る23年7月末現在の是正措置の状況について検査した結果、是正措置が未済となっているものは41省庁等における507件131億4412万余円であり、このうち金銭を返還させる是正措置を必要とするものは40省庁等における505件121億9609万余円となっている。

イ 本院の指摘に基づき当局において改善の処置を講じた事項に係る処置の履行状況について

 平成21年度決算検査報告において改善の処置の履行状況を継続して検査していくこととした本院の指摘に基づき当局において改善の処置を講じた事項98件のうち、制度が廃止されたものなど5件を除いた93件について改善の処置の履行状況を検査した結果、改善の処置が一部履行されていなかったものが5件あり、このうち2件については、不当事項として掲記した。

3 第4章の「国会及び内閣に対する報告並びに国会からの検査要請事項に関する報告等」の概要

(1) 国会及び内閣に対する報告

 会計検査院法第30条の2の規定により国会及び内閣に対して報告したものは10件である。このうち、「第4章 国会及び内閣に対する報告並びに国会からの検査要請事項に関 する報告等」にその検査状況を記載したものは、「第3章 個別の検査結果」に掲記した 5件(注) を除く次の5件である。

 「第3章 個別の検査結果」に掲記した5件
 「各都道府県に移管された高校奨学金事業について、運営状況等を的確に把握し、これに基づいて必要な助言等を行うなどの所要の対応を執るなどして、将来にわたって適切な運営が確保されるよう意見を表示したもの」
 「緊急人材育成支援事業の実施状況を踏まえ、その制度を基に創設される求職者支援制度において職業訓練受講給付金が適正に支給されるよう、また、事業効果を適切に把握し十分に発現される体制となるよう意見を表示したもの」
 「東郷ダムの工事が完了していないため事業期間が長期化している国営東郷土地改良事業及び国営ふらの土地改良事業について、事後評価を行ってその結果を事業に適切に反映させるとともに、可能な限り経済的で効果的なかんがい用水の水源確保の方法を選定して事業効果の早期発現を図るよう意見を表示したもの」
 「エネルギー対策特別会計の周辺地域整備資金について、当面の間は資金残高の規模を縮減させるとともに、今後需要額の算定が必要となる場合には積立目標額の規模を見直すなどして、当面需要が見込まれない資金を滞留させないような方策を検討するよう意見を表示したもの」
 「独立行政法人住宅金融支援機構の証券化支援勘定等における政府出資金について、2種類の政府出資金が果たしている役割に重複している部分があることを考慮して必要な処置を講ずることにより、適切な規模とするよう意見を表示したもの」(2か所参照 1  2

ア 都道府県及び政令指定都市における国庫補助事業に係る事務費等の不適正な経理処理等の事態、発生の背景及び再発防止策について

イ 航空自衛隊第1補給処における事務用品等の調達に係る入札・契約及び予算執行の状況について

ウ 国庫補助金等により都道府県等に設置造成された基金について)

エ 独立行政法人における運営費交付金の状況について

オ 消費税の課税期間に係る基準期間がない法人の納税義務の免除について

(2) 国会からの検査要請事項に関する報告

 国会から国会法第105条の規定による会計検査の要請を受けて検査を実施し、会計検査院法第30条の3の規定により検査の結果を報告したものは次の1件である。

・在外公館に係る会計経理について

(3) 国会からの検査要請事項に関する検査状況

 国会から国会法第105条の規定による会計検査の要請を受けた事項のうち、その検査状況を記載したものは次の1件である。

・牛肉等関税を財源とする肉用子牛等対策の施策等について

(4) 特定検査対象に関する検査状況

 特定検査対象に関する検査状況として6件掲記した。

ア PFI事業の実施状況について

イ 子ども・子育て支援対策における国の財政支援制度の実施状況について

ウ 株式会社日本長期信用銀行及び株式会社日本債券信用銀行の特別公的管理の終了に伴い預金保険機構が取得した資産等の処分及び回収状況並びに金融再生勘定の財務状況について

エ 義務教育費国庫負担金の検査の状況について

オ 株式会社日本政策投資銀行による株式会社日本航空に対する貸付け等の状況について

カ 独立行政法人が実施している融資等業務の状況について)

(5) 国民の関心の高い事項等に関する検査状況

 国会等で議論された事項、新聞等で報道された事項その他の国民の関心の高い事項等に関する検査の状況について、「第3章個別の検査結果」及び「第4章国会及び内閣に対する報告並びに国会からの検査要請事項に関する報告等」に掲記した主なものを〔1〕資産、基金等のストックに関するもの、〔2〕特別会計に関するもの、〔3〕独立行政法人等に関するもの、〔4〕国民生活の安全性の確保に関するもの、〔5〕行政経費の効率化、事業の有効性等に関するもの、〔6〕その他に区分して整理するなどした。

(6) 特別会計財務書類の検査

 本院は、特別会計に関する法律の規定に基づき、平成22年11月に内閣から送付を受けた10府省が所管する21特別会計の平成21年度特別会計財務書類について正確性及び合規性の観点から検査した。そして、同年12月に内閣に対して、同書類の検査を行った旨を通知し、同書類を回付した。
 検査した結果、特別会計財務書類の計上金額等の表示が適切とは認められないものが、5省が所管する6特別会計において見受けられた。